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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=13年3月「小規模事業者に光を当てた中小企業政策の再構築」

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「小規模事業者に光を当てた中小企業政策の再構築」

  中小企業政策審議会“ちいさな企業”未来部会(以下「未来部会」)の取りまとめ(案)が2月26日に公表されました。未来部会では、昨年6月に発表された「“ちいさな企業”未来会議」の提言を受け、“ちいさな企業”に焦点を当てた総合的な中小企業政策のあり方について、昨年7月から5回にわたり、議論が重ねられてきました。
  中小企業に対する政策は平成11年の中小企業基本法の全面改正や平成17年の中小企業新事業活動促進法の施行等、大きな変革が進められてきました。しかし、小規模事業者に対する政策は、中小企業の中に含めた形での変革であり、それほど小規模事業者自体に焦点を合わせたものとはなっていませんでした。
  未来部会では、“ちいさな企業”、つまり小規模事業者のことですが、この“ちいさな企業”に焦点を合わせた今後の政策、分野別の支援施策について検討されています。

今回は、未来部会が公表した取りまとめ(案)について見ていきたいと思います。


1.中小企業・小規模事業者の現状と意義

国内需要の減少や大企業の海外移転等、中小企業や小規模事業者を取り巻く国内の取引構造は大きく変化しています。こうした状況下で、わが国中小企業・小規模事業者は厳しい経営環境にあり、特に、中小企業の約9割を占める小規模事業者は、経営資源が脆弱であることから、近年、企業数・従業者数が他の規模の企業と比較しても大幅に減少しています。


<図表1:企業数・従業者数の推移>

          【企業規模別の企業数の推移】

図解説

          【企業規模別の従業者数の推移】

図解説

(出典:中小企業政策審議会“ちいさな”未来部会 取りまとめ(案)参考データ集)


一方、中小企業・小規模事業者は、量的にもわが国経済を支える重要な存在であり、とりわけ小規模事業者は、地域の経済、社会、雇用をしっかりと支える存在としての役割に加え、今後、グローバル企業に成長するなどわが国経済を牽引しうる企業の「苗床」としての役割を有しています。

また、小規模事業者は、製造業、サービス業、旅館・飲食店、建設業など300以上の業種に及び、企業規模や経営形態などで多種多様であるがゆえに、新たな需要への迅速な対応が可能であり、新たな産業の成長発展の担い手となる可能性も有しています。


2.未来部会における基本的考え方

未来部会では、これまでの政策を見直すとともに、上記のような現状にある中小企業・小規模事業者に対する政策のあり方を検討し、特に、小規模事業者にしっかりと焦点を当てた施策体系にするため、施策を再構築することが重要としています。また、こうした観点から、中小企業基本法における小規模事業者(法律上、正式には「小規模企業者」)の位置づけの精緻化・強化についても検討しています。

中小企業基本法は、中小企業関連の法律の中で、最上位に位置している法律です。したがって、他の中小企業関連の法律すべての基本となるものであると同時に、この法律は中小企業に対する施策、つまり支援施策の体系を示しているものでもあります。

今までの、小規模事業者は、中小企業基本法において、中小企業の中で経営資源の確保が特に困難である者であり、中小企業施策を講ずるに当たって特に配慮すべき対象として一律に捉えられてきました(中小企業基本法第8条「小規模企業への配慮」)。しかし、小規模事業者は、前述のとおり、地域経済の安定とわが国経済社会の発展に寄与するという観点から重要な意義を有しています。

こうした支援の意義が高まっている小規模事業者、すなわち“ちいさな企業”を、未来部会では、わが国経済の発展を支える存在として、中小企業政策の中に新たに位置づけ直すことが必要だとしています。中小企業基本法における小規模企業(小規模事業者)の位置づけの精緻化・強化については、以下の内容がポイントとなります。


@小規模企業に関する「基本理念」及び「施策の方針」の明確化

「地域経済の安定」及び「わが国経済社会の発展」に寄与するとの小規模企業の意義を「基本理念」に規定する。また、小規模企業に対する事業活動の活性化等を「施策の方針」に規定する。

A小規模企業者の定義の弾力化

小規模企業者の定義を精緻化・強化する観点から、個別法における弾力化を図る(例:宿泊業、娯楽業について、中小企業信用保険法等の小規模企業者の対象を拡大する方向で検討)。

B小規模企業から中小企業・中堅企業へと発展する際の支援のあり方

小規模企業の着実な成長発展を実現するための支援が重要である旨を基本法上で明確化する。

C今後の中小企業・小規模事業者施策の中核となる政策課題の基本法への位置づけ

女性や青年による創業の促進、グローバル化に対応した海外展開等の促進、情報通信技術の活用の推進、事業承継の円滑化について新たに位置づける。

この他、中堅企業やNPOの扱いについても、取りまとめ(案)では、言及されています。


現状、小規模事業者(小規模企業者)の範囲は、従業員数のみで判断します。おおむね常時使用する従業員の数が20人以下の場合、小規模事業者となります。ただし、商業またはサービス業に属する事業を主たる事業として営む事業者については、5人以下が小規模事業者になります。

今回の中小企業基本法における小規模事業者の位置づけの精緻化・強化によって、小規模事業者も業種毎のきめ細かなニーズに柔軟に対応した従業員区分になる公算が高くなっています。


3.未来部会取りまとめ(案)で取り上げている支援分野

未来部会の取りまとめ(案)では、小規模事業者に焦点を合わせた中小企業政策の再構築以外に、8つの支援分野についても検討されています。


<図表2:“ちいさな企業”未来部会取りまとめ(案)での支援分野>

図解説

それぞれについて簡単に見ておきましょう。

(1)経営支援体制(「知識サポート」の抜本的強化)

以下の3点を有機的、総合的に結びつけた支援を実施することが重要。

@

ITを活用した専門家情報の提供や実践的知識・ノウハウの提供・情報交換:国としてIT活用支援情報提供事業を実施する能力を有する事業者を法的に認定し、一定のチェックと必要な支援を講じる(中小企業支援法の改正)。

A

地域における膝詰めの相談やビジネスマッチング。

B

高度な支援を行う専門家を地域の隅々まで派遣。


(2) 人材

事業現場で働く上で必要な技能等を習得する機会の創出や、優秀な若手人材の確保の推進を行う(例:@事業現場での長期職場実習の支援、A大学生等との関係構築、マッチング、採用・定着までを一貫して支援する体制の構築等)。


(3) 販路開拓・取引関係

以下の3分野について、支援強化を図る。

@わが国経済のグローバル化に対応した海外展開等の更なる支援

潜在力のある中小企業・小規模事業者の発掘から海外展開に至るまでの一貫した支援を行う。また、種々のリスク情報提供、失敗例も含めた海外展開事例の提供など、支援機関の相互連携を強化する。さらに、必要な人材の確保・育成支援、現地専門家の紹介等も行う。

A下請取引等の適正化

独占禁止法の厳正・的確な運用、ベストプラクティスなどを活用した親事業者等に対する優越的地位の濫用事例の周知徹底。下請代金法の一層の運用強化の検討や大企業の社内コンプライアンスの強化。さらに、中小企業・小規模事業者が相談しやすい環境の整備を行う。

B下請中小企業等の振興への対応

下請中小企業振興法を改正し、下請中小企業同士が連携して、新たな親企業等との多様な取引関係を構築する事業に対し、支援を強化する。


(4) 技術

国際競争に打ち勝つための技術力強化と技術・技能・知恵といった経営資源の継承の促進を図る。例として、@既存の支援事業の小規模事業者枠等の見直し、小規模のものづくり事業者の試作開発・設備投資支援、A企業や人に蓄積された技術・技能等を着実に次の世代に継承するための支援、B事業承継税制の適用要件の見直しを通じ、制度の使い勝手を大幅に改善等が挙げられる。


(5) 資金調達・事業再生

@創業や成長のための最適な資金調達手段のあり方

成長指向型(資本性資金や中小機構による出資を通じた資本の供給の促進)や地域密着型(地域金融機関によるリレバン及びそれを補完する政府系金融機関や信用保証により対応)、また起業・創業のための資金調達(シードマネーを大胆に供給していくための助成制度の創設)や中小企業信用保険法を改正して、信用補完制度の対象に電子記録債権も位置づける。

A小規模企業者等設備導入資金助成制度の取扱い

ユーザーである小規模事業者の経営課題が多様化する中で、柔軟に対応出来る金融支援を講ずる観点から、また新たな金融支援措置が創設されたことから、本制度は国の制度としては終了し、都道府県に対し新たな枠組みの全体像を提示し、適切な経過措置を設ける。

B事業再生支援の促進

日本政策金融公庫による債務の株式化(DES)を可能にし、公庫と民間金融機関との協調支援体制を構築する。


(6) 女性による起業・創業、若者による起業・創業の抜本的推進

女性による起業・創業と若者による起業・創業のそれぞれの特徴と支援の必要性を踏まえ、必要な知識・資金を支援する新たな企業構築の仕組みを構築する。


(7) 女性が働きやすい環境整備

女性層を主な担い手に位置づけ、仕事と育児の両立ができる雇用環境の整備等を行う。そのために、仕事と家庭を両立したい女性を支援し、業績向上につなげている企業の表彰制度、結婚や出産等で離職した女性等に対して中小企業・小規模事業者への再就職を支援する実践的な職場実習制度の創設、職場実習を保育所の就労要件とみなすことができるような、制度の柔軟化を図る。


(8) 地域(商店街等)

女性や若者の力を活用した商店街の新陳代謝の促進や商店街の強みであるソフト事業・コミュニティ機能の強化を行う。具体的には、女性や若者のチャレンジを促す苗床として商店街が持続的に発展するための取組に対する支援の強化や地域コミュニティの中核として安全・安心、子育てなど地域住民の多様なニーズに応える取組に対する支援の強化等。



以上見てきたとおり、小規模事業者に対する政策・支援施策は大きく変更されていくことが予想されます。

支援施策は、政策という大きな流れの中で、それに沿った制度の整備、施策の拡充・創設等が行われます。この点から、施策をうまく利用するために、政策という潮流を把握し、施策の情報収集に心掛けることが重要となります。

施策の情報収集には、中小企業庁等の関係省庁や関係機関のホームページを定期的に閲覧することや、そのような機関等が発行しているメールマガジンの購読や商工会等におかれている各種施策のパンフレットやリーフレット等に目を通すのも良いでしょう。また、具体的な施策の利用については、当該施策の担当機関やワンストップで施策に関する相談を受け付けている商工会への問い合わせをすることも有用です。


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