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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=16年1月「信用保証制度の現状と見直しの方向性」

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今月の施策 バックナンバー

イラスト中小企業金融の根幹をなす「信用補完制度」の見直しが行われることとなりました。中小企業・小規模事業者の皆さんに馴染みのある表現としては、「信用保証制度」と言った方がわかりやすいかもしれません。

この信用保証制度、既に70年以上にわたって中小企業を支援してきた制度ですが、ここ10年ほどの間にかなりの変化がありました。こうした中、今回見直しが行わることになったわけですが、今後どのように変化していくのでしょうか。多くの中小企業・小規模事業者の方が利用されている制度ですから、皆さんの関心も高いのではないでしょうか。

では、早速見ていくことにしましょう。


1.信用保証制度の概要とこれまでの流れ

信用保証制度は、公益法人である信用保証協会が中小企業・小規模事業者の公的な保証人になることによって、金融機関からの融資を受けやすくする支援制度です。支援制度は、たくさんありますが、やはり多くの事業者にとって、融資が受けやすくなるというのは、もっともありがたく、事業に直結した制度と言えるのではないでしょうか。

同じようにお金が入るしくみとして、補助金や助成金といった制度がありますが、そういったたぐいの制度は、原則「後払い」であるため、必要なものを買ったりする時には、まず自腹が切れなければ、利用できません。お金が必要な事業者にとって、設備を購入するため、あるいは運転資金が必要になったために、「お金が借りたい=融資を受けたい」というのが自然な流れだと思います。そこで、信用力に乏しく、しかし融資を受けたい事業者のために融資を受けやすくする制度として、信用保証制度ができたわけです。

<図表1:信用保証制度利用の流れ>

図


現在、中小企業・小規模事業者約385万者のうち、約3分の1に相当する141万者の事業者が信用保証制度を利用しています。保証利用企業を企業規模で見ると、保証を利用する企業の規模は、従業員数5人以下の小規模事業者で7割超となっていることから、信用保証制度は小規模事業者にとって、金融機関の融資を受ける上での生命線ともいえる存在となっています。

一企業当たりの残高金額は、500万円以下が4割を占めており、資金使途については、運転資金が約9割を占めています。そして、件数・金額共に信用金庫・地方銀行等が約9割で、小規模事業者がよく取引を行っている地域金融機関で利用がすすんでいることがわかります。


もともと、信用保証制度は全額保証(100%保証)として始まりましたが、2007年10月から責任共有制度(80%保証)に移行しました。80%保証というのは、それまで信用保証協会が原則100%の信用リスクを負担していた(公的な保証人になっていた)ものを、金融機関にも原則20%の負担を求める制度です。ただし、例外として、セーフティネット関連や創業支援、小口零細支援等は100%保証が維持されてきました。

<図表2::現状の「100%保証」一覧>

図


80%保証導入の結果、国は100%保証の場合と比べ、事業者が経営改善の努力を怠るといった事態の抑制に一定の効果があったと認識しています。

しかしながら、80%保証導入後間もなく、リーマンショックへの対応のためセーフティネット保証5号(100%保証)の対象業種を拡大して対応したことにより、80%保証導入後も100%保証が大半を占める状況が続いてきました。リーマンショックが去り、2012年11月以降、100%保証の対象業種を段階的に平時の状況に戻したこと等により、現在になってようやく80%保証が中心となりつつあるところです。

今回の見直しというのは、実は「一律で融資の8割を保証する80%保証を改める」ということが中心となっているのです。

2.信用保証制度の見直しに向けた方向性

見直す内容は、保証割合を一律80%とするのではなく、創業期、成長期、成熟期、再生期といった企業のライフステージや業況、業歴、融資の規模等といった企業の状況に応じて、保証割合を弾力化することがメインとなっています。また、「一律80%保証」以外にも見直しの対象があります。全体としてしては以下の項目が見直しの対象となっています。


<図表3:信用保証制度の見直し項目>

図


上記の通り、今回の見直しには、セーフティネット保証(100%保証)も含まれています。セーフティネット保証については、リーマンショックのような大規模な経済危機や東日本大震災などの自然災害に対応することは、100%保証が維持される予定となっています。ただし、構造不況業種に対応するセーフティネット保証5号については、企業の健全な成長発展や新陳代謝の観点から仕組みを見直すことが検討されています。

また、事業者の経営努力・金融機関の支援等を前提としつつも、市場原理だけでは十分に資金が行き渡らない創業期や小口零細企業向け等については、政策的意義も含め、引き続き「100%保証」が必要という認識が現状ではなされています。

なお、「一律80%保証」の見直しに伴い、現在9区分に分類されている保証料水準も引き下げや割引等により、経営改善に向けて取り組む事業者やそれを積極的に支援する金融機関にメリットがある仕組みへと見直すことが検討されています。

今回の見直しについては、2016年1月以降、ワーキンググループで内容の詳細を検討し、2017年度以降にその見直し内容を反映させていくことが予定されています。今後の動向にも注目していきたいと思います。



ほとんどの事業者において、融資を受けることは事業活動上、必要不可欠なことです。ただ、融資を受けてどうしたいかという計画を検討することも重要となります。また、計画を立てる前には、自社の現状がどうなっているのか、自社を取り巻く外部の環境がどのような状況なのかを把握しておくことも必要です。常日頃、現状分析を行うとともに、今後どうすべきなのかを考えておくことがとても大切と言えます。

お金を借りるということは、皆さんにとって、「目的」ではなく、「手段」であるはずです。「目的」をいかに達成すべきかは、考える時期によって「手段」はさまざまあるかもしれません。ただ当事者である皆さんだけでは見えないこと、気が付かないこともあるでしょう。そのために、外部の第三者に意見を求めることは有益ではないでしょうか。金融に関する相談だけではなく、そのような経営に関する意見を求めることも商工会に依頼してみてはいかがでしょうか。

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