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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=13年7月「中小・小規模事業者のITの活用」

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不況を乗り切る施策利用のススメ!今月の施策ピックアップ!
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「中小・小規模事業者のITの活用」

  「ネットを使ってビジネスを行っても、結局売れなかった」、「ホームページを作ったら、いろんな人が来てくれるかと思っていたが、案外閲覧数が伸びなかった」「ソーシャルネットワークを使ってキャンペーン等を実施したが、期待していたような結果が出なかった」等、このような話をよく耳にします。
  情報技術(IT)は、日々進化・発展しています。皆さんの周りにもパソコンはもちろん、タブレット型端末やスマートフォン等の新しい情報機器があり、また、クラウド・コンピューティング等の新たな情報サービス等も提供されています。このような、ハードやソフトを利用することによって、ビジネスにおいて、便利な環境を整えることができます。
  中小企業のみならず、小規模事業者においてもITを活用する企業は確実に増えています。発展するITを活用し、経営課題を解決することで、中小企業・小規模事業者はますます活力ある存在になることが可能です。

今回は、中小・小規模事業者のITの活用状況やIT関連施策について触れたいと思います。


1.中小・小規模事業者のIT活用の現状

2013年版中小企業白書では、「第2部 自己変革を遂げて躍動する中小企業・小規模事業者」の中で、中小企業・小規模事業者の ITの導入の現状、経営課題に対する ITの活用の状況等の分析を行っています。ここから、中小・小規模事業者のIT活用について見ていきたいと思います。


下記の図表1は、規模別・利用形態別に、ITの導入の状況を2007年と2012年で比較したものです。小規模事業者、中規模企業では、いずれの利用形態でも「実施している」と回答する企業の割合が、2007年に比べて高くなっており、ITの導入がこの期間で着実に進んでいることが分かります。

また、小規模事業者と中規模企業の導入の差には縮小傾向が見られますが、自社ホームページの開設等、小規模事業者のITの導入が、規模の大きい企業に比べて進んでいない状況も見られます。


<図表1:規模別・利用形態別のITの導入の状況>

図解説

(出典:中小企業庁「2013年版中小企業白書」)


この図表1によると、小規模事業者で5割弱、中規模企業で約8割が自社ホームページを開設していることがわかります。

中小企業・小規模事業者はホームページをどのように活用しているのでしょうか。

小規模事業者におけるホームページの開設の有無と販売先数の変化を見ると、ホームページを開設していない事業者よりも、開設している事業者の方が、販売先数が「大幅に増加した」、「やや増加した」と回答する事業者が多いことが分かります(図表2)。ホームページの開設が、販売先数の増加につながっていることが確認できます。


<図表2:小規模事業者の自社ホームページの開設の有無と販売先数の変化>

図解説

(出典:中小企業庁「2013年版中小企業白書」)


事例1:ホームページの活用により、全国展開を実現した地域の飲食店

  A社(従業員4名、資本金300万円)は、飲食店を運営する企業で、カレーやオムライス、ハンバーグ等を提供している。
  素材や製法にこだわった同社の料理は、顧客から高い評価を得ていたが、人口の多い都市部から遠い場所に店舗があり、売上が伸び悩んでいた。そこで、売上の拡大と新規顧客の獲得のため、インターネットを通じた、自社のホームページでの通信販売に、2009年から取り組んだ。
  通信販売のホームページは、テンプレートを利用し、社長自身で作成した。それまでホームページを作成した経験はなかったが、説明書を読み、業者に問い合わせをしながら作り上げた。作成には 2か月程度掛かった。
  ホームページの更新、写真撮影等は、現在も全て社長が行っている。「人に任せても良いのだが、自分でやりたいという気持ちが強い。」と同社社長は語る。
  通信販売を開始した当初、売上は思わしくなかったものの、ブログやメールマガジンで情報を発信することで、少しずつ売上が増えていった。事業が大きく拡大したのは、2010年であった。初めは、同社のホームページを見た地元のテレビ局の番組で、その後、全国放送の番組でも取り上げられたことがきっかけだった。
  番組の放送前、注文の量が予測できなかったため、同社は予約を受け付けることにした。放送まで1週間しかない中で、予約を管理するシステムを開発する必要があった。そこで、情報システム会社に委託し、柔軟なシステム構築が可能なデータベースソフトを使い、必要な機能から順次構築し、運用しながらシステム開発を行った。その結果、放送日までに予約管理システムの構築とサーバの強化を行うことができ、当日の多量の注文への対応が可能となった。
  インターネットでの通信販売を始めてから、放送によって知名度が大きく向上したことで、新規顧客を獲得することができ、売上は大幅に増加している。


(出典:中小企業庁「2013年版中小企業白書」を加工)


次に、スマートフォン、タブレット型端末等、新しい情報技術の導入の状況を見てみます(図表3)。

小規模事業者、中規模企業は、総じて大企業よりも利用が少なくなっていますが、小規模事業者と中規模企業で比べると、利用している割合はそれほど大きな差はありません。

他方、小規模事業者では、スマートフォンやタブレット型端末について「内容が分からない・知らない」と回答する割合が1割に上っています。


<図表3:規模別の新しい情報技術の導入の状況>

図解説

(出典:中小企業庁「2013年版中小企業白書」)



事例2:個人向けの新しい製品の販売のため、ホームページや SNS を活用している企業

  B社(従業員 202名、資本金 2,400万円)は、建築現場や車両塗装で用いられる、工業用の粘着テープを製造・販売する企業である。
  同社で取り扱う主な粘着テープは、建設現場等で塗装を行う際、必要箇所以外に塗料が付かないように、塗装面周辺に貼られるものであった。しかし、同社では工業用の粘着テープを、文具や装飾等に使っていた女性顧客のアイディアを取り入れることで、封筒やノート、紙コップ等の日用品を彩る、色彩豊かなデザインの文具雑 貨用のテープの販売を 2008年に始めた。
  同社では、それまでは企業向けが主であったが、個人向けに文具雑貨用テープを販売するため、ホームページやSNS活用した。ときに は、「売り切れていて残念」、「イベントのときの対応が悪かった」等の厳しいコメントが書き込まれることがあるが、このような評価を真摯に受け止め、業務の改善に役立てている。また、サイトで、顧客が同社の製品を使った作品の写真を投稿するなど、顧客同士で新たな使い方のアイディアを共有し、互いに交流することで、同社の製品を口コミで広げている。
  「ITによって事業展開が加速されていることを強く感じた。ITが無くても、人づてに人気が広がったかもしれないが、たった5年でここまでの規模の事業になったのは、ITのおかげだった」と同社専務は語る。現在、大手SNS上では3万人以上の同社の文具雑貨用テープの国内外のファンがおり、様々な言語でのコメントが寄せられている。製品は、約20の国・地域で販売され、その売上も増加しており、文具雑貨用のテープは同社を支える事業の一つになっている。


(出典:中小企業庁「2013年版中小企業白書」を加工)


2.IT関連施策の概要

IT関連施策は、以前、IT導入を目的とした融資制度やリース事業などの金融支援が中心となっていました。しかし、IT機器の導入が進んだ現在では、ITを利用する高度人材の育成やITを利用した事業化の推進を目的とした補助事業等にその重点がシフトしてきています。

ここでは、国が平成25年度において講じる中小企業施策のうち、代表的なIT関連施策を取り上げ、その概要を見たいと思います。


(1)政府系金融機関の情報化投資融資制度(IT 活用促進資金)

IT活用促進資金は、中小企業が情報化を進めるために必要な、情報化投資を構成する設備等の取得に係る設備資金、また、ソフトウェアの取得やデジタルコンテンツの制作、上映等に係る運転資金の融資をする制度です。

対象は、自社のIT関連機器の整備やソフトウェアの開発、デジタルコンテンツ関連設備の整備等、IT化を図る中小企業です。

内容ですが、まず貸付利率から見ます。貸付利率は、資金使途により異なります。

1. 電子計算機等情報化を構成する設備等

特別利率@

2. 上記のうち基幹業務、電子商取引(電子入札含む)、電子タグ、及びデジタルコンテンツに情報技術(IT)を活用するもの(被制御設備、関連建物・構築物を除く)

特別利率B

3. (長期)運転資金のうち人材教育費用等

特別利率@

4. その他情報化投資に必要な資金

基準利率

5. 支援センターが実施する専門家派遣事業により、ITコーディネータ等の診断・助言を受けた情報化投資計画

特別利率@

貸付限度額は、国民生活事業が設備資金7,200万円、うち運転資金4,800万円、中小企業事業が設備資金7億2千万円、うち運転資金2億5千万円となります。

また、貸付期間は設備資金15年以内、うち据置期間2年以内、運転資金7年以内、うち据置期間1年以内となっています。


(2)戦略的 CIO 育成支援事業

この事業は、比較的長期にわたって、専門家による経営戦略に基づくIT化に関するアドバイスを通じ、企業内CIO候補者の育成を支援する事業です。CIOというのは、「Chief Information Officer」の略で最高情報責任者のことをいい、アメリカの企業マネジメント上の呼称としてよく用いられています。

この派遣事業の対象は、部門間、企業間の連携など比較的高度なITシステムを導入することにより、経営課題の解決・経営改革を計画的に実施しようとする中小企業者です。

支援の内容は、中小企業基盤整備機構が中小企業者に専門家を派遣し、専門家は、CIO候補者が下記のプロセスを主体的に実施する際にアドバイスを行い、経営戦略に基づくIT化やCIO候補者の育成をサポートするという内容となっています。具体的には、@経営戦略、IT戦略の構築からシステム開発・移行・運用・拡張まで、一環した支援、A経営戦略、IT戦略の構築からIT企画まで支援(システム開発に進む場合は継続して支援)、B業務改善の実施からあるべき姿のIT企画まで支援(システム開発に進む場合は継続して支援)、C全社的な情報管理の策定支援からあるべき姿のIT企画まで支援(システム開発に進む場合は継続して支援)、このような支援プロセスを主体的に経験してもらうことで、企業内CIO候補者の育成につなげるというものです。

費用負担は、16,700円/日でCIO派遣に要する謝金の1/3相当額となっています。派遣期間は、支援内容によって3ヶ月から1年間程度で、更新も可能となっています。


(3)中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業

100万社以上の中小企業・小規模事業者や起業を目指す者と、1万人以上の専門家等が参画し、時間・場所にとらわれずに自由に経営・起業に関する情報交換や相談等ができるITシステム(ITクラウドを活用したシステム)を構築するとともに、高度な経営分析等の支援を行う専門家の派遣を支援することで、中小企業・小規模事業者等の新たなビジネス創造や、経営改革等をサポートする、平成25年度から開始された新規事業です。

ITクラウドを活用したシステム(支援ポータル)では、次の4つの機能を提供します。@中小企業・小規模事業者や専門家等支援者の間でのコミュニケーション・コミュニティ形成、中小企業・小規模事業者同士あるいは中小企業・小規模事業者と専門家等とのマッチング、A中小企業向けの支援情報の提供、支援施策の申請受付、B地域での共同受発注システムなど、中小企業・小規模事業者間の業務連携支援、C中小会計要領に基づく財務データ管理、ビッグデータ活用 による高度な経営分析等の経営改革支援、です。


(4)中小企業の IT 経営促進

中小企業のIT経営促進ですが、これは、ITを積極的に活用しながら、事業の高次化など経営革新に努める中小企業を発掘し、ポータルサイトなどを活用した普及を行うものです。対象は、経営革新を目指し、ITの利活用を図る中小企業等の経営者等です。

支援の内容は、ITによる地域経済の活性化を目的に、企業規模や業種、地域性など多様な環境にある地域の中小企業等が実践するIT経営、これはITを活用した企業経営、新商品・新サービスの開発、企業間連携によるイノベーション創出などですが、IT経営を持続的に推進するため、成功事例を収集し、ポータルサイトを活用した積極的な普及などの支援を行います。支援事業には、@中小企業IT経営力大賞などのIT経営成功事例企業の選出、普及やAホームページ等ポータルサイトを活用した情報発信があります。

「中小企業IT経営力大賞」というのは、経済産業省が関係機関の共催・協力のもとに主催する平成19年度に創設された表彰制度です。優れたIT経営を実現し、かつ他の中小企業がIT経営に取り組む際の参考となるような中小企業や組織に贈られます。受賞企業およびIT経営実践認定企業・組織にはロゴマークの使用が認められます。

ここで言うIT経営というのは、従来のように、業務の効率化など、守りの分野のみに活用するのではなく、下請からの脱却、多品種・少量・短納期への対応、業務の可視化による戦略的経営の推進など、攻めの分野にも活用し、経営力を高めていく取組みも含まれます。

[参考URL]
中小企業IT経営力大賞
http://www.it-keiei.go.jp/award/


ITの利用を始めたというのは、決してゴールではありません。その後、それを使った事業をいかに進展させるのか、そういった足元を見つめた上で、さらに改善していくことが、小規模事業者のIT活用には必要となっています。つまり、IT導入後、その真価が問われるわけです。「継続は力なり」といいますが、改善しながらも利用し続けることが重要です。

また、いろんなIT関連の施策があるので、これを利用しない手はありません。せっかくの施策ですから、是非積極的に利用しましょう。



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