商工会 100万会員ネットワーク COMPASS CLUB
 
スペース
コンパスクラブ コンパスクラブTOP 商い知っ得情報TOP 地域情報TOPページ
スペース
スペース
現在のPAGE

あきない知っ得情報TOP=最新のコラム

現在のPAGE
スペース

back

今月の施策 | 働き方改革について その1:働き方改革の意義を理解しよう

「働き方改革」という言葉を聞いて皆さんはどう思われますか?働き方改革関連法案が4月に閣議決定され国会で審議されています。罰則付き残業時間の上限規制導入、同一労働同一賃金、高度プロフェッショナル制度など、労働時間や賃金の話題が多くを占めています。しかし、これらは働き方改革の一部的なものでしかありません。

今回は「働き方改革」が推進されるその理由と重要性を簡単にわかりやすく解説させていただきます。

1.日本の経済成長の隘路(あいろ)(物事を進める妨げとなる困難な問題)である「少子高齢化」

少子高齢化の進行により、日本の生産年齢人口(15歳〜64歳)は1995年をピークに減少に転じており、総人口も2008年をピークに減少に転じています。

総務省「国勢調査」によると、2015年の総人口(年齢不詳人口を除く)は1億2,520万人、生産年齢人口(15歳〜64歳)は7,592万人です。14歳以下の推計人口は1982年から連続して減少が続いており、少子化に歯止めがかからない実態が改めて浮き彫りになっています。

総人口は2030年には1億1,662万人、2060年には8,674万人(2010年人口の32.3%減)にまで減少すると見込まれており、生産年齢人口は2030年には6,773万人、2060年には4,418万人(同45.9%減)にまで減少すると推測されています。

(引用:総務省ホームページ)

図表

出 所:総務省ホームページ
源資料:(出典)2015年までは総務省「国勢調査」(年齢不詳人口を除く)、2020年以降は国立社会保障・ 人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」(出生中位・死亡中位推計)

2.新たな経済社会システム「一億総活躍社会」

少子高齢化の進行は、労働者の減少、経済規模の縮小、生活水準の低下を招き、将来に対する不安・悲観につながっており、この少子高齢化という日本の構造的な問題解決に着手していくことが経済成長に必要不可欠であるとしています。

そして、この少子高齢化問題に向き合い日本経済に好循環をつくりだすため、広い意味での経済政策として、子育て支援や社会保障を充実させ、経済を強くするという新たな経済社会システムづくりを行うとしています。


この少子高齢化の問題、経済成長に向けて打ち出された新たな経済社会システムづくりが、「一億総活躍社会」の創出です。

(参考:首相官邸ホームページ ニッポン一億総活躍プラン)

3.「一億総活躍社会の実現」と「新しい三本の矢」

一億総活躍社会とは

“・若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会
・一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会
・強い経済の実現に向けた取組を通じて得られる成長の果実によって、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという『成長と分配の好循環』を生み出していく新たな経済社会システム”
(引用:首相官邸ホームページ)

首相官邸ホームページ「一億総活躍社会の実現」
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/index.html

この一億総活躍社会を実現するための具体的策を「ニッポン一億総活躍プラン」として、3つの目標「名目GDP600兆円の実現」、「希望出生率 1.8」、「介護離職ゼロ」を掲げ、そして、この3つの目標を達成するための指針が「新しい三本の矢」と言われるものです。

図表

(首相官邸ホームページ 資料「ニッポン一億総活躍プラン(概要)」から一部を引用し作成)

既に少子高齢化の問題を抱えている現在、経済を成長させるためには、子育てや社会保障などを充実させることで、上述のとおり、様々な状況の人たちがあらゆる場面で誰しもが働ける、働きやすい環境を整え労働に参加してもらうことが求められます。そして、経済を成長させることによって、さらに社会保障を充実させていくという循環をつくることが期待されます。

言い換えれば、「経済成長には少子高齢化問題(労働人口減少:子育て・社会保障など)の解決が必要であり、少子高齢化問題の解決には経済成長が必要である」といえるでしょう。


ここまで読み進めていただき、ピンときた方もいらっしゃると思います。経済成長と少子高齢化問題は、両方が原因と結果を持ち合わせており「鶏が先か卵が先か」に例えられる“因果のジレンマ”となっていると言えます。

4.働き方改革とは?

“働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。”

(引用:首相官邸ホームページ)


一億総活躍社会の実現に向けた“因果のジレンマ”を打破していくためのひとつが「働き方改革」です。

図表

(首相官邸ホームページ 資料「ニッポン一億総活躍プラン(概要)」から一部を引用し作成)

現在、少子高齢化により労働人口が減少しているなか、今後の経済成長を実現するためには、幅広い方々に労働市場へ参加していただくことが求められます。

例えば、労働条件問題(労働時間、働く場所、生活を維持するための収入など)、男女に関わらず出産や育児の問題、高齢化する両親の介護問題、メンタル面も含めた健康問題などの様々な問題・課題があり、これらの条件は十人十色であり、日本旧来の画一的な意識と環境を変えていくことが必要不可欠であるとしています。


加えて、日本は他の先進国と比較しても、労働条件・環境は決してよいといえず、国際的な観点からも改善していくことが必要とされています。


これらを見直していくためには、法律や制度を変えることも必要であり、ひとつの分野だけでなく他の分野と複合的に絡み合っており全体の調整が必要とされます。

このことが、「働き方改革」を横断的課題、かつ最大のチャレンジと力説している所以(ゆえん)とも言えるでしょう。


繰り返しにもなりますが、一言でいいますと、経済成長、少子高齢化問題の“因果のジレンマ”と“ボトルネック”の解決策の切り口のひとつが「働き方改革」といってよいのではないでしょうか。

そして、その環境を整えるための具体的な施策をまとめているものが「働き方改革実行プラン」です。


経営者の皆さんは、「働き方改革」について労働時間や賃金体系の見直しという局所的なところだけでなく、なぜ、この改革プランが進められるのか、その背景や大局も理解しておくことが必要でしょう。なぜなら、従業員を雇う側である以上、主体的に考えることが求められるからです。

5.自社に置き換えて考えてみる

自社にあてはめてみても同様のことが言えるといえないでしょうか?中小・小規模事業者では、従業員の人手不足、高齢化、定着化に悩まれている方も少なくないと思います。

企業の成長なくして、従業員への分配(還元)はありませんし、従業員の協力をなくして企業の成長もありません。今、議論されていることは(長期残業時間の罰則付き上限規制、勤務時間インターバル、同一労働同一賃金など)、中小・小規模事業者にとっては、現実的には厳しく悩ましい内容かもしれません。

一方で、従業員の方の働く姿勢や態度、考え方や捉え方、また、取引先などの勤務スタイルや環境など、この20年くらいの間で変わってきていると感じられている経営者の方も多いのではないでしょうか?

今後、人材確保がますます難しくなってくるなか、まずは経営者が企業のあり方や、自分自身も含めた従業員の働き方を見つめ直し、今後、どのような対応をしていくのか真剣に考え始めることが、まずは、第一歩ではないでしょうか?


長文になりましたが、ご参考になれば幸いです。


次回では、働き方改革の内容について、解説したいと思います。






スペース スペース
おすすめの施策

分野別施策利用END

スペース
商工会 100万会員ネットワークEND
バックナンバー一覧ページTOP