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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=15年6月「最低賃金の引上げと支援施策」

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今月の施策 バックナンバー

昨年、最低賃金額が大幅に引き上りました。中小企業・小規模事業者においても、これへの対応が求められています。このため、厚生労働省及び中小企業庁が共同で作成している「最低賃金引上げに伴う中小企業・小規模事業者への支援施策紹介マニュアル」について、予算事業の記載を更新するとともに、賃上げや処遇改善に資する補助金を追加する等、マニュアルの改訂版が公表されました。

今回は、最低賃金と中小企業・小規模事業者が行う最低賃金引上げの取組を支援する施策について、触れたいと思います。


1.最低賃金制度とは

イラスト最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者(事業主)は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。

最低賃金額は、毎年、中央最低賃金審議会から示される引上げ額の目安を参考にして、各都道府県最低賃金審議会において審議が行われ、改定額が決定されます。平成26年度においては、全国加重平均で16円の引上げとなる改定が行われ、11月までに全ての都道府県において地域別最低賃金額が発効しました。

【参考URL】 地域別最低賃金の全国一覧(厚生労働省サイト内)

www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/


最低賃金には、地域別最低賃金以外に、特定の産業に関する最低賃金(特定最低賃金)があります。優先順位として、特定産業賃金が地域別最低賃金より優先されることとなっており、特定産業別で設定されている特定産業(業種)については特定産業賃金が適用され、特定産業別で設定されていないその他の産業については、地域別の最低賃金が適用されます。

また、最低賃金は、全ての賃金に対して適用されるため、正社員やパート・アルバイトといった勤務形態の違いにかかわらず、最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。ここで言う最低賃金というのは、基本的な賃金の額であり、例えば時間外割増賃金(いわゆる残業代)や通勤手当(いわゆる交通費)、精皆勤手当、家族手当は含まれません(住宅手当は含まれる)。


平成19年度、約1万9千の事業場に対し地域別最低賃金に関する監督指導をした結果が出ています。これによると、違反事業場の割合(違反率)は6.5%、最低賃金額未満の労働者の割合は1.3%ありました。

違反事業場は、@製造業(食料品製造業、繊維工業、衣服その他の繊維製品製造業、パルプ・紙・加工品製造業、クリーニング業など)、A商業(卸売業、小売業、理美容業など)、B接客娯楽業(旅館業、飲食店など)の3業種で約9割を占めていました。また、違反率については、製造業で8.2%と平均を超えていました。

違反理由としては、「適用される最低賃金額を知らなかった」(26.9%)「賃金を時間額に換算して比較していなかった」(11.7%)など最低賃金額や最低賃金制度への理解不足が大半で、「売上減・コスト増により最低賃金を支払うことができなかった」は7.7%でした。

<図表1:最低賃金を支払っていない理由>

図

こういった、最低賃金額や最低賃金制度への理解不足による違反を起こさないためにも、関連するホームページからの情報収集や商工会に相談すること等が有効な手立てと思います。

2.最低賃金引き上げに伴う中小企業・小規模事業者への支援施策の概要

冒頭でお話しした「最低賃金引上げに伴う中小企業・小規模事業者への支援施策紹介マニュアル」は、最低賃金の引上げに対応するための取組に活用できる厚生労働省及び中小企業庁の支援措置に関して、その内容や関連する相談窓口を紹介しているものです。

<図表2:最低賃金引き上げに伴う支援施策紹介マニュアルの構成>

図

以下で概要を見ていきます。

(1) 全体的な相談窓口

全体的な相談窓口としては、「最低賃金総合相談支援センター(ワンストップ窓口)」が設置されています。この相談窓口は、経営改善に取り組む中小企業の労働条件管理などの相談等について、ワンストップで対応するものです。

この他、中小企業の取引に関するさまざまな悩みを迅速に解決するための「下請かけこみ寺(相談窓口・紛争解決)」や支援ポータルサイトの「ミラサポ」もあります。


(2) 新たな資金が必要になった場合の支援

金融支援策としては、一時的に業績が悪化しているものの、中長期的には回復が見込まれる中小企業に対する「セーフティネット貸付制度」や小規模事業者に対する経営改善のための資金を無担保・無保証・低金利で融資する「小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資)」等があります。


(3) 雇用に関する支援

雇用に関する支援策には、厚生労働省の助成金があります。代表的なものとして、非正規雇用労働者のキャリアアップの取組に対して助成する「キャリアアップ助成金」や、建設労働者の雇用改善、技能向上のための「建設労働者確保育成助成金」、高年齢者の雇用環境の整備等を実施した際に助成する「高年齢者雇用安定助成金」、従業員の処遇や職場環境の改善を図るための「中小企業労働環境向上助成金」等があります。


(4) 企業全体の生産性向上に対する支援

企業全体の生産性向上に対する支援策には、まず、業務改善助成金があります。この助成金は、 事業場内の時間給800円未満の労働者の賃金を引き上げた中小企業・小規模事業者に対して、就業規則の作成、労働能率の増進に資する設備・機器の導入等に係る経費の1/2(上限150万円)を助成するものです。

その他の支援策として、相談窓口である「経営革新等支援機関」、新たな事業活動を行うことで経営の向上を図る際に利用できる「経営革新支援事業」、下請取引に関する支援策の「下請中小企業・小規模事業者の自立化等支援」、「下請取引のあっせん事業」、人材育成を図るための「中小企業大学校の研修」、設備投資に関する税制措置である「中小企業投資促進税制」や「生産性向上設備投資促進税制」があります。


(5) 賃上げ企業に対する優遇措置・優先的採択事業

賃上げ企業に対する優遇措置としては、「所得拡大促進税制」があります。この税制は、法人及び個人事業主が使用人に対する給与等の支給額を増加させた場合、増加額の10%を税額控除(法人税額10%(中小企業等は20%)を限度)する制度です。

また、給与総額を上げた又は上げる企業・処遇改善に取り組む企業に対して、補助金採択審査での加点や補助上限額の増額等の支援も行われます。




大企業に比べ、相対的に経営資源の乏しい中小企業、特に、小規模事業者にとって、人材は最大の経営資源と言えます。

2015年版中小企業白書によると、中小企業・小規模事業者が人材定着のために行っている取組して最も高いものは、「賃金の向上」(70.8%)で、人材の定着のために行われている取組の有効性についても、「賃金の向上」(63.8%)を挙げる割合が最も高くなっています。このことから、人材の定着と賃金の関係は強いと言えます。

また、就業者から見た、「仕事を辞めないために必要な取組」としては、「賃上げ」(14.6%)が挙がられていますが、賃上げは企業の状況によっては円滑に行えないことも多いのが現状です。ただし、最低賃金を守ることは最低限のルールであり、今回見たような支援策を活用することが有用だと言えます。

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