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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=14年1月「消費増税に向けた事業者の対策B」

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今月の施策

消費者への販売において、大きな役割を果たすものに、宣伝広告というものがあります。これは、多くの消費者に提供する商品やサービスを知ってもらうための活動のことを言いますが、消費者が実際に商品やサービスを購入・利用する際の判断材料としても、大きな影響を発揮します。

今回の消費増税では、消費税の転嫁を阻害する表示についても、「消費税転嫁対策特別措置法」で規定されており、違法な宣伝広告を行った場合、違反事業者は、指導・助言や勧告・公表といった取り締まりの対象となります。

前回見た「消費税の転嫁拒否等の禁止」は、特定の事業者が取り締まりの対象でしたが、今回見る「消費税に関連した安売り宣伝や広告の禁止」では、全ての「事業者」が取り締まりの対象となります。そのため、他人ごとではなく、「自分のお店等での宣伝広告ではどうすべきか」という観点で今回の内容をご覧いただければ、と思います。

1.宣伝と広告

「宣伝」という言葉と「広告」という言葉は、もちろん意味が異なります。「宣伝」というのは、「デジタル大辞泉」によると、「商品の効能や主義・主張などに対する理解・賛同を求めて、広く伝え知らせること」という意味があります。

これに対し、「広告」は「商業上の目的で、商品やサービス、事業などの情報を積極的に世間に広く宣伝すること。また、そのための文書や放送など」のことを言います。つまり、「宣伝」のうち、放送や新聞、雑誌などのマスメディアを利用することや、鉄道やバスといった交通機関でポスターなどの媒体を利用して行うものが「広告」ということになります。

みなさんは、マーケティング・ミックスというものをご存知でしょうか?企業にとって外部の環境はコントロール不可能であるのに対し、マーケティング・ツールの組合せであるマーケティング・ミックスはコントロール可能な要因です。適切なマーケティング・ミックスを開発することによって、企業は初めて環境に適応することができます。

マーケティング・ミックスの4P理論(売り手側の視点)では、ツールは、@Product(製品)、APrice(価格)、BPromotion(プロモーション)、CPlace(流通)に分けられます。このうちのプロモーションが、宣伝広告の範疇となるものです。

プロモーションは、企業から消費者へ向けての情報伝達活動です。その内容は、大きく次の4種類に大別されます。

図表1:プロモーションの種類

図表

プロモーションには、それぞれに特性があるので、目的や標的市場に対して最も効果的な組み合わせを考える必要があります。

今回の「消費税に関連した安売り宣伝や広告の禁止」では、上記の「広告」の表示方法が問題となってきます。

2.消費税の転嫁を阻害する表示の是正に関する特別措置

消費税転嫁対策特別措置法における「消費税に関連した安売り宣伝や広告の禁止」について、この制度では、あたかも消費者が消費税を負担していない、またはその負担が軽減されているかのような誤認を消費者に与えないようにするとともに、納入業者に対する買いたたきや、競合する小売事業者の消費税の転嫁を阻害することにつながらないようにするため、事業者が消費税分を値引きする等の宣伝や広告を行うことを禁止しています。


(1) 適用の対象となる者

消費税転嫁対策特別措置法第8条(以下、「本条」)の適用対象となる「事業者」は、景品表示法における「事業者」と同様であり、消費税の課税事業者とは限られていません。つまり、全ての事業者が対象となります。

景品表示法は、正式には、不当景品類及び不当表示防止法といいます。景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することにより、消費者がより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守るものです。


(2) 事業者の遵守事項

事業者は、消費税の転嫁を阻害する表示をしてはならないことになっています。具体的には、事業者に対して、平成26年4月1日以後に自己の供給する商品または役務(サービス)の取引について、次の3つの表示を禁止しています。

図表2:事業者の遵守事項

図表

(3) 本条における「表示」

本条における「表示」については,景品表示法における「表示」と同様で、事業者が商品または役務(サービス)の供給の際に顧客を誘引するために利用するあらゆる表示が対象となります。

なお、本条が想定する典型的な場面は、小売事業者による消費者向けの表示ですが、必ずしもそれに限られるものではなく、事業者間取引における表示(例えば、事業者向けのカタログやパンフレットの記載等)であっても、本条の対象となります。


(4) 禁止される表示に関する基本的な考え方

本条は、消費税分を値引きする等の宣伝や広告を禁止するものです。なお、消費税といった文言を含まない表現については、宣伝や広告の表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ、禁止される表示には該当しません。

ただし、消費税といった文言を含む表現であっても、消費税分を値引きする等の宣伝や広告でなければ禁止されることはありません。また、消費税という文言を含まない表現であっても、「増税」または「税」などの文言を用いて実質的に消費税分を値引きする等の趣旨の宣伝や広告を行うことは、通常、禁止されます。

上記から、消費税という言葉を使わない表現も、禁止される場合があるということは、忘れないでいただきたいものです。


3.禁止される表示の具体例

禁止される表示の具体例としては、次の(1)〜(3)に分類されます。


(1) 取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示

@「消費税は転嫁しません。」

A「消費税は一部の商品にしか転嫁していません。」

B「消費税は転嫁していないので,価格が安くなっています。」

C「消費税はいただきません。」

D「消費税は当店が負担しています。」

E「消費税はおまけします。」

F「消費税はサービス。」

G「消費税還元」、「消費税還元セール」

H「当店は消費税増税分を据え置いています。」


(2) 取引の相手方が負担すべき消費税を対価の額から減ずる旨の表示であって消費税との関連を明示しているもの

@「消費税率上昇分値引きします。」

A「消費税8%分還元セール」

B「増税分は勉強させていただきます。」

C「消費税率の引上げ分をレジにて値引きします。」


(3) 消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示であってAに掲げる表示に準ずるものとして内閣府令で定めるもの

@「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します。」

A「消費税相当分の商品券を提供します。」

B「消費税相当分のお好きな商品1つを提供します。」

C「消費税増税分を後でキャッシュバックします。」


(4) 禁止されない表示の具体例

また、禁止されない表示の具体例としては、以下のものがあります。

@消費税との関連がはっきりしない「春の生活応援セール」「新生活応援セール」

Aたまたま消費税率の引上げ幅と一致するだけの「3%値下げ」「3%還元」「3%ポイント還元」

Bたまたま消費税率と一致するだけの「10%値下げ」「8%還元セール」「8%ポイント進呈」



消費者サイドでは、消費増税によって、「今までよりも生活の負担が増えて嫌だ」「給料があがらないから、生活費を切り詰めないと」といった心理が働きやすくなります。この心理につけ込む宣伝広告の表示が今回取り上げたものとなります。

「消費増税分、うちの店では値引きしますよ」等という表示は、適正なビジネスを阻害するものですが、法に抵触しない表現も多く出てくることが予想されます。事前に宣伝広告のあり方や有効な方策の検討はもちろんですが、ライバルとなるような店舗や企業の宣伝広告の内容等もつぶさに定点観測することによって、良いものは参考にしたり、取り入れたりと、積極的な宣伝広告を行っていくことも今まで以上に必要となります。

次回は、「総額表示義務の特例」について、見たいと思います。

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