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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧= 信用保証協会による経営支援

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今月の施策 バックナンバー

イラストリーマンショック後の景気後退期、緊急保証制度や中小企業金融円滑化法を始めとする様々な中小企業金融支援策が講じられてきました。その中で、金融支援策の中心には必ずと言っていいほど信用保証協会の存在がありました。

信用保証制度は小規模事業者を中心に、中小企業の約4割にあたる141万者が利用する、資金繰りを支える重要な制度となっています。ただ、時代の変化の中で信用保証協会の求められる役割も変わりつつあり、現在では金融機関と連携した経営支援などの強化や地域経済の活性化への一層の貢献といったものが求められています。

今回は、中小企業金融になくてはならない存在となっている信用保証協会による経営支援について見ていきたいと思います。


1.信用保証協会の業務の推移

振り返ってみると、信用保証という制度は、金融危機の時に保証残高が大きく拡大し、常に中小企業金融を支えてきたことがわかります。特に、金融システム不安に対応すべく導入された「中小企業金融安定化特別保証制度(特別保証)」(1998年)、リーマンショックに対応する「緊急保証」(2008年)により保証残高は大幅に増加し、その影響緩和に貢献しました。

さらに、複数の保証付借入金の債務一本化などを促進することにより、中小企業の月々の返済額の軽減を推進し、中小企業の資金繰りを円滑化することを目的とした「借換保証制度」の拡充・促進を図るため、特別保証や緊急保証を他の保証と一本化することも行ってきました。そして、本年3月には複数債権を一本化することにより毎月の返済負担を軽減し、また新規事業資金の追加を可能とする「条件変更改善型借換保証(リスケ改善借換)」が創設され、ますます信用保証協会による資金繰り支援は拡大してきています。

<図表1:信用保証残高と信用保証貸出比率の推移>

図

(出典:2016年版中小企業白書)

一方、信用保証協会の業務は、2005年に大幅な見直しが行われ、これまで信用保証協会と金融機関の連携による支援強化(責任共有制度の導入、金融機関と連携した審査効率化など)や保証協会の再生支援の強化(求償権の放棄等に関する制度整備など)が進められてきました。

その後、リーマンショックなどによって条件変更先が急増したことを受け、事業再生・経営改善に係わる地域の関係者を一堂に会し相互に目線を合わせる「側面支援」としての「中小企業支援ネットワーク構築」、金融支援を個別にサポートする枠組みである「個社支援」としての「経営サポート会議」の実施や保証協会が直接経営改善計画の策定を支援する取組などが強化されてきました。

さらに、一部の保証協会においては創業チャレンジを促すための普及啓発支援や再生ファンドへの投資などといった地方創生への取組が積極的に行われています。

<図表2:条件変更先急増後の保証協会の業務>

図


このように保証協会の業務は、従来、保証・回収が中心となっていましたが、時代の変化の中でその求められる支援の役割も変わってきていると言えます。

2.信用保証協会に求められる支援の役割

では、信用保証協会に求められる支援の役割としてどのようなことがあるのでしょうか。実は、そのヒントとなる取組みが現在、中小企業政策審議会基本問題小委員会の金融ワーキンググループ(以下、「金融WG」)で行われています。金融WGで取り上げられている内容から、以下の3点が考えられます。


まず、金融機関とのさらなる連携体制の強化です。

金融機関と信用保証協会との関係は、金融面での協力体制、つまり中小企業への融資を実行する側、その融資に対する保証を付す側というリスクシェアを通じた関係がメインでしたが、中小企業の成長・発展のため、個々の中小企業の課題に応じた適切な連携体制を構築することが必要になるものと思います。

イラスト

信用保証で保全されたことにより、金融機関の中小企業に対するモニタリングや支援姿勢が不十分となり、その結果、融資を受けることができたがその効果が中小企業側であまり現れない、さらにその後の対応が手遅れになるといったこともあり得ます。そうならないためにも、金融機関において、初期症状を的確に把握し、早期に資金繰りの安定化を図り経営改善の対応を促して行くことが有効となります。

事業者を最後まで支える姿勢のメインバンク等の対応を、保証協会が適切にリスクシェアをしながら支えていくことが、中小企業の経営改善を促し事業を発展させる観点で有効と言えます。このため、保証協会においては、業況等に即して審査・承諾を行うことはもとより、こうした金融機関の支援姿勢(プロパー融資等)を勘案して対応することが重要となります。

次に、経営支援です。中小企業の経営改善・事業再生等を進めるためには、地域の関係機関の目線を合わせ、中小支援ネットワークを構築していくことが重要となります。引き続き、側面支援を保証協会が中心となり、関係者間で事業再生・経営改善に係るベストプラクティスの共有や関係機関間の有機的な連携を促していくことが求められます。

また、複数行・複数債務により経営者にとって調整が重荷となり進まないといった場合には、 経営サポート会議等の支援を行うことが有効となります。保証協会自らが行う直接的な経営支援について、本来、経営支援はメインバンクなどの金融機関が行うべきものですが、リーマンショック時の緊急対応などにより、メインバンクの機能が不明瞭となり対応が進まなくなるようなケースでは、保証協会自らが対応していくことも求められます。


最後に、地域の中小企業に対する取組の共有化です。

各信用保証協会では、それぞれ独自に地域の中小企業に対する支援を行っているケースがあります。たとえば、創業予定者向けの独自セミナーの開催、女性経営者を応援することを目的にした協会と金融機関の女性職員の連携促進、販路開拓のための交流会・商談会、展示会の開催などを行っている協会もあります。

このような取組みのうち、他の協会のモデルとなるようなものを成功事例として取りあげたり、国の制度として参考にすることも地方創生などへ一層の貢献を果たすことになるでしょう。



創業予定者を含め、すべての中小企業・小規模事業者を対象とした支援機関は限られています。その中で、民間金融機関をはじめとした各支援機関ともつながりを有する信用保証協会は中小企業支援の司令塔になりうる存在と言えます。融資を受けやすくする信用保証によるアシスト、セーフティネットという名の中小企業の生命線の死守、金融を中心に連携した支援体制の構築、個別の経営支援など中小企業支援における名プレイヤーともなりうるでしょう。今後、ますます保証協会への期待も高まっていくことと思います。

多くの中小企業では、金融機関を経由した形で信用保証協会を利用されていることと思いますが、皆さんぜひ信用保証協会に直接出向き相談されてみてはいかがでしょうか。きっと経営に役立つアドバイスを手に入れることができると思います。

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