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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=15年1月「中小・小規模企業の経営状況の変化と支援の取組」

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今月の施策

アベノミクス選挙と呼ばれた第47回衆院選が終了しました。自民、公明の連立与党が定数の3分の2超となる326議席を確保しました。この結果、経済政策であるアベノミクスは国民に信任を得られ、今後もこの政策が継続される見通しとなりました。イラスト

アベノミクス効果により、大企業、特に輸出企業を中心に企業の収益は向上し、雇用面においても改善傾向にあります。しかし、中小企業・小規模事業者(以下「中小・小規模企業」)においては、そのような効果を実感している割合はまだ低く、中でも小規模事業者を取り巻く経営環境はいまだ厳しい状況にあるといえます。

このような中、中小企業庁は、平成26年10月初旬から中旬にかけて、「ここ1年の中小・小規模企業の経営状況の変化に関する調査」を行い、その結果が11月下旬に公表されました。これは、現在の中小・小規模企業がどのような状況にあるのかを見るのに、非常に参考になるものといえます。

今回は、「ここ1年の中小・小規模企業の経営状況の変化に関する調査」の調査結果の概要と調査から見える中小・小規模企業の課題に対する国の支援の取組について見ていきます。


1.調査結果の概要

この調査は、原材料・エネルギーコストの増加による中小企業・小規模企業への影響を調べることを目的としたものです。調査結果による1年前と比べた売上高・経常利益の変化や原材料・エネルギーコストのおもな状況は、以下のとおりです。

皆さんも自分の会社等にあてはめながら、内容をぜひ見てください。


(1) 1年前と比べた売上高、経常利益の状況

売上高の状況をみると、1年前と比べて売上高が「増加した」と答えた企業が49.9%、「減少した」と答えた企業が34.5%という結果となりました。

経常利益の状況をみると、1年前と比べて経常利益が「増加した」と答えた企業が38.8%、「減少した」と答えた企業が47.6%という結果になりました。

経常利益が増加した企業の利益増加の要因としては、「売上高の増加」を挙げる企業が76.0%と最も多く、卸売業や加工組立型製造業では「為替の変化」を挙げる企業が一割程度ありました。経常利益が減少した企業の利益減少の要因としては、「原材料・エネルギーコストの変化」を挙げる企業が62.9%と最も多く、「売上高の変化」を挙げる企業は54.0%でした。

<図表1:経常利益の状況>

図

(出典:中小企業庁「ここ1年の中小・小規模企業の経営状況の変化について」平成26年11月)


経常利益が減少した企業の減少の要因を業種別にみると、運輸・郵便業、生活関連型製造業、基礎素材型製造業では7割を超える企業が「原材料・エネルギーコストの変化」を要因として挙げています。また、小売業、サービス業では、6割を超える企業が「売上高の変化」を要因として挙げています。


(2) 1年前と比べた原材料・エネルギーコストの状況

全体の8割を超える企業で1年前と比べて原材料・エネルギーコストが「増加した」との回答がありました。他方、「不変」または「減少している」と回答した企業は、原材料コストで18%、エネルギーコストで14%でした。


(3) 1年前と比べた原材料・エネルギーコスト増加の経常利益への影響

4割近い企業で、1年前と比べた原材料・エネルギーコストの増加による経常利益の圧迫は「10%以上」との回答がありました。他方、3割近くの企業で原材料・エネルギーコストの増加による経常利益の圧迫は「5%未満」との回答がありました。


(4) 足下の原材料・エネルギーコスト増加の商品・サービスの販売価格への反映状況

全体の56.3%の企業が、これまでも、また今後も、価格転嫁が困難である(「ほとんど反映できていない」、「まったく反映できていない」と回答)という回答をしています。業種別にみると、特にサービス業、運輸・郵便業、基礎素材型製造業、生活関連型製造業で価格転嫁が困難な状況となっています(これまで:6割以上、今後:5割以上)。他方、価格転嫁ができている(「ほとんど反映できている」)と回答した企業の割合は14.8%でした。

価格転嫁が困難な理由をたずねたところ、「価格転嫁すると売上が減少するため」という回答が最も多く、特に小売業、サービス業、卸売業では7割を超える企業の回答がありました。次に多い回答が「販売先が交渉に応じないため」であり、特に基礎素材型製造業、運輸・郵便業で5割を超える企業の回答がありました。


<図表2:価格転嫁が困難な理由>

図

(出典:中小企業庁「ここ1年の中小・小規模企業の経営状況の変化について」平成26年11月)


(5) エネルギーコストの増加に対する対策

省エネ関連の取組(既存設備での省エネ、設備や照明などを省エネ型に更新)を行っている企業が多い(全体の4〜5割)ほか、今後取り組んでいこうとする対策として価格転嫁対策を挙げる企業が多い結果となり、ほぼ2倍近い増加となりました。また、人員・人件費以外のコスト削減(経費節減など)について取り組んでいる企業も多い結果となりました。

価格転嫁対策の取組状況を業種別にみると、いずれの業種においても、今後取り組んでいきたいと回答した企業がこれまで取り組んできたと回答した企業を大幅に上回る結果となりました。


(6) 省エネ関連の取組を行っていない理由

省エネ関連の取組を行っていない企業にその理由をたずねたところ、小規模企業では「資金が不足しているから」という回答が最も多く、中規模企業では「費用削減につながらないから」という回答が最も多いという結果となりました。


(7) 企業の円安によるメリット・デメリットに関するコメント

円安によるメリット・デメリットを聞いたところ、メリットとしては「外国材の価格が上昇することによる国産材の競争力の向上」、「為替差損の発生、海外移管された製品の国内回帰」等の声がありました。デメリットとしては、「生産コストの低減努力が輸入材、その他購入品のコストアップに追いつかない」、「為替が悪くなった分、コストに影響している」等の声がありました。

2.中小企業庁による支援の取組

こうした中小・小規模企業の経営状況の変化や、今後転嫁に取り組みたいと考えている中小・小規模企業が多いといった中、中小企業庁では、原材料・エネルギーコスト高の影響を受ける中小・小規模企業に対して以下の支援を取り組んでいくこととしています。


(1) 原材料・エネルギーコスト増加分の適切な価格転嫁の要請

原材料・エネルギーコスト増加分の適正な価格転嫁を、745の業界団体に対し経済産業大臣名(他省庁関連は両大臣連名)で要請します。加えて、全ての親事業者(約20万者)に対しても、原材料・エネルギーコスト増加分の適正な価格転嫁を、経済産業大臣及び公正取引委員会委員長連名で要請します。


(2) 公的金融機関に対する返済条件緩和等の要請

公的金融機関(日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫及び信用保証協会)に対し、個々の中小・小規模企業の実情に応じ、返済猶予等の既往債務の条件変更等に配慮することを経済産業省、財務省、厚生労働省、農林水産省及び内閣府から要請します。


(3) 原材料・エネルギーコスト増に関する中小・小規模企業向け相談員の配置

中小・小規模企業の取引上の悩み相談を広く受け付けている「下請かけこみ寺」(各都道府県48ヶ所に設置)において、新たに、原材料・エネルギーコスト増に関する相談窓口を新設するとともに、専門の相談員を配置します。


<図表3:下請かけこみ寺>

図

下請かけこみ寺URL:http://www.zenkyo.or.jp/kakekomi/


(4) 下請代金法の厳格な運用(立入検査時の徹底的な調査)

下請代金法に基づく立入検査の実施時に、原材料・エネルギーコスト増加分の価格転嫁を拒否していないか徹底的に調査します。また、原材料・エネルギーコスト増の影響が大きいと思われる主な業種(製造業、流通業等)から代表的な大企業約200社を選定し、年内に集中的な立入検査(特別立入検査)を実施します。さらに、検査結果を踏まえ、年始以降も検査を継続する予定です。


(5) 転嫁Gメンとの有機的な連携

消費税転嫁対策特措法に基づき消費税の転嫁状況の監視・取締りを行う全国474 名の転嫁Gメンが立入検査を行う際、原材料・エネルギーコスト増加分の転嫁状況についても厳正に確認し、下請代金法と連携して対処します。



圧倒的に「内需依存型」が多い我が国の中小・小規模企業にとって、急速な円高やこれに伴う原材料価格・仕入原価等の高騰、さらに今後の国内人口減などは大きな課題となります。また、消費税率の再引き上げも確実に実行されます。

このため、国は中小・小規模企業が適切に価格転嫁を行えるようさまざまな取組を今後行っていくことになります。このような支援については、企業の存亡にもかかわることなので、経営者自らが情報収集に心がけるとともに、一人思い悩むのではなく、商工会をはじめ、他の機関への相談を行うことにより、早め早めに対応することが求められます。

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