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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧= 自社の健康状態を知るための「企業診断」の勧め

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今月の施策 バックナンバー

イラスト以前、「自計化」について触れた際に、セルフイニュメレーション(self-enumeration=自計)ということが呼びかけられるかもしれないという話をしました。財務という数値によって、「自分の健康は自ら気遣う」つまり、自己健康診断のしくみというものが今後重要になるのではないかということを述べました。

今回、このことについてもう少し深く考えてみたいと思います。


1.健康診断と企業診断

健康診断は、さまざまな病気の早期発見・早期治療はもちろん、病気そのものを予防することを目的に行われます。自分の健康状態を知ることは、とても大切なことですが、これを企業(体)に置き換えても同じことが言えます。

しかし、ヒトは、多くの場合、健康診断を定期的に受けることが習慣化されているのに対し、企業は定期的に診断を受けることは稀です。診断を受けるにしても、何か大きな問題が起こり、その状況を改善するために行うことがほとんどで、予防的な見地から行われることは少ないと言えます。

今の状態を知り、悪いところがないか、昨年と比べて悪化していることがないか、こういったことを定期的に把握することによって、初めて「予防」が可能になります。つまり、予防とは、悪い事態にならないように気をつけ、前もって防ぐことなのです。


ただ、現実を知ることが怖い場合もあります。ヒトで言えば、健康診断の結果で再検査を求められたり、何か大きな病気の疑いがあるため、精密検査を勧められたりすると、心ここにあらずの心境になったりもします。

企業の場合であれば、売上が減っている、客数が伸びない、コストが掛かりすぎるといった現象面でなんとなく悪いことは経験上わかるが、厳密に何が原因でそうなっているか、何がどう関連して今の結果になっているのか、理路整然と理解するのはなかなか難しいものです。

そういった業績が悪化していることを景気が悪いから、世の中の状況が好転しないからと、原因を外部の環境のせいにするだけでは、本当の改善は進みません。自身の経営や環境変化への対応を直視することが必要となります。企業活動が今の外部環境に合っていないのかもしれません。過去の成功体験が邪魔している場合もあります。

真実に向き合うことは勇気がいることです。何がより良いことなのかについて知ることは難しいことだと思いますが、少しでも「今」の状況を知っておく努力を行うことは、ヒトも企業も大切なことだと思います。

2.企業診断と診断結果の活用ポイント

(1) 企業診断とは

公的な企業診断は、中小企業庁が昭和23年に中小企業施策の一つの柱として診断制度を位置づけたことから、全国的な広がりを持つことになりました。その後、制度融資などの施策と関連づけた政策診断が公的な企業診断に組み込まれるようになりました。現在でも、高度化融資や市区町村の制度融資などで、企業診断を受診することが条件にもなっていることがあります。

このため、企業によっては「企業診断っていうのは、重箱の隅をつつかれているようで好きじゃない」といった悪いイメージを持った経営者の方もいらっしゃいます。たしかに、融資絡みだと、そういったことも感じるかもしれません。

しかし、企業診断はなにも融資のためだけにあるのではなく、より良い経営活動を進めていくため、何が問題となっているのか、そしてこうあって欲しいという経営者が持つ自社のあるべき姿と、現実とのギャップを埋めるための経営改善活動を経営者自身が考えるためにあるというのが本来の意味合いだと思います。


<図表1:企業診断の一般的な手順>

図


(2) ネット上で簡単にできる無料診断システム

公的な支援機関では、ネット上で経営者が一人で簡単に実施することができる診断システムが用意されています。以下で代表的なものをご紹介します。ぜひご活用ください。

①経営計画作成アプリ「経営計画つくるくん」(独立行政法人中小企業基盤整備機構)

http://tsukurukun.smrj.go.jp/

このシステムは、経営計画を作成支援するものですが各種分析もできるようになっています。まず、アプリをインストールし、アプリの質問に沿って、答えを入力していくことで市場分析や自社分析などもできます。自社の事業内容や経営状況などの再確認が可能です。

②経営自己診断システム(独立行政法人中小企業基盤整備機構)

http://k-sindan.smrj.go.jp/crd/servlet/diagnosis.CRD_0100

以前のコラムでもご紹介しましたが、このシステムは、決算書の主要な数値を入力するだけで経営診断ができるというシステムです。27の経営指標から収益性、効率性、生産性、安全性、成長性の項目を診断します。

③財務診断サービス(日本政策金融公庫 国民生活事業)

https://www.jfc.go.jp/n/zaimushindan/index.html

決算書に記載されている財務データを入力することにより、自社のおもな財務指標の推移の確認や、業界平均値(「小企業の経営指標」のデータ)との比較ができます。

④中小企業向け情報セキュリティ対策 5分でできる!自社診断(独立行政法人情報処理推進機構)

https://isec-portal.ipa.go.jp/supportsecurity/act001/dgnss/dgnssTop/

この診断シートによって、自社のセキュリティレベルを数値化することができます。診断結果を用いることにより、情報セキュリティの取組みを明確にすることができます。


診断は行うだけでは、終わりでありません。診断結果を活用してこそ、診断をしたことに意味が出てくるのです。診断結果に基づいた活用ポイントとして、以下のようなものがあげられます。


<図表2:診断結果の活用ポイント>

図


以上見てきましたが、何よりも重要なことは経営者自らが自社の経営状況を知っておこうという気持ちを持つことです。ヒトの場合で言えば、定期的な健康診断の受診はもちろんですが、毎日体重を量るということや定期的に血圧や体温を測定するなど、当たり前のように習慣化して自分の健康を気遣うという気持ちを持つことが重要になります。このような行動は、数値によって把握することなので、客観性を保つことができます。

企業の場合で言えば、自計化によるスピーディーな会計処理の実現、商品販売数や売上高の達成率の確認といったようなことがあげられます。

日々の経営活動の結果を数値で把握しておく、そして必要に応じて外部の企業診断を受診する、このようなことを問題が起こってから、慌てて行うのではなく、日頃から経営者自らが客観的な手法で自社の健康状態を気遣うことが大切だと思います。まずはそういう気持ちを持つことが出発点になるのです。

なお、商工会には事業者支援ツールとして、商工会の会計システムであるネットde記帳の財務データを活用することで事業所の経営状態の把握・分析・シミュレーションに活用できる「経営分析システム」や経営改善計画書の作成・管理ができる「経営改善計画作成システム」などがあります。経営指導員の協力を得ながら利用できるものなので、商工会会員の方は所属商工会へ相談することをお勧めします。

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