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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=14年10月「「創業の現状と創業セミナー」

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今月の施策

民主党政権時代の2010年5月、行政事業レビュー(各府省による事業仕分けのようなもの)によって、創業塾・経営革新塾が廃止判定されました。その後、自民党が政権復帰し、本年2014年に、創業セミナーと名を変えて、創業塾が復活することとなりました。イラスト

創業セミナーが開始されるに至った理由のひとつとして、前回見た「日本再興戦略」で定められた「開業率が廃業率を上回る状態にし、米国・英国レベルの開廃業率10%を目指す」という成果目標(KPI)があるためということが挙げられます。

果たして、この数字は何を意味しているのでしょうか。また、創業セミナーとはどういうものでしょうか。

今回は創業の現状と創業セミナーの概要について見ていきましょう。


1.開廃業率と開業率の課題

まず、開廃業率というキーワードに先ず触れましょう。

企業は生成(開業)と消滅(廃業)を繰り返し、生成と消滅の頻度が高ければ高いほど産業の新陳代謝が促されます。その動態を把握するために、「開業率・廃業率」という指標が用いられています。

冒頭の「開廃業率10%台」、これは開業率が廃業率を上回る状態にしたうえで、現状約4.5%(2004年から2009年までの平均値)とされている開廃業率を倍増させていくことを意味しています。ただし、この場合の開廃業率は雇用保険を締結している有雇用の事業所数をもとに集計されているため、従業員のいない事業所は含まれていません。つまり、雇用の維持拡大につながる有雇用の事業所数を増やしていくことが必要となります。

イラスト

しかし、特に創業という場合、最初は経営者一人で始めることも多いのですが、創業した事業所が成長していけば、ゆくゆくは従業員も雇うことにもなります。そのため、創業時に従業員のいない事業所も同時に増やしていくことも必要になります。また、ただ創業者数を増やすだけではなく、そのような事業所の成長を支援することも考えなければなりません。

有雇用事業所数による開廃業率は、2002年度に廃業率が開業率を上回るようになり、その後、抜きつ抜かれつの関係が続いています。有雇用事業所だけではなく、無雇用事業所を含んだ全体の事業所で見ると1980年代後半から廃業率が開業率を上回る状況が続いており、事業所数は減少しています。つまり、「開廃業率10%台」というのは、すべての事業所を対象としていないと言えます。

では、ここで欧米諸国と我が国の開業率・廃業率を見ておきます。



<図表1:各国の開業率>

図

(参考:2014年版中小企業白書)

<図表2:各国の廃業率>

図

(参考:2014年版中小企業白書)

各国で統計の内容や手法が異なるため、単純には比較できませんが、我が国の開業率・廃業率は、欧米の半分又はそれ以下となっており、産業の新陳代謝が進んでいないことが考えられます。

先述のとおり、企業は開業と廃業を繰り返し、開業と廃業の頻度が高ければ高いほど産業の新陳代謝が促されるとされています。

もうお気づきだと思いますが、「開廃業率10%台」というのは、開業率も廃業率も10%台ということを示しています。この「開廃業率10%台」を通じて、我が国の産業の新陳代謝を促そうということになります。もっと言えば、従来からある事業所の廃業も、増やしていくとも読み取れます。ここまで話すと、少し怖い目標設定だという気がします。

しかし、有雇用事業所数による開廃業率10%は、1981年度まで遡っても、一度も達成したことがありません。開業率が一番高い割合だったのが1988年度の7.4%で、廃業率は1982年度の5.8%が最高となっています。

どのように開業率10%を達成すればよいのでしょうか。また廃業率10%になると、どのような影響を現在の事業者に与えることになるのでしょうか。このあたりは、創業における政府の今後の課題と言えます。

2.創業スクール(地域創業促進支援事業)と事業計画

開業率10%台を目指すため、政府は旧来の創業塾を新たに「創業スクール」として復活させました。創業スクールは、年間5,000社以上の創業を目指し、全国300箇所で開催し、創業予備軍の掘り起こしをはじめ、創業希望者の基本的知識の習得からビジネスプランの策定まで支援を行うという研修事業です。

ここでは、全国的に創業の底上げを狙った支援施策である「創業スクール」の概要に触れます。



(1) 事業内容

地域における創業者数の増加、ひいては開業率10%台という目標を達成することを目的に、創業スクールでは、地域において新たに創業を予定している方、創業に再チャレンジする方等を対象に、経営、マーケティング、会計、税務等のカリキュラムを用意し、創業時に必要となる知識・ノウハウの習得や、ビジネスプランの作成支援を実施することで創業に向けたサポートを行います。

創業セミナーでは、創業塾で扱われていなかった、「冬期集中(新規創業)コース」、「冬期集中(第二創業・再チャレンジ)コース」の2つの研修コースを新たに設定し、より短期間で集中的に事業を実施することになりました。

この事業に含まれる内容を整理すると以下のようになります。


@創業スクール

地域に根ざした創業を希望する方を対象とした研修コースで、「ベーシックコース」、「第二創業・再チャレンジコース」、「女性起業家コース」の3コースに分類されます。

まず、「ベーシックコース(受講料10,800円)」ですが、これは地域において新たに創業を予定している方を対象に、創業時に必要となる「経営に関する知識・ノウハウ」及び、「起業・事業運営に伴う各種手続き」「資金調達」などの実務ポイントを一体的かつ体系的に学習できるカリキュラムとなっています。またビジネスプランの作成支援を実施し、創業を希望する方が受講後、速やかな創業をできるようサポート致します。

次に、「第二創業・再チャレンジコース(受講料5,400円)」は、事業の再チャレンジや第二創業を予定している方を対象に、創業される予定の会社の経営資源や強み、また過去の失敗要因等を分析する機会を提供します。また、第二創業・再チャレンジ時の課題となりうる、マーケティングや資金調達等の具体的手法について学ぶ機会を設けることで、創業を予定される方の円滑な第二創業・再チャレンジのために必要な知識の習得をサポートします。

最後に、「女性起業家コース(受講料10,800円)」ですが、これは地域において新たに創業を予定している女性の方を対象に、ベーシックコースの学習内容に加えて、女性ならではの視点を活かした商品・サービス開発やライフイベントとの両立、女性起業家の体験談等、女性特有の学習ポイントをカリキュラムに盛り込んでものとなっています。

A創業セミナー

創業に関するさまざまな不安を抱えた方のために、各創業スクールにて、「創業セミナー(参加費無料)」を開催して、地域の創業者の方の成功事例の紹介や、地域における創業についてのパネルディスカッション、また、創業スクールのカリキュラムなどの説明を行います(セミナーによってプログラムの内容が異なる)。創業を目指す方は、一度足を運ぶと良いでしょう。

B全国ビジネスプランコンテスト

創業スクールを通じて受講者の方が作成したビジネスプランの中から、優良なビジネスプランを選定して、全国ビジネスプランコンテストを開催するものです。


以上の詳細については、各地の商工会等でお問い合わせください。



(2) 創業を支援するセミナーに関するアンケート結果

最後に、「創業塾」修了者に行った追跡アンケート(2007年調査)の調査結果を通じて創業予定者の創業セミナー参加に関する意識を見てみたいと思います。

まず、創業塾に参加して役立ったことです。役に立ったという意見が一番多かったという内容は、「事業計画の立て方」で58.8%でした。このことから、ビジネスプランの作成方法を習得したいということが、受講者側の受講感想からも伺えます。それ以外で役に立ったこととして、「創業に対しての心構え」「創業者の体験談」「他の受講生との人的ネットワークができたこと」「商工会議所等とのつながりができたこと」「事業計画に対する評価・助言」「具体的な資金調達の仕方」「マーケティング知識」「会社設立手続き」「国・県などの助成内容」と続いています。

次に、創業に至るまでに問題となったことです。これは、「マーケティング、つまり営業・取引先・顧客開拓に関すること」が48.9%で、「資金調達に関すること」が41.1%、以下「人材の確保」「技術・専門知識の不足」「土地や設備の手当に関すること」「許認可、手続き等に関すること」「家族・親戚の同意を得ること」「アドバイザーに関すること」「生産や品質管理に関すること」「特許権や知的財産権に関すること」と続いています。

参考までに、開業の目途が立っていない、断念した、計画していない等の創業に至らなかった理由を見てみたいと思います。これは「事業計画が未完成」43.3%「まだ自信がない」35.8%で、以下「採算のめどが立たない」「経営ノウハウの不足」「資金調達がうまくいかない」「家族の同意が得られない等の家族・親戚の事情」「現在の仕事が辞められない」「取引先の開拓ができない」「商品化ができない」「技術開発・研究開発がうまくいかない」と続いています。ただ、「まだ自信がない」「採算のめどが立たない」といった回答も結局は「事業計画の未完成」が起因していることだと考えられます。

<図表3:創業に至らなかった理由>

図

各種創業セミナーでは事業計画を作成することが最終的な目標とされていることが多いので、それが完成しなかったことが研修修了後の行動に影響していると思われます。そのためセミナー修了までに、もしくは修了後早い段階で事業計画を作成できるかが創業実現の一つのポイントととらえることができます。


事業計画は、創業希望者ビジネスのアイデアの整理と事業シナリオの構築、利害関係者や各種機関等への説明のため、外部から事業に必要となる資金を調達するためと、こういった目的の下、作成を行うものです。その内容として、次のような質問に対する説得力ある回答を含んだものでなければなりません。

<図表4:事業計画に含まれなければならない内容>

図


このような質問に対する具体的で、説得力ある回答がちゃんと含まれているかという観点で見ていくことが必要です。皆さんも、是非現在の事業もしくは新規の事業展開で上記の内容を考えてみてください。

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