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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧= 中小企業等経営強化法とは?

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イラスト人口減少・少子高齢化の進展に伴う労働力人口の減少や国際競争の激化など、わが国の中小企業・小規模事業者・中堅企業を取り巻く事業環境は厳しい状況にあります。このような状況を受け、国は中小企業・小規模事業者等の生産性向上を支援することにより、海外展開も含め、将来の成長・発展のための経営強化を図ることにしました。その新たな法的枠組みが、7月1日に施行された「中小企業等経営強化法」です。

何か新しい法律ができたように見えますが、実際には以前からある「中小企業新事業活動促進法」が改名したものです。とは言っても、ただ名称が変わったわけではありません。では何が変わったのでしょうか?

中小企業等経営強化法とはどういう法律なのか、今回見ていきたいと思います。


1.中小企業等経営強化法の目的

中小企業等経営強化法は、国が生産性向上に役立つ取組を分かりやすく中小企業・小規模事業者(以下、「中小企業・小規模事業者等」)に提供するとともに、生産性を向上させる取組を計画した中小企業・小規模事業者等を積極的に支援するためのものです。この法律の目的は以下の4つに大別されます。

(1) 生産性向上の必要性

少子高齢化、人手不足等の状況において、効果的に付加価値を生み出せるよう、製造業はもとより、相対的により生産性の低い非製造業における生産性の向上が必要となっています。

(2) 業種横断的な経営課題への対応

事業活動に有用な会計管理の徹底、財務内容の分析、ITの導入等、経営資源を十分活用するための取組をさらに普及させることが重要です。そのためには、支援機関の伴走型の支援によるきめ細かな経営課題の解決が必要です。

(3) 業種別の経営課題への対応

中小企業・小規模事業者が抱える経営課題や生産性向上のための取組方法は、事業分野や規模ごとに異なります。そのため、同業者等のベストプラクティス(成功事例)をもとに、自社において対策が講じられるように、取組を分かりやすく提供します。

(4) 中堅企業の重要性

中堅企業は、地域の中小企業との取引のハブとなるなど、地域経済を牽引する存在です。中堅企業の生産性向上を一体的に支援することで、地域経済への大きな波及効果が期待されています。


以上により、この法律では中小企業・小規模事業者等による生産性向上(経営力向上)に向けた取組を支援することとしています。

ところで、筆者が思うこの法律の最大の特徴は、この法律が「本業の成長」を支援の対象としていることです。「中小企業・小規模事業者等を支援する法律なんだから、そんなの当たり前じゃないか」という声が聞こえてきそうですが、「本業」という点では案外そうでもありません。

平成11年に中小企業経営革新支援法が施行されるとともに、同年中小企業基本法が全面改正された後、平成17年の中小企業新事業活動促進法(経営革新支援法の一部改正法)、平成18年の中小ものづくり高度化法、平成19年の中小企業地域資源活用促進法、平成20年の農商工等連携促と矢継ぎ早に法律が施行されてきましたが、求められる事業の実施主体のカタチは変われども、これら法律の目的は企業による新事業展開の促進・支援でした。つまり、企業の「本業」を直接的な支援対象としてこなかったわけです。

<図表1:中小企業等経営強化法の位置付け>

図

今回、中小企業新事業活動促進法の一部改正法である中小企業等経営強化法が誕生したことによって、法的な枠組みが変化しました。上記の図で見るところの「本業の成長」が支援対象として加わったのです。

2.中小企業等経営強化法による支援の流れ

中小企業等経営強化法で定める「経営力向上」というのは、一体どういうものでしょうか。中小企業庁が公表している資料には以下のような事例が掲載されています。

①サービス業における取組

売上、予約状況などの情報をタブレット端末を用いて、各所の従業員にリアルタイムで共有し、細やかな接客や業務の効率化による収益向上を実現。
②製造業における取組

自動化された工作機械を導入しつつ、従業員の多能工化を促進し、一人で管理できる工作機械を増やし、収益力の向上を実現。


このような取組を実現するため、中小企業等経営強化法では人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資等により、事業者の生産性を向上させることを目指しています。そのため、この法律では以下のスキームで中小企業・小規模事業者等を支援することとしています。

<図表2:中小企業等経営強化法のスキーム>

図


(1) 事業分野の特性に応じた指針の策定

まず、事業者が行うべき経営力向上のための取組を主務大臣が「事業分野別指針」として策定し、これを事業分野別推進機関(業界団体・組合等)が事業者に対して、普及啓蒙・人材育成等を行います。指針は平成28年7月14日現在、製造業、卸・小売業、外食・中食、旅館業、医療、保育、介護、障害福祉、貨物自動車運送業、船舶、自動車整備について公表されています。
【参考URL】
事業分野別指針の概要について(PDF形式)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2016/shishingaiyou.pdf


(2) 経営力向上計画の作成

指針等を参考にしながら、事業者はマネジメントの向上や設備投資等、事業者の経営力を向上させるための取組内容などを記載した事業計画(経営力向上計画)を作成し、主務大臣からの認定を受けるため、これを担当省庁に提出します。

経営力向上計画は、現状認識、目標、取組内容などを記載するたった2枚の計画書です。前回触れましたが、小規模事業者持続化補助金で求める経営計画は1ページ程の簡易なものです。その位の分量でも、作成した事業者から「経営に向き合おうという意識が生まれた」というような前向きな回答が多くあがりました。書くことの効果は単に枚数だけで計れるものではなく、書くために調べたり、考えたりする行為が重要なのだということがわかります。

なお、経営力向上計画の作成にあたっては、認定経営革新等支援機関(主に商工会、商工会議所、団体中央会、金融機関、士業等)による支援を受けることができます。
【参考URL】
経営力向上計画認定申請書(PDF形式)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2016/160701shinseisyo.pdf


(3) 中小企業等経営強化法の支援措置

計画の認定を受けた事業者は、新たな機械装置の固定資産税1/2減額(資本金1億円以下の会社等を対象、3年間半減)や金融支援等(低利融資、債務保証等)の特例措置を受けることができます。今回の支援措置の目玉は、なんと言っても、固定資産税の1/2減額でしょう。

今までの法に基づく特例措置は、利益からの減税もしくは特別償却によるものでしたが、中小企業等経営強化法(経営力向上計画)に基づく措置は史上初の固定資産税での設備投資減税だからです。これにより、利益が出ていない赤字企業にも恩恵がもたされることになるでしょう。



以上、中小企業等経営強化法について見てきましたが、経営力向上についてはまだ出来立てほやほやの内容と言えるので、詳しくはお近くの商工会等で相談されると良いでしょう。

本業にうまく役立てられることを期待しております。

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