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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=14年3月「消費増税に向けた事業者の対策D」

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今月の施策
ポイント最終回

5回にわたり、消費増税に向けた事業者の対策として、消費税転嫁対策特別措置法のポイントについて見てきました。今回は最後のポイントである「消費税の転嫁および表示の方法の決定に係る共同行為」という内容を見ていきます。

「消費税の転嫁および表示の方法の決定に係る共同行為」というのは、消費税の転嫁および表示の方法について足並みをそろえるため、「転嫁カルテル」および「表示カルテル」について独占禁止法の適用除外制度を設けるというものです。

ではどのような共同行為が独占禁止法の適用除外になるのでしょうか?「転嫁カルテル」と「表示カルテル」に分けて見ていきましょう。

1.転嫁カルテル、表示カルテルとは

カルテルとは、複数の企業が独占的利益を得ることを目的に、競争を避けて価格の維持・引き上げ、生産の制限、販路の制定などの協定を結ぶ連合形態(企業連合)のことを言います。日本では独占禁止法で禁止されています。

よく、「麻薬カルテル」という表現を新聞やテレビ等で目にすることがありますが、互いの縄張りを侵さないという意味では、同じものだと言えます。

イラスト

今回の共同行為である「転嫁カルテル」「表示カルテル」は、事前に公正取引委員会に対し、その共同行為の内容等を届け出る必要があります。共同行為が認められる期間は、平成26年4月1日から平成29年3月31日までにおける、商品の販売やサービスの提供を対象とするものです。ただし、「中小企業等協同組合法」、「商店街振興組合法」等の法律の規定に基づいて設立され、独占禁止法第22条の各号に掲げる要件を備えた組合(組合の連合会を含む)の行為については、届出を行う必要はありません。

図表1:消費税転嫁・表示カルテルの届出状況

図表

(公正取引委員会:平成26年3月3日公表)

転嫁カルテルとは、消費税の導入や税率引き上げの際に、増税分を価格に上乗せすることを、業者間で取り決めることで、中小零細業者などが増税分を価格に上乗せできず過剰な負担を強いられないようにするための措置です。転嫁カルテルは、参加事業者の3分の2以上が中小事業者であることが必要です。転嫁カルテルを実施できるのは、次の要件を備えた事業者または事業者団体に限られます。


図表2:転嫁カルテルが認められる事業者等

図

一方、表示カルテルは、消費税の導入や税率引き上げの際に、税額の表示方法を業者間で取り決めるものです。表示カルテルは、全ての事業者や事業者団体に認められています。

それぞれの具体例等を、次に見ます。

2.転嫁カルテルの具体例

転嫁カルテルとして行うことができる行為の具体例は、次のとおりです。

図表3:転嫁カルテルの具体例

図


上記Bについては、計算上生じる端数について、対象となる商品の値付け単位、取引慣行、上乗せ前の価格からの上昇の度合等を考慮して、切上げ、切捨て、四捨五入等により合理的な範囲で処理することになります。たとえば、本体価格98円の場合、本体価格×8%から、消費税額は7.84円ですが、これを四捨五入して8円にすること、また、本体価格93円の場合、消費税額7.44円を四捨五入して7円にすることがBに該当します。ただし、「本体価格を統一することの決定」は、適用除外の対象になりません。


逆に、転嫁カルテルとして認められない行為の例には、C消費税率引上げ後の税抜価格または税込価格を統一する旨の決定、D消費税率引上げ分と異なる額(率)を転嫁する旨の決定、E合理的な範囲を超える不当な端数処理を行う旨の決定があります。

Cの具体例としては、消費税率引上げ前の税込価格から、A商品は7%、B商品は5%を上乗せし、C商品は据え置く旨の決定、また個別商品ごとの消費税額に関係なく、全商品を一律○○円引き上げる旨の決定等があげられます。

なお、購入についての共同行為は、適用除外の対象にはなりません。

3.表示カルテルの具体例

表示カルテルとして行うことができる行為の具体例は、次のとおりです。

図表4:表示カルテルの具体例

図

@の消費税率引上げ後の価格について統一的な表示方法を用いる旨の決定については、さらに税込価格を表示する場合と税込価格を表示しない場合(第3の価格の表示に関する特別措置における誤認防止措置を講じている場合に限る)に分けられます。

税込価格を表示する場合、「税込価格」と「消費税額」とを並べて表示する方法や「税込価格」と「税抜価格」とを並べて表示する方法があります。税込価格を表示しない場合は、個々の値札に、税抜価格を表示した上、「+税」とする表示方法があります。

なお、形式上、表示の方法を決定するものであっても、共同行為の内容に転嫁の方法の取決めが含まれている場合には、「消費税の転嫁の方法の決定」についての届出が必要です。たとえば、消費税率引上げ分を消費税率引上げ前の対価に上乗せした結果、計算上生じる端数を切り上げにより処理して税込価格を表示する旨の決定がこれに当たります。

4.転嫁の方法・表示の方法の決定に係る共同行為として認められない行為

転嫁の方法・表示の方法の決定に係る共同行為として認められない行為について、以下に掲げる行為は、上記の届出をした場合であっても認められません。

図表5:転嫁の方法・表示の方法の決定に係る共同行為として認められない行為

図

Aの具体例としては、事業者団体が、共同行為に参加しない構成事業者に対して、それを理由に制裁を課すことにより当該構成事業者の事業活動を困難にさせること、共同行為に参加した事業者間で、当該共同行為に違反した事業者に対して、必要な合理的範囲を超えた制裁(事業者団体からの除名、除名と同様の効果を有する高額な過怠金等)を課すことにより、当該事業者の事業活動を困難にさせること、共同行為の参加事業者が、共同して、取引先に対して共同行為に参加していない事業者との取引を拒絶するように仕向けること等があげられます。


消費増税をきっかけに、ビジネスの様相がどのように変わるのか、4月以降実際に事業者のみなさんが目の当たりすることになります。事業者間の力関係や消費者の購買判断等にも消費増税は影響を与えることになるでしょう。そのため、消費税分を円滑に、かつ適正に上乗せすることを目的とした「消費税転嫁対策特別措置法」が施行され、今回まで5回にわけてそのポイントを見てきました。多くの皆さんはすでに消費増税に向け、準備をされていることと思います。

ただ、何が起こるのかわからないのがビジネスですから、4月以降に臨機応変な対応も求められると思います。初回にもお話ししましたが、消費増税の影響は、制約条件として受け止め、それに対処していくことが重要となります。

そのためには、会計を戦略的に活用して、経営をもっとスピーディかつ積極的に推し進めることや「見える化」していくことも必要です。

会計については、すでに実施されている方もいると思いますが、商工会のネットde記帳のようなASPシステムにより自社で経理、計算をする「自計化」を進めることも良いでしょう。数字で管理することは、科学的な経営の第一歩になりますし、過去会計のみならず、事業計画のような未来会計にも活用できます。

消費増税をきっかけに、前向きな経営を考えていくことも良いと思います。

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