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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=15年10月「今後の政策の方向性と生産性向上」

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今月の施策 バックナンバー

イラスト中小企業庁は、8月28日、平成28年度中小企業関係概算要求などの概要を取りまとめました。平成28年度中小企業対策費の概算要求額は経済産業省所管分が1,370億円(平成27年度予算額1,111億円、対前年増減+259億円)となっています。

過去の概算要求で見る限り、その内容はほぼ来年度の中小企業施策と同じものとなります。すなわち、これを見ることにより、来年度の施策の概要を先取りすることができます。

そこで今回は、平成28年度の中小企業関係概算要求を見ながら、来年度の施策などに触れたいと思います。


1.「稼ぐ力」とは

日本経済の構造変化の中で、企業数は減少傾向にあります。2009年から2012年の3年間で、中小企業は35万者、うち小規模事業者は32万者減少しています。

このような状況を受け、平成28年度の中小企業対策費では、きめの細かい経営支援体制強化や、販路開拓・海外展開の促進、人材確保支援の充実などを通じて、地域の経済や雇用を支える中堅・中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」を徹底的に強化することで、地域経済・中小企業を活性化させ、変化に強い筋肉質な経済体制を構築することを主眼としています。


ここで言う「稼ぐ力」というは、どういうことなのでしょうか。

この「稼ぐ力」という言葉が登場するようになったのは、アベノミクスの新たな成長戦略である「日本再興戦略 改訂2015」(素案)が発表されるようになってからです。この新たな成長戦略によると、「稼ぐ力」というのは、簡単に言えば、生産性を向上させることを意味しています。

我が国は、人口減少社会の到来によって、女性や高齢者などの活躍の場を最大限に広げたとしても、生産年齢人口の増加が当分の間期待できないことを考えるならば、消費だけが拡大したとしても、経済全体としての生産性が向上しなければ、いずれ成長の限界にぶつかってしまうのは明らかです。


そのため、「稼ぐ力」を強化することは、これまでアベノミクスが進めてきた事業環境整備に力点を置いた取組み、これを「第1ステージ」とすれば、企業の行動を変えていくという「第2ステージ」のスタートラインに立つことを意味しています。

アベノミクスの第2ステージでは、設備革新にとどまらない、技術や人材を含めた「未来投資による生産性革命」の実現と、地域に活気溢れる職場と魅力的な投資先を取り戻し、日本全国隅々まで、人材や資金、それを支える技術や情報が自由・活発に行き交う、活力ある日本経済を取り戻す「ローカル・アベノミクスの推進」、この二つを車の両輪として推し進めることによって、日本を成長軌道に乗せ、世界をリードしていく国になることを目標としています。

<図表1:改訂戦略における鍵となる施策の方向性>

図


上記のような施策の方向性を受け、平成28年度中小企業関係概算要求がなされたわけです。

2.政策の方向性と生産性向上を実現する手法

具体的な施策の項目として、概算要求では、8つの政策の柱を設定しています。概要は以下の通りです。


(1) 被災地の中小企業・小規模事業者へのきめ細かな対応

被災地の中小企業を支援するため、引き続き、東日本大震災復興貸付などの金融支援や各種支援を行います。


(2) 経営支援体制の強化

中小企業・小規模事業者への支援を強化するため、よろず支援拠点の拡充や中小企業・小規模事業者への事業再生支援を行うとともに、認定支援機関による経営改善計画の策定に対して補助を行います。


(3) 地域の小規模事業者の活性化

商工会・商工会議所による伴走型の小規模事業者支援、販路開拓支援やマル経融資等の金融支援など、小規模事業者の事業環境の整備・経営基盤の強化を図ります。


(4) 生産性の向上(イノベーション強化等)

中小企業・小規模事業者と大学、公設試などとの産学連携による技術開発や、中小企業・小規模事業者が連携して行う新しいサービスモデルの開発などを支援します。


(5) 販路開拓・海外展開の促進

地域資源を活用したふるさと名物の開発や地域内外への販路開拓に取り組む中小企業・小規模事業者を支援します。また、ジェトロ・中小機構が連携し、海外展開事業計画の策定や展示会出展などの支援、進出後の課題対応まで、一貫支援を行います。


(6) 新陳代謝・事業承継の促進

創業者や第二創業者を支援するため、産業競争力強化法による認定市区町村と連携した創業支援事業者が行う創業支援の取組を支援するとともに、後継者問題を抱える事業者の事業引継ぎを促進します。


(7) 人材確保支援の充実

地域の事業者のニーズを把握し、若者、女性、シニアなど多様な人材を都市部や地域内外から発掘し、紹介・定着まで一貫支援を行います。また、厚労省施策との連携を図ります。


(8) 資金繰り支援等

きめ細かな資金繰り支援を行うとともに、消費税の円滑かつ適正な転嫁が行われるよう、引き続き万全を期していきます。


上記の8つの政策の柱を基軸として、28年度の施策が展開されていきます。


前述の「稼ぐ力」、この点に注目した企業経営の在り方を考える場合、参考となるものに、今年2月に策定された「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」というものがあります。このガイドラインは、売上があがっても、収益があがらないような中小サービス産業の生産性の向上の取組みを支援するため、作成されたものです。

ただ、ガイドラインはサービス産業特有の問題だけではなく、我が国経済社会全体にも当てはまる内容となっています。

ガイドラインでは、「生産性の向上」を実現する手法として、「誰」にという顧客の部分では、@新規顧客層への展開、A商圏の拡大。「何」をという商品・サービスという部分では、B独自性・独創性の発揮、Cブランド力の強化、D顧客満足度の向上。「どのように」という、アプローチの部分では、E価値や品質の見える化、F機能分化・連携、G付加価値向上に繋がるIT利活用を示しています。このような活動を通じて、国は生産性向上を目指すことを推奨しています。

<図表2:生産性向上を実現する8項目の手法>

図


これらは、言葉を変えれば、ドメイン(事業領域)の問題と言えます。つまり、皆さんのビジネスが「誰に」「何を」「どのように」提供する事業なのかを再考することが重要となります。

それぞれの項目について施策は用意されています。たとえば、「誰に」という部分では、販路開拓に対する支援策、「何を」という部分では、製品開発や新事業活動促進に関する支援施策などさまざまなものがあるのです。

この観点で、平成28年度の概算要求を見ていくと、どのような活用の仕方があるのか、また新たな視点で検討することができるのです。

国の施策の波を読んで、うまく経営に活かしていきましょう。皆さんは、施策利用の当事者なのですから。そうです、当事者は皆さんなのです。

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平成23年度版施策知識分野別施策利用情報

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