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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=14年9月「「小規模企業振興基本計画案の概要」

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今月の施策

全国385万の中小企業、中でもその9割、334万を占める小規模企業は、地域の特色を生かした事業活動を行い、就業の機会を提供することにより、地元の需要、雇用を担うなど、地域経済の安定と地域住民の生活の向上・交流の促進に寄与する重要な存在と言えます。イラスト

このような小規模企業の振興のため、国はさまざまな支援を行っています。それまで、中小企業の中に含めた形での小規模事業者(法律上、正式には「小規模企業者」)に対する政策を、小規模事業者自体に焦点を合わせた政策にするため、昨年9月に小規模企業活性化法が施行され、さらにもっと踏み込んだ政策展開を行うため、本年6月に小規模企業振興基本法が施行されました。特に、小規模企業振興基本法(略称:小規模基本法)は小規模事業者への支援施策がどうなっていくのか、この法律を見ることによって、今後の姿を見てとることができます。

現在、国は小規模企業振興基本法に基づいて、小規模企業の振興を図るために「小規模企業振興基本計画」を定めているところです。この計画に基づき、今後小規模事業者への政策や施策が展開されていくことになります。

今回は、この「小規模企業振興基本計画」に関する内容について見ていきたいと思います。


1.小規模企業振興基本計画とは

最初に、小規模企業振興基本計画とはどういうものか、触れます。

イラスト7月の中小企業政策審議会第8回小規模企業基本政策小委員会において、初めての「小規模企業振興基本計画(以下、「基本計画」)」(原案)が取りまとめられました。

小規模企業の「成長発展」「事業の持続的発展」を基本原則としている小規模企業振興基本法では、小規模企業の振興に関する施策の総合的かつ計画的な実行と推進を図るため、基本計画を定めることになっています。「事業の持続的発展」というのは、事業規模や売上の拡大に限らず、技術・ノウハウの維持・向上、安定的な雇用の維持等といった、事業の充実を図ろうとする様々な取組を含む概念を言います。

基本計画は、一貫かつ継続した方針の下、必要な施策を重点的かつ効果的に実行することを担保するために定められます。計画を実効あるものとして展開していくため、毎年継続的に基本計画の進捗状況を管理することが極めて重要となります。

その際、国は、小規模企業の調査を活用し、「日本再興戦略」で定められた成果目標(KPI)及びその他関連指標を活用しつつ、後述の4つの目標の達成状況を把握するとしています。また、毎年度、講じた施策・講じようとする施策等について、年次報告(小規模企業白書)により、広く公表することになっています。その上で、小規模企業、支援機関、地方公共団体等の意見を踏まえつつ、施策の効果を検証し、施策の見直しを図るPDCAサイクル(計画・行動・検証・改善を一連のサイクルとして行うことにより、施策等の改善を行っていくこと)を構築していきます。



<図表1:基本計画に関連した「日本再興戦略」の成果目標(KPI)>

図

以上見てきたように、この基本計画は、小規模企業の「前向きな一歩」を関係者が一丸となって総力を挙げて応援するための“羅針盤”としての機能を有するものと言えます。

なお、基本計画は、小規模企業を巡る情勢の変化を勘案し、及び小規模企業の振興に関する施策の効果に関する評価を踏まえ、おおむね5年ごとに変更することとなっています。

2.4つの目標と10の重点施策

小規模企業振興基本法においては、小規模企業の振興に関する施策を講じる際の4つの基本方針を定めており、その実現に向け、4つの目標が設定されています。また、4つの目標の実現に向け、小規模企業の振興に関する10の重点施策を実施することとしています。

計画案に盛り込まれた4つの目標と10の重点施策は以下のとおりです。



<図表2:4つの目標と10の重点施策>

図

(1) 需要を見据えた経営の促進

まず、最初の目標は、「需要を見据えた経営の促進」です。これは、小規模事業者の構造変化への“潜在的な対応力”を最大限に発揮するため、自らの強みを把握した上での需要の創造や掘り起こし、ITのさらなる活用、新たな商品・サービスの開発・提供など、需要を見据えた計画的な経営を推進するための取組を支援するというものです。

<重点施策>
@ビジネスプラン等に基づく経営の推進

小規模企業が売上げや利益を伸ばすためには、明確なビジョンに基づいた経営を行うことが重要です。このため、小規模企業自身が、マーケットや競合他社の分析により、自らの強み弱みを把握しつつ、潜在的顧客を探すこと、また地域全体の実情も踏まえたビジネスプラン等に基づく経営を推進することが肝要となります。このような明確なビジョンに基づいた経営を支援します。これにより、小規模事業者の売上の増加や収益の改善など持続的な経営を促進していきます。

A需要開拓に向けた支援

小規模企業が直面する最大の課題である需要の創造や掘り起こしに向け、顧客のニーズに合った商品・サービスを発信する機会を増大させるものです。このため、商談会などの製品や技術等を提案する機会の提供や、アンテナショップやネット販売などITの活用の促進により、国内外の需要の開拓を支援します。また、小規模企業の政府調達参入の促進に努めることとしています。

B新事業展開や高付加価値化の支援

小規模企業における意思決定の速さという優位性を活かしつつ、市場の動向など多様な需要を見据えた新たな商品・サービスの開発等の取組を促進するとともに、新たなアイデアや技術の事業化及び実行を強力に支援します。また、第二創業などの挑戦的な取組も支援します。


(2) 新陳代謝の促進

2つ目の目標は、「新陳代謝の促進」です。これは、多様な人材・新たな人材を活用した事業の展開・創出(新陳代謝の促進)により、多くの人々が地域社会に参加・退出することで、地域の経済社会を活性化させるため、次の3つの重点施策を講じています。

<重点施策>
C起業・創業支援

女性・若者・シニアを含めた起業・創業を促進するため、産業競争力強化法に基づく地域における創業支援体制を整備し、市区町村レベルでの起業・創業を推進します。また、創業を応援する社会づくりや起業・創業に関する教育や先輩経営者の成功例を学ぶ機会の提供等にも努めます。

D事業承継・円滑な事業廃止

事業承継に関する法制面をはじめとした諸制度の整備・活用を進めます。また、支援機関等において、後継者難の小規模企業者と創業希望者とのマッチングを促進します。さらには、事業承継を契機として新たな事業展開に挑戦する後継者への支援を行うことにより、第二創業を応援します。

一方、事業の継続が困難な場合には、廃業することも選択肢の一つとして検討できるよう、事業の廃止に関する相談窓口の整備を進めます。小規模企業共済制度の整備・活用や、経営者保証ガイドラインに基づく融資の促進等を通じて、円滑な廃業、事業承継や再チャレンジに向けた環境整備も進めます。

E人材の確保・育成

小規模企業に対しては、経営に関する知識面でのサポートが重要であることを踏まえ、中小企業大学校等も活用し、小規模企業経営者及び従業員の知識、技能、管理能力の向上を図る研修を推進します。また、先輩経営者との交流を推進することにより、経営者としての切磋琢磨を行う機会を増やします。

さらに、小規模企業の経営者及び従業員の人材の確保・育成の観点から、小規模企業の魅力の発信、女性・若者・シニア等多様な人材と小規模企業との相互的なマッチングに向けた環境の整備等を行います。


(3) 地域経済に資する事業活動の推進

これは、地域のブランド化・にぎわいの創出を推進し、小規模企業と一体に持続・発展する地域づくりの増進、小規模企業の振興と地域経済の活性化を一体的に達成するため、次の2つの重点施策を講じるものです。

<重点施策>
F地域経済に波及効果のある事業の推進

地域に存在する魅力を掘り起こし、面的に捉え、創造的に取組むことで、その魅力を地域外へ広く浸透させ、地域外から地域内にアクセスする顧客層に効果的に訴求することにより、交流人口の拡大も含め、地域外からの活力の呼び込みを抜本的に強化します。併せて、地域内でも、既に存在する魅力に気づき、それを共有しつつさらに潜在的なマーケットのニーズを捉えるよう、魅力を高める努力も支援します。

G地域のコミュニティを支える事業の推進

小規模事業者に加え、行政機関(市区町村レベル)、商工会・商工会議所・中小企業団体中央会・商店街振興組合連合会等の既存の支援機関、農家、地場産業、旅館、NPO、医療機関、住民等の異なる主体と一体となって、地域全体で、コミュニティを支えるような取組を進めていきます。また、NPO法人など特に地域において事業・雇用の新たな担い手となる事業者の振興を図ります。


(4) 適切な支援体制の整備

事業者の課題を自らの課題と捉えたきめ細かな対応を行い、地域ぐるみで小規模企業の課題を解決する支援体制を整備するため、次の2つの重点施策を講じています。

<重点施策>
H支援体制の整備

国・地方公共団体や支援機関等による「支援体制の整備」を行います。また、ミラサポ(中小企業・小規模事業者の未来をサポートするポータルサイト)において、国と地方公共団体の連携を促進し、利用者の利便性を高める観点から、関係省庁及び都道府県・市区町村の施策情報を共有する「施策マップ」を活用することで、効果的な支援につなげます。

I手続きの簡素化・施策情報の提供

補助金等の申請や確定検査における書類や手続きの簡素化・合理化などを推進します。併せて支援機関を活用した申請の支援も推進します。また、ミラサポ等インターネットを活用した電子的な申請手続を促進します。

特に、小規模企業の振興に関する施策の活用を図る観点から、インターネット(動画も含む)、マスメディア、地方公共団体の広報媒体など、小規模企業の目に留まりやすい多種多様な手法を活用し、分かりやすく積極的に情報提供することに努めます。

以上見てきた基本計画案ですが、計画案は中政審の答申を経て、9月中旬閣議決定される予定となっています。



4つの目標や10の重点施策は、今後の施策の指針と言えます。つまり、これを見ることにより、今後の施策情報を先取りすることができます。

皆さんも、小規模企業振興基本法の小規模企業振興基本計画の内容に注目しながら、利用できる施策はないか調べたり、実際に利用することによって、今の事業環境を是非乗り切ってください。

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