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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=13年10月「小規模企業向け支援の今後について」

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「小規模企業向け支援の今後について」

  今年6月17日に第183回通常国会で成立し、同21日に公布された「小規模企業の事業活動の活性化のための中小企業基本法等の一部を改正する等の法律(小規模企業活性化法)」が9月20日に施行されました。
  この法律では、小規模企業の事業活動の活性化を図るため、中小企業基本法の基本理念に小規模企業の意義等を規定するとともに、小規模企業への情報提供の充実、小規模企業の資金調達の円滑化に係る支援等の措置を講じられています。
  わが国経済にとって、重要な役割を担うことが期待される小規模企業(小規模事業者)への支援について、今回は見ていきたいと思います。


1.小規模企業の現状と課題

わが国に存在する 420万の中小企業のうち、約9割、366万に及ぶ小規模企業は、地域の経済や雇用を支える存在として重要な役割を果たすとともに、その成長によって日本経済全体を発展させる重要な意義を有しています。

しかしながら、小規模企業は、資金や人材等の経営資源の確保が特に困難であることが多いこと等を背景に、近年、企業数・雇用者数ともに他の規模の企業と比べても減少しています。

このような状況を踏まえ、小規模企業に焦点を当てた中小企業政策の再構築を図り、小規模企業の意義を踏まえつつその事業活動の活性化を推進するため、今回、小規模企業活性化法が施行されるに至りました。


小規模企業は、中小企業のうち、おおむね常時使用する従業員の数が20人(商業またはサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については、5人)以下の企業をいいます。小規模企業を構成するのは、小売業、宿泊・飲食サービス業、建設業、製造業、生活関連サービス業・娯楽業等の業種に多く見られます。

小規模企業の売上高は年々減少しており、中規模企業との格差が拡大しています。小規模企業の数は、全体として減少していますが、減少しているのは個人事業者であり、会社形態をとる小規模企業は近年増加しています(小規模企業以外は個人事業者および会社の双方が減少)。


<図表1:企業数から見た中小企業・小規模企業の割合>

図解説

<図表2:常用雇用者・従業者数から見た中小企業・小規模企業の割合>

図解説

このような現状にある小規模企業に共通する課題として、中小企業庁では次の事柄を指摘しています。

@労働・人材

  • 小規模企業については、一般に人材の不足感が強い。
  • 労働生産性の格差が、大企業と小規模企業間だけでなく、中規模企業と小規模企業間でも広がっている。

A金融

  • 小規模企業は、中規模企業に比べ、純資産が少なく、固定負債が多い。
  • 過去の推移を見ても、中規模、大規模企業の自己資本比率が増加する中、小規模企業の自己資本比率は低く、増加率も小さい。
  • このため、売上げが悪化した場合、すぐに資金繰りが困難になるケースが多い。

B販路開拓

  • 売上の停滞・減少に直面している企業が多く、倒産要因にもなっている。

−個人事業者の経営上の問題は、売上の停滞・減少が特に大きい。
−倒産原因は、従業員9人以下では販売不振が7割弱を占めている(従業員100〜299人では5割弱)。



また、次の項目についても、小規模企業の課題として取り上げています。

@商店街

  • 地域に密着した活動を通じて地域経済を支える商店街の衰退が著しく、年間販売額・事業所数ともに1997年から2007年の10年間で8割を切る水準に落ち込んでいる。
  • また、商店街の高齢化の進展は喫緊の課題であるにもかかわらず、後継者対策が不十分。

A技術

  • 研究開発を行う企業の比率は、従業員規模5人以内と51人以上とで(製造業で3%と29%など)大きく異なり、小規模企業には技術開発のハードルが高い。
  • 特許・実用新案等の保有状況も、小さな企業ほど低い。

B事業承継

  • 小規模企業において事業継続希望が5割以上存在するが、後継者がいない、見つからないという後継者難によって、廃業を余儀なくされているケースが半数以上(約54%)ある。
  • 特にわが国のものづくり企業において、後継者不足や経営の行き詰まりにより事業承継が円滑に進まないまま、技術・技能・知識を有する企業が倒産・消滅し、貴重な経営資源が失われつつある。

C個人事業と法人

  • 法人化率(会社数/(会社数+個人事業者数))は、小規模企業(うち非一次産業)全体で37%だが、電気ガス業や情報通信業のほか、鉱業、金融業、卸売業等で特に高く、宿泊・飲食・サービス業、生活関連サービス業で著しく低い。
  • 日本の個人事業形態の中小企業は典型的には被用者(家族を除く)ゼロ人、総資産残高18百万円、売上高18百万円という姿であり、いずれも会社形態の中小企業の5分の1程度の水準。
  • 日本の個人事業形態の中小企業の売上高は2000年以降ほぼ一貫して減少し、2007年には2000年の8割強の水準にまで落ち込む一方、会社企業の場合、2003年以降は横ばいで2000年と比較して9割程度の水準にとどまる。

さらに、小規模企業等を支援する支援機関の課題として、次のものが挙げられています。

@小規模企業の経営課題の多様化

  • 人口減少・少子高齢化、新興国との競争激化・新興国の市場拡大、国内取引構造の変質(日本の大企業の海外進出の進展等)等により、小規模事業者の経営課題・支援ニーズが多様化・複雑化。
  • 特に「営業力・販売力の強化」が経営基盤の強化に向けて注力する分野と答える小規模企業が多い。

A中小企業・小規模企業の経営相談の現状

  • 定期的な経営相談を行っている中小企業経営者は少ない。
  • また、会計・財務・融資等については、専門家への相談が定着しているが、市場・販路や商品・サービス開発についての相談は、身内等が中心となっており、専門家への相談がほとんど行われていない。

以上の結果を受け、国は多種多様な小規模企業の類型化やそれぞれへの支援の方向性、それを支える支援体制のあり方等について検討していくこととしています。



2.小規模企業活性化法の概要

施行された小規模企業活性化法では、中小企業基本法を改正し、小規模企業の事業活動の活性化を図る観点から、「基本理念」と「施策の方針」を明確化しています。

また、海外展開の推進等、中小企業施策として今日的に重要な事項を新たに規定する等の措置を講じています。あわせて、中小企業支援法等の関連法を改正し、@ITを活用して専門家やビジネスパートナーの紹介等を行う事業の推進、A下請中小企業の取引先開拓支援、B資金調達の円滑化等の措置を講じています。

法に基づく措置事項は、大きく「中小企業基本法等の改正」と個別法律の改正等に基づく「小規模企業の活性化に資する施策の充実」に分けられます。それらの概要は、以下のとおりです。


<図表2:小規模企業活性化法の体系>

図解説

(1) 中小企業基本法等の改正

中小企業基本法の「基本理念」に、小規模企業の意義として、「地域経済の安定と経済社会の発展に寄与」を規定しています。また、「小規模企業に対する中小企業施策の方針」として、以下の方針を規定しています。

@

地域における多様な需要に応じた小規模企業の事業活動の活性化を図ること。

A

成長発展の状況に応じ、適切な支援を受けられるよう必要な環境の整備を図ること。

B

金融、税制、情報の提供等について、小規模企業の経営の状況に応じ、必要な考慮を払うこと(Bは、現行の中小企業基本法第8条の配慮規定と同旨)。


さらに、今日的に重要な事項の規定として、@女性や青年による創業の促進、A海外における事業の展開を促進、B情報通信技術の活用の推進、C事業の承継のための制度の整備を「基本的施策」の関係部分に規定しています。

関係する個別法律(中小企業信用保険法、小規模企業共済法、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律)においても、小規模企業の範囲の弾力化を図っています。


(2) 小規模企業の活性化に資する施策の充実

1) 中小企業信用保険法の一部改正の概要

小規模企業の多様性に着目し、特定の業種について小規模企業の範囲の変更を政令で行うことができるよう規定しています。また、中小企業・小規模企業の資金調達の円滑化を図るため、電子記録債権(債権債務の関係を電子記録化した、手形や売掛債権とは異なる新たな金銭債権、平成20年12月に施行された電子記録債権法に基づき創設)の割引等を流動資産担保保険の担保となる債権の範囲について、新たに対象として追加しました。


2) 中小企業支援法の一部改正の概要

ITを活用し、中小企業・小規模企業に役立つ以下の情報を提供する者を、情報セキュリティ対策が適切になされていること等を要件として、国が「認定情報提供機関」として認定する仕組みを創設しました。提供する情報は、@国・都道府県等による中小企業向けの支援情報、A中小企業の経営支援を行う専門家についての情報、B中小企業の事業活動のパートナーについての情報等となっています。


3) 下請中小企業振興法の一部改正の概要

下請中小企業が連携して、自立的に取引先を開拓する計画を、国が「特定下請連携事業計画」として認定する仕組みを創設しました。「特定下請連携事業計画(特定の親事業者に対する下請事業者の取引依存度を年1%以上低下させること等が要件)」の認可を受けた事業者に対して、以下の支援措置が講じられます。

@

中小企業信用保険法の普通保険、無担保保険、特別小口保険の別枠の設定。

A

資本金3億円超の下請事業者等を中小企業投資育成株式会社の投資対象に追加。

B

下請企業振興協会による下請取引あっせん等の協力。


4) 株式会社日本政策金融公庫法の一部改正の概要

民間金融機関等と協調して、中小企業・小規模企業の早期事業再生を支援するため、公庫の業務に債務の株式化(DES)を追加しました。これについては、沖縄振興開発金融公庫法においても同様の措置を講じられます。


5) 小規模企業者等設備導入資金助成法の廃止の概要

経営支援と一体的な小規模事業者向けの金融支援が抜本的に強化された一方で、小規模企業者等設備導入資金助成制度は、資金ニーズの変化に十分対応できておらず、利用実績が低迷しているため、今般、国の制度としては廃止されることとなりました。


日本国内において、少子高齢化や過疎化、都市一極集中などの構造的変化が生じており、特に地方において顕著に影響が生じています。このため、疲弊した地方の活性化のため、地域経済に焦点を当てた中小企業施策が必要となっており、さらに、わが国経済の競争力の源泉となっている中小企業・小規模企業の新たなチャレンジを応援し、日本経済の再興につなげることが重要となります。

中小企業全体の従業者数(約2,834万人)のうち、32%(約912万人)が小規模企業の従業者数で、小規模企業は、雇用の面などにおいても、地方経済を支えています。また、わが国における起業時の平均従業員数は約4人であることから、創業については、小規模企業としてスタートするケースが多くなっています。

これまで中小企業政策は、時代の要請に応じて基本理念が見直されつつ、金融政策、振興政策、診断指導・組織化政策など、様々な支援施策が整備・充実されてきました。今後は、中小企業、特に小規模企業に光を当てた支援を国が講じるべく、今回の小規模企業活性化法による整備などの法制や支援制度の拡充・創設等が足早に進められていくことが予想されており、具体的な支援策の活用により、小規模企業等がますます活躍していくことに期待がもたれています。




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