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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=15年8月「小規模企業振興基本法に基づく小規模企業白書」

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今月の施策 バックナンバー

イラスト4月24日に2015年版の小規模企業白書が公表されました。小規模企業白書は、小規模企業振興基本法に基づく年次報告書(法定白書)で、今回の2015年版は第1回目の小規模企業白書です。

白書というのは、日本の中央省庁の編集による刊行物のうち、政治社会経済の実態及び政府の施策の現状について国民に周知させることを目的としたものです。

中小企業庁からは、「中小企業白書」というものが、毎年公表されていましたが、それとは別に今年度から公表されるようになったのが、「小規模企業白書」です。全国の企業のうち、84%を占めている小規模企業。今回は、小規模企業を対象とした小規模企業白書について、触れたいと思います。


1.小規模企業の動向と白書の概要

まず、少し言葉の説明をしたいと思います。

イラスト小規模企業というのは、おおむね常時使用する従業員の数が20人以下(商業又はサービス業は5人以下)の事業者のことを言います。法律上は「小規模企業者」と定義されたり、会社のみならず、個人事業者も含まれることをわかりやすく記すため、「小規模事業者」と呼ばれたりもしています。ただ、小規模企業白書では小規模企業を「小規模事業者」と表現していることから、ここでも「小規模事業者」と記すこととします。

では、内容を見ていきましょう。


全国385万者の中小企業、中でもその9割、334万者を占める小規模事業者は、そもそも人材や資金といった経営資源に大きな制約があることに加え、多くの小規模事業者では、その商圏及び取り扱う商品・サービスが限定されていることから、価格競争やリスク対応力が弱いため、構造変化の影響を受けやすい存在と言えます。また、小規模事業者が抱える問題として、経営者の高齢化が進んでおり、後継者不足等が経営の低迷や廃業に直結しています。

こうした中で、昨年6月に、「小規模企業振興基本法(以下、「小規模基本法」)」が成立しました。

小規模基本法は、これまで中小企業基本法で規定されていた「成長発展」のみならず、「事業の持続的発展」を基本原則として位置付け、地域で雇用を維持して頑張る小規模事業者を正面から支援することとなりました。つまり、通常の小規模事業者が事業を継続できるよう、国も支援に力を入れることが盛り込まれたということになります。

このように、2014年は小規模事業者の振興施策の方向性が大きく転換した年となったわけです。


小規模基本法の成立に伴い、国会に報告し、国民に公表されることになったのが、小規模企業白書です。第1回目となる2015年版の小規模企業白書は、全体で2部構成となっています。

第1部においては、多様な 334万者の小規模事業者の実態を明らかにするため、構造分析を行っています。また、第2部では、時代の変化に翻弄されながらも地域とともに逞しく活動している様々な小規模事業者や支援機関の42の取組事例を紹介しています。


次項では、小規模企業白書のうち、第1部のポイントとなる点について、見ていきたいと思います。

2.小規模企業白書での注目すべきポイント

では、白書でのポイントを見てみましょう。皆さんに関係する内容であれば、自社と比較しながら見るのも一考だと思います。

(1)小規模事業者の動向
我が国の事業者数および事業所数は、1986年までは増加傾向だったが、それ以降は減少に転じている。他方で、現在事業を営んでいる小規模事業者のうち、1984年以前に設立された者が5割弱を占めている。
小規模事業所数の経年推移を業種別に見ると「小売業」は、ピーク時から50%減、「製造業」は46%減と半減している。「サービス業」、「不動産業」は微増傾向。それ以外の業種は、ほぼ横ばいとなっている。
事業所数が減少しているマクロ的要因として、経済の成長・停滞、消費者の購買意欲や販売単価の状況に左右されると考える経営者が多い。個社の要因では、ニーズに対応した商品・サービスを提供できているか否かも大きな要因。
(2) 小規模事業者の実態
小規模事業者の業種構成としては「卸売業、小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「建設業」、「製造業」、「生活関連サービス業・娯楽業」、「不動産業、物品賃貸業」で8割を超えている。また、半数弱の小規模事業者が常用雇用者を雇わずに経営。
小規模事業者の従業者は親族依存度が高い。特に個人事業者では7割弱が親族によって支えられている。手取り年収は、個人事業主で300万円までが6割強を占める。家族や親族全体の収入で家計を支えている。
現経営者が事業の引き継ぎを躊躇する要因は、後継者の人生に配慮(厳しい経営環境下で事業を引き継ぐことへの躊躇)しているほか、事業を引き継いだ後の自らの収入・生活面での不安が際立つ。
小規模事業者は、顧客との会話、業界や地域の会合など、日頃の様々なコミュニケーションから経営や支援施策に関する情報を入手している。

<図表1:経営や中小企業施策に関する情報の入手方法(複数回答)>

図


(3) 小規模事業者の未来に向けて
販路開拓のため、営業能力の高い人材の新規採用に取り組んでいる事業者は足下の売上は増加傾向だがその数は比較的少数。他方、多くの事業者が取り組んでいる顧客への売り込みなどが、売上増加につながっている割合は高くない。
25年度補正予算で措置された「小規模事業者持続化補助金」の採択事業者アンケートによれば、全体の約6割が同補助金の活用をきっかけに初めて経営計画を作成したと回答。経営計画作成後の事業者の意識面では、「自社の強み・弱みが明らかになった」、「新たな事業を企画できた」とする回答が5割を超えたほか、「事業の見直しを行うきっかけとなった」が約4割になるなど、経営に向き合おうとする意識が生まれている。本補助金で求めている経営計画は1ページ程の簡易なものであることから、その位の分量でも十分効果が上がるものと考えられている。

<図表2:経営計画の作成を経た小規模事業者の意識の変化(複数回答)>

図
新たな経営計画を作成した持続化補助金採択事業者に「新たな取引先や顧客の獲得状況」について尋ねたところ、約51%が「獲得した」と回答。「獲得する見込み」を含めると約97%の採択事業者が「新たな取引先や顧客の獲得する」と回答している。また、「売上の増加状況」を尋ねたところ、35%が「増加した」と回答。「増加する見込み」も含めると、約90%の採択事業者が「売上が増加する」と回答している。

冒頭に述べたとおり、小規模事業者は、様々な構造変化の影響を受けやすく、経営層の高齢化や後継者不足等、様々な課題に直面しています。

しかしながら、このような厳しい状況の中でも、顔が見える信頼関係に基づいた取引に強みを持ち、大企業が応えきれていないニーズを捉えることで、価格競争に巻き込まれない様々な商品・サービスを開発・提供する小規模事業者も存在しています。

小規模企業白書の第2部では、このように、経営者のたくましさと創意工夫により、現在事業を営んでいる小規模事業者の具体的な取組(42事例)を取り上げています。

このような事例を参考に、自社の経営に活かすことも有益ではないかと思います。世の中のほとんどのことが「真似する」ことからできています。だから、事例から学べることはたくさんあると思います。

【参考URL】
小規模企業白書(2015年版)全文
 http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H27/PDF/h27_pdf_mokujisyou.html

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