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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=13年8月「日本版SBIR制度について」

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「日本版SBIR制度について」

  いわゆる日本版SBIRについて、国は平成25年度の中小企業向けの支出目標額と目標達成のために講ずる措置を定めた「中小企業者等に対する特定補助金等の交付の方針」を作成し、7月23日に閣議決定されました。

今回は、この日本版SBIR制度について触れたいと思います。


1.この国の製造業に期待されること

以前、本コラムで取り上げた「はやぶさ」プロジェクトやTVでも取り上げられたモノづくりの町、東京都大田区から冬季オリンピックを目指す「下町ボブスレー」ネットワークプロジェクトのように、この国にはキラリと光る技術力を有した中小企業・小規模事業者が数多く存在しています。

3月の安倍総理の施政方針演説では、強い日本をつくるのため、「今こそ世界一を目指していこうではありませんか」と「世界一」いう言葉が連呼されていました。そのうち、中小企業等への支援については、「世界一を目指す気概」、「世界トップレベル」、「世界最先端」、「世界に冠たる」等の言葉が幾度となく繰り返されました。中でも、技術力については、「世界一のイノベーションを牽引する」という言葉に期待をもたれた方も多かったのではないかと思います。

このように、国内企業、特に日本の製造業を支える中小企業・小規模事業者にとって、世界一を指すことは、ある意味、明確な目標となり、製造分野において、国を挙げての今後の方向性を示しているのだ、とも言えます。

技術開発、そしてそれをベースにした試作品開発には、多くの手間や費用がかかります。通常業務のほかに対応することも必要になるため、なかなかそこまで手が回らない企業も多いのではないでしょうか。特に、費用については、将来必ず売上に結びつくとは限らない技術開発や試作品開発にどれだけの資金を投入することができるのか、難しいことだと思います。

そういった資金に関する課題を解決するため、国は技術力ある企業を支援する制度を設けました。それが今回紹介する日本版SBIR制度です。


2.日本版SBIR制度の概要と平成25年度「特定補助金等の交付の方針」のポイント

SBIR(Small Business Innovation Research=中小企業技術革新制度)は、平成10年12月臨時国会において成立した「新事業創出促進法(現在の中小企業新事業活動促進法)」に基づき、技術開発力を有する中小企業を活性化し、独自性を有する事業活動を支援する制度です。

具体的には、関係省庁が連携し、新事業の創出につながる新技術の開発のための研究開発委託費や補助金等(以下「特定補助金等」)について、中小企業及び事業を営んでいない個人(以下「中小企業者等」)に対する支出の機会の増大を図るとともに、その事業化までを一貫して支援するため、信用保証制度に関して枠の拡大や特許料等の軽減、特定補助金等の交付を受けた中小企業者等の技術力をPRするデータベースへの掲載等の各種支援措置が受けられるというものです。

法に基づき、毎年度示される「特定補助金等の交付の方針」の内容は次のとおりです。


(1) 国等の技術開発の中小企業向け支出目標額

国等の技術開発の中小企業向け支出目標額とは、国や独立行政法人(以下「国等」)における特定補助金等の交付金額のうち、中小企業・小規模事業者等に対して支出する目標額のことです。

平成25年度においては、関係省庁の協力を得て、国等の技術開発予算における中小企業・小規模事業者向け支出目標額を、前年度に比べて約2億円上積みし、約455億円としています。

なお、平成25年度に指定予定の特定補助金等は、総務省関係10本、文部科学省関係3本、厚生労働省関係2本、農林水産省関係18本、経済産業省関係73本、国土交通省関係5本、環境省関係2本の計113本となっています。

【参考URL】
平成25年度に指定予定の特定補助金等一覧(PDF形式)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/gijut/sbir/25fy/download/0723sbirichran.pdf


(2) 中小企業者が特定補助金等を利用して開発した技術の事業化を支援するために講ずる措置等

これは、国等が中小企業者等に対する特定補助金等の支出の機会の増大を図り、その成果を利用した事業活動の円滑化を進める観点から講ずる措置のことを言います。内容は、各府省間の連携、中小企業・小規模事業者等への制度の周知、中小企業者等にとって分かりやすく利用しやすい制度運用を進めていくこと等があります。

平成25年度の「中小企業者が特定補助金等を利用して開発した技術の事業化を支援するために講ずる措置等」のうち、前年度から拡充された項目は次のとおりです。


@

国は、研究開発成果の事業化を円滑化する観点から、株式会社日本政策金融公庫の特別貸付制度の対象に、産学連携により共同研究で開発した技術等を利用して行う事業を追加し、事業化支援措置の利用促進に努めます。

A

国は、特定補助金等に係る研究成果を利用して事業を行う中小企業・小規模事業者等に対し、認定経営革新等支援機関による市場化・実用化に向けた経営支援(事業計画の策定に係る指導及び助言並びに当該計画に従って行われる事業の実施に関し必要な指導及び助言)が効果的に行われるよう、支援ネットワークの構築、支援ノウハウの提供等に努めます。

B

国等は、特定補助金を活用した中小企業・小規模事業者等が、新たな分野に挑戦するために必要な技術者を確保するため、研究者、技術者等の研究人材を対象とした求人公募情報を提供する既存のデータベースとSBIR特設サイトを連携し、必要とする人材が確保できるよう支援を行います。また、国等は、職場実習を通して中小企業・小規模事業者等と技術人材をはじめとした人材のマッチングを支援します。


<図表1:SBIR特設サイト>

図解説

http://j-net21.smrj.go.jp/expand/sbir/index.html


SBIRは、元々、日本の技術開発関連の補助事業を参考に米国で創設された制度を逆輸入する形で日本でもその運用が始まったものです。米国では1983年のプログラム開始後、SBIRによる特許は4万件以上で、市場活性化にも大きく寄与したとされています。SBIRの成功事例も多数あり、米国の各省や機関のホームページで公開されています。


3.中小企業技術革新(SBIR)制度に基づく支援

中小企業技術革新(SBIR)制度に基づく支援とは、新技術を開発する中小企業者等が特定補助金等を受けることができるとともに、その成果を利用した事業活動を行う際に、特許料の軽減や債務保証に関する枠の拡大等の支援を受けることができるようにした、中小企業新事業活動促進法に基づく、いわゆる支援措置です。

対象となるのは、新技術に関する研究開発のための特定補助金等の交付を受けた中小企業者及び事業を営んでいない個人です。

支援内容は次のとおりです。

@特許料等の軽減

特定補助金等の交付を受けて行う研究開発事業の成果に関する発明特許について特許料等の減免を受けられるというものです。軽減の内容は、審査請求料の1/2軽減、第1年分から第10年分までの特許料の1/2軽減というものです。
A信用保証の特例(新事業開拓保証の保証枠の拡大)

これは、新事業開拓保証、通常個人・法人2億円、組合4億円(うち無担保保証5千万円)が個人・法人3億円、組合6億円(うち無担保保証7千万円、無担保枠・第三者保証人不要枠2千万円)に拡大する措置です。
B日本政策金融公庫の特別貸付制度(新企業育成貸付制度)

特定補助金等の交付を受けた中小企業者等が新事業育成資金、女性、若者/シニア起業家育成資金、新規開業支援資金、新事業活動促進資金による日本政策金融公庫の特別貸付を受けられるというものです。
C中小企業投資育成株式会社法の特例

資本の額が3億円を超える株式会社を設立する場合等も中小企業投資育成株式会社の投資を受けることができるというものです。
D小規模企業者等設備導入資金助成法の特例

小規模企業設備資金制度の貸付割合を1/2から2/3に拡充するというものです。
E国や関係機関の入札への参加機会の特例措置

SBIRの特定補助金等の交付を受けた中小企業者については、参加しようとする入札物件と同等以上の仕様の物件を製造できることを自ら証明できれば、入札参加資格のランクや過去の納入実績にかかわらず、入札参加が可能になるという特例措置です。
F特定補助金等の交付を受けた中小企業者の技術力をPRするデータベース

これは、先ほど見た特定補助金等の交付を受けた中小企業者それぞれに「J-Net21」のSBIR特設サイトに専用ページを設け、当該中小企業者がそこに研究開発成果やその事業化・商品化情報などを自由に掲載し、PR することができるというものです。


<図表2:中小企業技術革新制度に基づく支援>

図解説

以上のような、さまざまな支援制度や特定補助金等を活用しながら、自社や自社を含めたグループ等による技術開発や試作品開発に取り組むことは、有益です。技術開発等に今後、積極的に取り組んで行こうと思われている方は是非前向きにこれらの利用を考えてみてください。


なお、特定補助金等の公募の告示から締め切りまでの期間、いわゆる公募期間は通常1ヶ月、短いもので10日程度なので、前述の特定特殊法人のホームページを頻繁にチェックする等の情報収集に努める必要があります。

また、特定補助金等も含め、補助金は一般的に精算払い(事業終了後の対象経費等の支払)であることから全額自己資金で事業費を賄えない場合、融資も同時並行的に考えることが必要となります。

さらに、補助金については返済不要の資金調達の手段であるため、それに伴う様々な義務が生じます。このため、事業内容によっては補助事業としないことが得策であるケースもあり、その点よく熟慮した上で申請することが求められます。



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