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今月の施策 バックナンバー

イラスト自社を知るために自計化を、外部環境を把握するために調査方法について前回まで見てきました。これらのように現状を把握するための手法は、企業においてはもちろん、新たな取組を行うすべての者にとって重要だと言えます。言い換えれば、自社の現状把握は今後の事業展開を考えるうえで必要不可欠なものなのです。

自社の現状把握を受けて、次に今後の事業展開を考えます。その展開の道しるべとなるのが事業計画書です。

今回は、事業計画書と施策から見た事業計画にはどういうものがあるかなどについて見ていきたいと思います。


1.事業計画書の必要性

事業計画書を作成することは、よく山登りにたとえられます。「どの山を目指すのか」「どのような山道を通って頂上にたどり着くのか」といった目標やそこに至る道筋を示すことが事業計画書の内容と似ているからです。

事業計画書を作成する目的は、一義的には「自社や自社事業の整理や今後の事業展開を構築する」ということですが、それ以外にも「社内や利害関係者などへの説明するため」「外部から事業に必要となる資金を調達するため」といった説明資料といった側面もあります。

では、そのような事業計画書について、どれぐらいの小規模事業者が計画の作成をしているのでしょうか。経営計画(事業計画)作成の有無を示したものが以下の「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」に示されている図です。

<図表1:経営計画の作成の有無>

図

(出典:中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」2016年1月)

これを見ると、「作成したことがある」者は 53.0%にとどまっており、約半数の小規模事業者が経営計画を作成したことがないことが分かります。

また、経営計画を作成したことがある者は、個人事業者では43.9%であるのに対し、法人では64.0%となっており、法人の方が計画を作成した割合が高くなっています。


次に、「経営計画を作成した背景や動機」について示したものが、以下の図です。

これを見ると、「補助金申請で必要となったから」と「業績を向上させたいから」との回答が、それぞれ約 6 割となっており、「経営状態を正しく知りたかったから」、「自社の強みや弱みを知りたいから」という自発的な回答も多く見られます。

<図表2:経営計画を作成した背景・動機>

図

(出典:中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」2016年1月)

2015年版小規模企業白書では、小規模事業者持続化補助金の採択事業者に対するアンケート調査の結果が公表されました。この補助金では経営計画の作成を要件としていますが、採択事業者に聞いたところ、約6割が同補助金の活用をきっかけにはじめて経営計画を作成したとしており、その結果、経営に向き合おうとする意識が生まれたと回答しています。小規模事業者持続化補助金で求めている経営計画は1ページ程の簡易なものです。その位の分量でも効果が上がるということがこのアンケート調査から読み取れます。

2.中小企業施策における事業計画

次に、支援施策という観点で見た場合、どのような事業計画があるかということを見ておきましょう。

国が中小企業・小規模事業者に対して、事業計画の作成を推奨するようになったのは、1999年7月施行の中小企業経営革新支援法(現在の中小企業新事業活動促進法)の経営革新計画導入がきっかけだったと筆者は思っています。その後、同年10月には中小企業基本法が改正され、中小企業政策も創業・経営革新などの前向きな事業活動に対する支援というものに重点が転換されました。

このことで、創業・経営革新などの新事業活動の取組の内容を説明する必要が出てきたため、今後の事業展開を示す事業計画が重要な位置づけとされるようになったのです。

では、施策で見た事業計画ですが、以下のようなものが挙げられます。

(1) 法の承認・認定に基づく事業計画

中小企業を支援する各種の法律に基づく事業計画で、多くは「新たな事業活動」に関するものとなっています。例を挙げると、中小企業新事業活動促進法の「経営革新計画」「新連携計画」、中小企業地域資源活用促進法の「地域資源活用事業計画」、農商工等連携促進法の「農商工等連携事業計画」などがあります。これらの計画には、「事業目標」「実施体制」「実行計画」「経営計画及び資金計画」などが含まれます。

事業計画が承認・認定されると、承認・認定された中小企業を対象とした融資や補助金などの支援措置が用意されており、別途審査はありますが、事業をすすめるために活用できるようになります。

(2) 補助金・助成金の申請書

補助金・助成金は原則返済不要の資金です。このため、厳格な申請手続きを経て、支給されるものです。支給されるのは、それぞれの補助金・助成金で対象経費となっているものの補助率・助成率を乗じた上限額までの金額になります。

補助金・助成金を受給するためには、申請書を提出する必要があります。申請書は、たとえば技術開発に係る補助金であれば、技術に関する内容、さらにその技術を活用した事業化について説明が求められます。

(3) 公的融資に係る提出書類

多くの公的融資の申込書類の中にはひな型の決まった事業計画書を提出することが求められます。事業計画書には、借入の目的、資金使途、業績推移と今後の計画などを記載します。

ただ、こういった内容は通常のビジネスプラン(事業計画書)の中に盛り込まれるものなので、定型の事業計画書に替えて自社のビジネスプランを提出すればよい場合もあります。

(4) 知的資産経営報告書

知的資産経営報告書とは、企業が有する技術、ノウハウ、人材など重要な知的資産の認識・評価を行い、 それらをどのように活用して企業の価値創造につなげていくかを示す報告書です。報告書とは言っていますが、実際には事業計画書の一形態と呼べるものです。

経済産業省が作成を推奨しているもので、知的資産経営に関する取組の周知、普及、発展を図っています。


前述の「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」によると、経営計画を作成した効果について見ると、「経営方針と目標が明確になった」および「自社の強み・弱みを認識できた」との回答がそれぞれ約7割となっているほか、「販路開拓のきっかけとなった」が約4割、「資金繰りの状況が把握できた」が約3割となっています。

<図表3:経営計画作成の効果>

図

(出典:中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」2016年1月)

この結果を見る限り、計画の作成が事業者にとって自社の事業の現状や将来について向き合い、見直す契機となっていることがうかがえます。また、「特に効果がなかった」とする割合が1割未満という点からも、計画を作成する意味・メリットは大きいと言えます。

計画の作成に当たって、活用したり相談したりした機関や人については、「商工会・商工会議所の経営指導員」が9割弱と最も多く、「支援がなければ作成は難しい」と回答している割合も9割弱となっています。

ただ、計画作成は一度経験すれば、二度目三度目は独自に作成することも容易になるため、初めて作成する時には商工会等の支援を受けるのが得策と言えます。

END
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