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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=13年4月「商業・サービス業・農林水産業活性化税制の創設」

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「商業・サービス業・農林水産業活性化税制の創設」

  消費税率の二段階の引き上げの時期が迫ってきました。1年を切った来年4月1日には、現在の5%から8%へ、そして2015年10月には10%へと税率が引き上げられる予定です。最終的には、政府が今年10月をめどに最終判断する方針となっていますが、消費税率が引き上げられることは確実となっています。
  しかし、軽減税率の対象となる品目の線引きもまだはっきりしておらず、また増税分を価格にうまく転嫁できない中小企業が出てくるのではないかといった懸念もあり、多くの中小・小規模事業者は今後の消費税率の引き上げに対応した事業運営が求められます。
  このような中、平成25年度税制改正で、消費税率の二段階の引き上げに備え、商業・サービス業・農林水産業を営む中小企業等の活性化に資する設備投資を促進し、これらの産業の活性化を図る税制、「商業・サービス業・農林水産業活性化税制(以下「中小企業等活性化税制」)」が創設されました。この税制措置は、たとえば、「新しい商品を販売するため、陳列棚を入れる」、「レジスターを入れ替える」、「古くなった看板などお店の外装をきれいにする」といった設備投資も対象となるものです。

今回は、この中小企業等活性化税制について見ていきたいと思います。


1.商業・サービス業・農林水産業活性化税制の創設の背景

現状においても経営環境が厳しい卸売業、小売業、サービス業、または農林水産業を営む中小企業等(以下「中小企業等」)は、地域密着型の内需型産業であり、地域経済と雇用を支える中小企業等は、デフレの進行や消費マインドの低下等に伴い、売上が減少している中で、大規模店等との価格競争を余儀なくされ、厳しい経営環境に置かれており、リーマンショックや東日本大震災以後の業況の回復テンポも製造業に比して鈍いものとなっています。

こうした状況下において、今後導入される消費税率の二段階の引き上げは、価格転嫁の困難なことによる利益の減少や、駆け込みの需要増と反動での需要減に伴う大幅な収益ギャップ等により、中小企業等の経営体力に深刻な打撃を与え、これらの事業者の廃業の増加や雇用の縮小を招き、地域の経済、雇用に大きな影響を与える可能性があります。

そのため、消費税率の二段階の引き上げに備え、中小企業等の魅力の向上や業務改善に資する設備投資を促進することで、経営の安定化、活性化を図ることが必要となります。

しかし、中小企業等の全体の設備投資額は、減少傾向にあります。このため、中小企業等活性化税制により、投資環境を整備することによって、中小企業等における投資を促進することにつなげ、中小企業等の経営の安定化、活性化が図られることとなりました。


中小企業者等における設備投資の促進を目的とするものとしては、似たようなものに「中小企業投資促進税制」があります。しかし、当該税制では、主として生産性向上のための機械・装置の投資の促進を目的としています。

これに対して、中小企業等活性化税制は、中小企業等の魅力の向上や業務改善等を図るための設備投資の促進を目的としており、対象設備も、店舗の改装に係る建物附属設備や看板等の器具および備品としていることから、目的および適用の範囲が異なります。


<図表1:活性化に資する設備の例>

図解説

(出典:中小企業庁「平成25年度税制改正について」平成25年2月)


2.商業・サービス業・農林水産業活性化税制の概要

では、次に中小企業等活性化税制の内容について見ていきます。

この税制を利用するためのおおまかな流れは以下のとおりです。


<図表2:商業・サービス業・農林水産業活性化税制の概要図>

図解説

(1) 税制措置の対象者

対象者は、青色申告書を提出する中小企業者等です。中小企業者等とは、以下のような方々です。

  • 「個人」:常時使用する従業員が1,000人以下の個人事業者
  • 「法人」:資本金の額が1億円以下の法人(資本金1億円超の大規模法人の子会社を除く)、従業員が1,000人以下の資本を有しない法人
  • 「その他」:商店街振興組合、中小企業等協同組合など

(2) 適用の要件

中小企業等活性化税制が適用される要件は3つあります。その全ての要件を満たすことが必要です。要件は以下のとおりです。


@経営革新等支援機関等からの経営改善に関する指導および助言を受けていること。

経営革新等支援機関等とは、以下の機関です。

認定経営革新等支援機関、商工会、商工会議所、都道府県中小企業団体中央会、商店街振興組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、農業協同組合中央会、都道府県農業会議、森林組合、森林組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、生活衛生同業組合、都道府県生活衛生営業指導センター等です。


A

「指導および助言を受けたことを明らかにする書類」に、税制措置を受けようとする設備が記載されていること。

経営革新等支援機関等で経営改善に関する指導および助言を受けたことが税制措置の適用要件になるため、経営革新等支援機関等から指導および助言を受けたことを明らかにする書類(取得する設備の記載等がされているもの。イメージを最後につけています)の写しを申告書に添付することが必要です。


B

「指導及び助言を受けたことを明らかにする書類」に記載された設備を実際に取得して、中小企業者等の営む商業、サービス業等の事業の用に供すること。

本税制措置の対象となる設備は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第1の「建物附属設備」で60万円以上のもの、および「器具及び備品」で30万円以上のものです。ただし、中古品は対象に含まれません。

「商業、サービス業等」とは以下の事業です。

  • 卸売業、小売業、情報通信業、一般旅客自動車運送業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、こん包業、損害保険代理業、不動産取引業、不動産賃貸業・管理業、物品賃貸業、専門サービス業、広告業、技術サービス業、宿泊業、飲食店業、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、社会保険・社会福祉・介護事業、サービス業(教育・学習支援業、映画業、協同組合、他に分類されないサービス業(廃棄物処理業、自動車整備業、機械等修理業、職業・労働者派遣業、その他の事業サービス業))、農業、林業、漁業。

ただし、風俗営業法の対象事業に該当するものは、@バー、キャバレーなどの飲食店業で生活衛生同業組合の組合員である場合、A宿泊業のうち旅館業、ホテル業で風俗営業の許可を受けている場合、を除いて税制措置の対象とはなりません。


<図表3:減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第1の「建物附属設備」「器具及び備品」>

図解説

(出典:中小企業庁「商業・サービス業・農林水産業活性化税制について」)


(3) 税制措置の内容

取得価格の30%の特別償却または取得価格の7%の税額控除が選択適用できます。ただし、税額控除は、個人事業者または資本金3,000万円以下の法人のみが選択できます。

税額控除される額は取得価格の7%または税額の20%のいずれか低い額となります。また、ファイナンスリース取引のうち所有権移転外リースで取得した設備の場合、特別償却は選択できません。

なお、中小企業等活性化税制の適用期間は2年間、つまり、平成26年度末までで、法人については平成25年4月1日以降に開始する事業年度分の法人税に適用されます。



この税制措置を使えば、設備を使い始めた年度の減価償却費を増やすこと(特別償却)や、税額の控除を受けることができます。その結果、納税額が少なくなります。

ただし、最初に税制や設備ありきではなく、まずは、自社の経営上の課題をよく把握し、そのうえで、課題解決の取組みに必要となる設備が何かを特定することが重要です。

経営上の課題としては、「顧客のニーズの変化」や「顧客数の低下」、「販売単価等の低下」、「設備の老朽化」、「事業効率の低下」等がよくあげられます。また、課題解決の取組みには、「新商品・新サービスの販売・提供」、「販売促進活動の強化」、「店舗の魅力度アップ」、「提供する商品・サービスの質を高める」、「事業効率の改善」等があります。

こういった自社や自店の現状を確認しながら、専門家に相談し、アドバイスを受けることが、実はこの税制措置を利用する最大のメリットではないかと思います。

商工会等の中小企業支援機関には、この税制措置に限らず、多くの支援メニューがあり、支援策の紹介を受けることができます。是非いろいろと相談してみてください。




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