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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=13年1月「金融円滑化法の施行状況と終了後の支援体制」

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「金融円滑化法の施行状況と終了後の支援体制」

  中小企業金融円滑化法の終了が近づいてきました。この法律は、中小企業や住宅ローンの借り手が金融機関に返済負担の軽減を申し入れた際に、できる限り貸付条件の変更等を行うよう努めることなどを内容とする法律で、本年3月末に期限を迎えます。
  金融庁は、昨年の11月、中小企業金融円滑化法終了後の対応について、貸し渋り・貸し剥がしの発生や倒産の増加といった事態が生じないよう、引き続き、日常の検査・監督を通じて金融機関に対し、他業態も含め関係金融機関と十分連携を図りながら、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるよう促していくことを明確にしました。
  しかし、中小企業金融円滑化法利用後の倒産企業は増加しており、金融機関の貸付条件の変更等の対応もさまざまな憶測が出ています。

今回は中小企業金融円滑化法の施行状況や終了後の支援体制等について見ていきます。


1.中小企業金融円滑化法の施行状況

中小企業者向けの金融機関における円滑化法の施行状況は、平成21年12月4日の施行日から平成24年9月末までの実績で見ると、審査中の案件等を除いた実行の割合は9割を超える水準となっています。平成24年9月末までの申込件数(累計)に占める実行件数の割合も増加しており、24年9月末時点で92.9%、申込件数(累計)は約370万件、うち実行件数は約344万件に上がっています。

これは仮に1社が3金融機関に3回の条件変更等を申し込んだとすれば、約41万社が、2回であれば約62万社が申し込んだことになります。この数字を、総務省「平成21年経済センサス基礎調査」の非1次産業計約420万社と比べると、約9.7%から約14.7%となり、全企業数(会社数+個人事業所)の1割程度が、この法律に基づいた条件変更等を申し込んでいることがわかります。


<表:中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件の変更等の状況(中小企業者)>

図解説

(出典:金融庁「中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件の変更等の状況について」平成24年11月30日)


次に金融機関側の条件変更等への対応を見てみましょう。

帝国データバンクが行った「金融円滑化法に関する金融機関アンケート調査」(平成24年12月10日)を見ると、金融機関が融資取引を行っている企業のうち、中小企業金融円滑化法施行中に貸出条件の変更を実施した企業の割合を聞いたところ、金融機関全体では、条件変更を実施した企業は「20%以下」にとどまると回答しています。業態別で見ても「普通銀行」「信金」「信組」を問わず、「20%以下」が最多となっています。「21〜40%」と回答した96 機関(同28.4%)とあわせ、9 割超の金融機関が条件変更を実施した企業の割合を40%以下と回答しています。

また、中小企業金融円滑化法による条件変更等の申込みの要件となる経営改善計画の金融機関への提出状況を上記調査から見ると、経営改善計画を提出している企業のうち、計画目標を達成している企業の割合は、「21〜40%」と回答する金融機関が93機関(構成比30.7%)、次いで「20%以下」が65機関(同21.5%)で、目標を達成している企業の割合が40%以下にとどまっていると回答する割合が過半数を占めています。

目標達成が40%以下にとどまっていることは、景気低迷や競合等による単価下落など外的要因が影響していることもありますが、中小企業が策定した経営改善計画の見通しの甘さや外部環境調査の不足等、企業側の計画策定能力の欠如といったことも考えられます。


次に、中小企業金融円滑化法を利用した後に倒産した企業の動向を、「金融円滑化法に関する金融機関アンケート調査」の「金融円滑化法利用後倒産の発生状況」を見ると、昨年11月の「金融円滑化法利用後倒産(負債1,000万円以上、法的整理のみ)」は43件で、集計開始以来最多を記録した前月(51件)との比較では15.7%下回ったものの、前年同月(25件)では72.0%の大幅増加を記録しています。

また、平成24年の件数推移を見ると、7月から明らかな増加基調を示し11月までで累計361件となっています。12月も増加基調が継続する可能性が高く、「金融円滑化法利用後倒産」の年間合計は、平成23年(194件)の2倍を超える公算となっています。

中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件の変更等を受けた企業が倒産した理由として、中小企業が経営改善計画を策定できなかった、もしくは、作成した計画が実現できなかったため、経営改善が進まなかったことが考えられます。実現可能性が高く、返済が再開した時にスムーズな資金繰りが達成できるような経営改善計画を策定することが必要となります。

もちろん、目標が達成できない理由には、景気が回復しないなど外的要因によるところも多いのですが、外的要因の悪さばかりを言っていても仕方がありません。経営改善を行うための道筋を明確にし、自社の努力によって達成できる事柄は必ず達成する経営努力、今の事業の延長線上だけで計画を考えるのではなく、仮に構造的な課題があるとすれば、それを乗り越えるような抜本的な対策を講じる勇気をもって、さまざまな側面から計画を検討し、実行すべきです。


2.中小企業支援ネットワークの構築

金融機関は既に中小企業金融円滑化法終了に向け、融資先中小企業の管理の厳密化を進めていると言われています。実際、ある金融機関では破綻懸念の度合いに応じて融資先を細分化するなど与信管理を強化したり、融資先の倒産リスクや景気減速などを勘案し、貸倒引当金を積み増している等の話も聞かれています。

では、金融機関のこのような動きに対して中小企業はどのような対策を検討すべきでしょうか。

前出の「金融円滑化法に関する金融機関アンケート調査」によると、条件変更を実施している企業から、金融円滑化法終了後に再度の条件変更の申込みがあった場合、これに応じると見込まれる企業の割合を聞いたところ、「81%以上」との回答が「普通銀行」「信金」「信組」を問わず最多となり、合計193 機関(構成比61.9%)にのぼっています。この点を見ると、憶測で言われている「金融円滑化法終了後、金融機関が支援を打ち切る」といったことはなさそうに感じます。

昨年11月の金融担当大臣談話でも、「金融検査マニュアル等で措置されている中小企業向け融資に当たり貸付条件の変更等を行っても不良債権とならないための要件は恒久措置であり、円滑化法の期限到来後も不良債権の定義は変わるものではない」とされています。

不良債権とならないための要件とは、「経営改善計画が1年以内に策定できる見込みがある場合」や「5年以内(最長10年以内)に経営再建が達成される経営改善計画がある場合」のことを言います。しかしこの点、既に条件変更を実施している企業で、経営改善計画を提出していないところや提出していても計画に改善の見込みが感じられないところに対しては厳しい判断がなされることも考えられます。



そこで、国は「中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージ」(平成24年4月20日 内閣府・金融庁・中小企業庁)で構築するとした「中小企業支援ネットワーク」の構築を、昨年12月、全国47都道府県において完了しました。

支援ネットワークは、中小企業金融円滑化法の終了後、中小企業の「出口戦略」として、関係省庁・関係機関が連携し、中小企業の経営改善・事業再生支援を推進するための支援体制です。

具体的には、全国47都道府県において、各県・市信用保証協会(以下「保証協会」)を中心に、地域金融機関、政府系金融機関、中小企業再生支援協議会(以下「再生支援協議会」)、企業再生支援機構、法務・会計・ 税務等の専門家、経営支援機関、地方公共団体、財務局、経済産業局等が連携するもので、各機関が有する専門知識を円滑に活用できる関係の構築を図るものです。

また、保証協会等を中心に、個別の中小企業者が自らの関係者と意見を交換し、あるべき支援の方向性について検討していく場(個別の中小企業者を支援する枠組み)の構築についても、各地域において検討を進めています。

個別中小企業者を支援していく枠組みは、既に一部地域で、事業者とメイン行の要請に基づくバンクミーティング等のような活動が行われています。このような取組についても、支援ネットワークの構築に際し、地域の実情を踏まえながら、各地域において、個別事業者を支援する枠組み(これを「経営サポート会議」と言います)の構築に向けて検討されています。

経営サポート会議は、中小企業者の負荷(中小企業者が経営改善計画を策定していく過程において、複数の金融機関との調整に多大なコスト、時間を要する等)を低減し、関係者が迅速に中小企業者の支援に向けた方向性について意見交換する枠組みです。ただし、常設の会議体としてではなく、個別中小企業者の支援のため、事務局(保証協会等)を軸に、当該個別中小企業者と関係者が集まる枠組みを想定しています。

経営サポート会議に参加する想定メンバーは、中小企業者、金融機関(メイン行、関係金融機関)、保証協会等で、流れとしては、以下のようなものとなります。


<図:経営サポート会議の流れ>

図解説

@中小企業者とメイン行の要請に基づき、バンクミーティングを開催

  • 事務局は、関係者の日程調整、会場手配等を担う。

A中小企業者と関係金融機関等が意見交換を実施

  • 経営改善計画策定までの経過、財務内容、経営改善案、債権者への支援依頼事項や資金計画等を含む経営改善計画を中小企業者から説明。
  • 計画内容について、意見交換。

B各金融機関が自らの対応方針(条件変更等)を決定

  • 各金融機関が各々の判断の下に自行の方針を決定。


今後の条件変更等は、今までよりも実現性の高い抜本的な経営改善計画(実抜計画)を策定していくことが必要となります。

金融機関がコンサルティング機能を発揮して、計画の策定を中小企業とともに行っていくことが望まれていますが、金融機関も合理化等により人員も減少しており、そのような対応をすべての中小企業に行うことには無理があります。

このため、商工会や上記の支援ネットワーク等を活用しながら、実抜計画を策定していくことも有用です。



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