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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=15年3月「商店街の空き店舗の状況と対応策」

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今月の施策 バックナンバー

地域によっては、昼間の時間帯にも関わらず、閉まっている店舗が多いため、シャッター通りと揶揄されている商店街が少なくありません。イラスト

商店街衰退の大きな問題点としては、個店経営者の高齢化ということがあげられます。平成24年度の商店街実態調査(以下、「実態調査」)によると、現況の商店街が抱える大きな問題は、「経営者の高齢化による後継問題(63.0%)」、集客力が高い・話題性のある店舗/業種が少ない又は無い(37.8%)」、「店舗等の老朽化(32.8%)」が上位を占めています。

後継者がいないため、「もう自分の代で店舗を閉めよう」という考えに至ると、店舗をリニューアルまでして積極的に営業しようとか、売上をもっと増やそうという気持ちには、なかなかなりません。そして、最終的には店舗を空き店舗にした状態で放置という、悪循環にもつながります。

空き店舗が増える原因はなんでしょうか。また、空き店舗を増やさないための支援策にはどういったものがあるのでしょうか。今回は、「商店街の空き店舗の状況と対応策」について見ていきましょう。


1.商店街の空き店舗問題

(1) 商店街の店舗における所有と利用の分離

「不動産の所有と利用の分離」という言葉があります。これは、土地・建物等の所有者から、その実質的な所有権の帰属を変えずに、利用権を他の利用能力の高い者へ移転することをいいます。商店街の店舗について説明すると、商店街の店舗(建物)を店舗の所有者から借り受けて、その店舗を使って営業することになります。

商店街においては、店舗の所有者がその店舗の経営者、つまり店舗の「所有と利用の一致」ということが多く見られますが、経営者の高齢化等のタイミングで店舗を引き継ぐ後継者がいない場合、店舗を他者に貸すか、店舗自体を閉じるか、という選択が求められます。

イラスト店舗自体を閉じる選択をし、店舗(不動産)を売却しない状態になると、元の店舗は 「空き店舗」(空き地、空きビル、空き倉庫等)ということになります。

空き店舗が増えると、商店街の魅力度が下がるとともに、特に近隣商店街の場合、当然必要となる生鮮食品店などが撤退・廃業すると来街者が商店街内での買い回りも困難になるため、来街者の流出も拡大することになります。

空き店舗が多くなると、やがて商店街は「歯抜け状態」となります。こうなると、商店街の活性化は難しくなります。そのため、「空き店舗」を増やさないようにするために、店舗を他者に貸すという選択、つまり「商店街の店舗における所有と利用の分離」を進めることが重要となってきます。


(2) 空き店舗がもたらす商店街活性化への影響

前出の実態調査によると、全国の商店街の空き店舗数の平均店舗数は6.0店です。空き店舗率(商店街の空き店舗数の合計/商店街の全店舗数の合計)は14.62%となっています。

<図表1:1商店街あたりの空き店舗数及び空き店舗率の推移>

図

(出典:平成24年度中小企業委託事業「平成24年度の商店街実態調査」平成25年3月)

空き店舗が長期化する原因として、「所有者に貸す意思がない」という回答が多く聞かれます。その理由として、「改修費用を出してまで、賃貸を行う意思がない」ということや「所有者が店舗と隣接して住居していることから、業種が制限されていること」等があります。

空き店舗の発生に対する取組みを行っている商店街では、「空き店舗情報の積極的な発信による新規出店の促進」、「家主に対して賃貸の要請を行う」や「駐車場または駐輪場として活用・利用」などを行っています。

このような空き店舗対策等を講じ、商店街の魅力度をアップするためにも、国や自治体の支援策をうまく活用しながら、活性化を進めることが有用となります。

2.商業活性化対策のための施策

商業活性化のうち、空き店舗対策のためのおもな国・自治体の施策としては、次のようなものがあります。

<図表2:空き店舗対策になる支援策例>

図

このうち、いくつかの概要を見ていきます。


(1) 地域商店街活性化事業

この事業は、全国商店街振興組合連合会が、商店街組織が地域コミュニティの担い手として行う、集客促進、需要喚起に効果のある取組であって、商店街の恒常的な集客力向上や、販売力向上が見込まれるイベント等の事業を行う場合に支援をするというものです。ただし、対象事業としては、本事業を実施した結果、@集客力の向上、A売上高又は空き店舗数の改善、Bその他独自に設定した指標(任意)の実施効果が見込まれることが必要になります。


(2) 地域商業自立促進事業(商店街等新陳代謝促進支援事業)

この事業は、商店街等を取り巻く外部環境の変化に適合した新陳代謝を図る取組と認められ、商店街等の持続的な発展に資する地域経済の自立的循環を促進する事業です。具体的には、@店舗集約、A店舗誘致、Bインキュベーション施設整備に資する内容に対して補助するものです。


(3) 企業活力強化資金(商業振興関連)

この貸付制度は、経営の近代化及び流通機構の合理化等を行う中小商業・サービス業を営む方に必要な設備資金や運転資金の融資を実施するものです。

資金使途としては、@経営近代化、流通合理化及び共同化等の設備、これには仕入配送・運搬用、事務処理等が当たりますが、こういったことに関する設備の取得、Aセルフサービス店・集配センターの取得、ショッピングセンターへの入居、空き店舗への出店、B販売促進、人材確保、新分野への進出等となっています。


(4) 自治体の空き店舗対策

商店街が実施する店舗誘致、トライアルショップ事業に対して、商店街への補助事業や、空き店舗を活用する創業者への融資あっせん制度等によって支援をするものです。


商店街の店舗において、「所有と利用の分離」を進めるためには、所有者のメリット、利用者のメリットを考えた施策立案が必要になります。

たとえば、所有者には、空き店舗を貸し出した場合の家賃収入に対する税制措置を講じることが有効です。店舗を貸す際の店舗整備に自治体からの補助があるものもよいでしょう。

また、利用者側に対する施策としては、空き店舗に入居した商店の経営が軌道に乗るまでには、少なくとも2・3年程度の年月を要する(特に創業の場合)と考えられることから、国及び地方自治体からの公的支援を受けた空き店舗対策事業を3年程度は継続できる仕組みを構築すべきだと思います。特に、コミュニティビジネスを空き店舗で行う場合は、最長5年にすることもよいでしょう。利用者が創業者の場合、同時に金融・税制上の優遇措置を講じたいものです。

さらに、空き店舗情報等の収集・提供を行うため、全国レベルの空き店舗情報のポータルサイトを設置し、UターンやIターンにも貢献するような制度を設けるのもよいかもしれません。

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