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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=16年2月「消費税の軽減税率が導入されるとどうなる?」

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今月の施策 バックナンバー

イラスト2017年4月から、消費税率が10%に引き上げられることに伴い、消費税の軽減税率制度(税率8%)が導入されます。昨年末には、軽減税率の対象が生鮮食品に加え、加工食品(外食と酒類は除く)も対象品目となりました。

軽減税率が導入されることは、消費者にとってありがたいことなのですが、レシートや請求書などの記載内容や消費税の計算が複雑になることから、事業者の実務上の負担は増大します。また、食事をする(腹を満たす)という意味では同じであっても、外食が軽減税率の対象外になることから、飲食業に大きな影響が出ることも予想されます。

事業者にとって、さまざまな影響を及ぼすであろう、軽減税率。今回は軽減税率導入に伴う問題点やその対処としての支援策について見ていくことにします。


1.消費税軽減税率制度の導入

消費税は、消費者の消費水準に応じて比例的に負担を求めることができるという水平的な公平性が保たれるという特長を有している反面、所得に対する負担割合が逆進的となるといった問題があります。この逆進的、つまり消費税率が上がると低所得者ほど収入に対する食料品などの生活必需品購入費の割合が高くなり、高所得者よりも税負担率が大きくなるという点が、消費税に対する不満の原因となっているところです。

<図表1:軽減税率の対象・対象外の内容>

図


このため、国は食料品などに対する消費税の軽減税率の導入を行うわけですが、事業者にとっては、事務負担の増加など新たな影響も考えられています。軽減税率を導入すると、税率8%と10%の商品を区分して経理する必要が出てくるため、多くの事業者で対象品目の仕分け、レジの改造や取替え、申告納税事務の手間といった負担が増加することになります。


現在、日本で一般的に使われている請求書は商品ごとの税率や税額を書く欄がありません。消費税率が8%と単一で、合計金額さえ分かれば消費税額が計算できるからです。

しかし、軽減税率が導入され、消費税率が複数になると、合計金額だけでは消費税額が分からなくなってしまいます。このため、現行方式のままでは、事業者が納める消費税を少なく申告しても、税務署はその真偽を見極めることが難しくなります。このため、財務省は軽減税率を導入している欧州の多くの国が採用しているインボイス(事業者が取引先に商品を納入する際に、商品ごとの税率や税額を書いて発行する伝票)を導入することにしています。

つまり、インボイスでは、記載事項が増えるため、事業者の事務負担が増加することになります。これは大変な手間となるでしょう。

<図表2:現行方式とインボイス方式>

図


ただし、準備に相当な時間がかかるため、当面は現行の請求書のままで、対象品目に印を付けるだけで税率を判別する「簡素な経理方式」が採用されます。

また、売上高1,000万円~5,000万円の事業者には、売上の一定割合を軽減税率対象品目とみなし税額を計算する「みなし課税」も認められます。さらに、売上高1,000万円以下の事業者には、納税義務を免除する制度が存続されます。

しかし、こういった特例措置も2021年3月までで、それ以降はインボイス方式に対応することが求められます(売上高1,000万円以下の事業者に対する免税は存続予定)。このため、2021年4月以降の本格導入へ向けた万全の準備が必要となります。

2.消費税軽減税率対策予算の概要

以上のような軽減税率導入に伴い、2015年12月16日に消費税の軽減税率対策予算が公表されました。消費税の軽減税率対策予算では、2015年度の予備費を活用し、複数税率対応レジの導入支援や電子商取引システムの改修支援などを行う予算(996億円)が措置されました。また、中小企業団体などと連携して軽減税率制度の周知や中小企業からの相談対応などを各地で実施するために必要な予算が、2015年度の補正予算案に盛り込まれました(170億円)。

消費税軽減税率への対応が必要な事業者の準備が円滑に進むよう支援するための予算の概要は、以下のとおりです。

(1) 小売事業者などに対するレジの導入・システム改修等支援

小売事業者などに対するレジの導入・システム改修等支援というのは、小売段階の支援と流通段階の支援の2つに分類されます。


<図表3:小売事業者などに対するレジの導入・システム改修等支援>

図

①小売段階の支援

小売段階においては、複数税率対応レジの導入などの支援を支援します。

対象者は、複数税率に対応して区分経理などを行う必要がある小売事業者(複数税率対応レジを持たない者に限る)などで、補助率は原則2/3(3万円未満のレジ購入の場合、3/4)補助で、補助上限は1台あたり20万円(商品マスタの設定が必要な場合には40万円)となっています。


②流通段階の支援

流通段階においては、受発注システムの改修などの支援を行います。

対象者は、軽減税率制度の導入に伴い電子的に受発注を行うシステムの改修などを行う必要がある小売事業者、卸売事業者などで、補助率2/3、補助上限は小売事業者が1000万円、卸売事業者などは150万円となっています。

また、補助事業を超える分については、日本政策金融公庫などの低利融資が利用可能(特別利率③(基準金利-0.9%))となっています。


(2) 中小企業団体等の小売事業者への周知や対応サポート体制の整備

消費税軽減税率制度を円滑に実施するため、商工会などと連携して、講習会・フォーラムの開催、相談窓口の設置(約2,300箇所)や巡回指導型専門家派遣を通じたきめ細かいサポート、パンフレットなどによる周知を行います。

また、税制抜本改革法において、消費税率の引上げが規定されているため、転嫁対策窓口相談なども併せて実施されます。




2017年4月の消費増税まで、あと1年と数か月となりました。加工食品が含めることになったため、多くの事業者でレジや受発注システムなどの改修が必要となります。

また、現実問題として、軽減税率制度導入により複数税率になるため、税率のつけ間違えの可能性が相当出てくると思います。そうなると、間違った分の返金などといった新たな手間も出てくるでしょう。こう考えると、軽減税率は今まで国内の事業者が経験したことのないような“面倒くさい”事態を招いていくことが予想されます。

さらに、購買予定者の消費行動にも影響が出てくることも考えられることから、対処が後手に回ると、ジリ貧になってしまうかもしれません。そうならないためにも、2017年4月に向けて早めに準備を始めることが得策と言えるでしょう。

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