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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=12年11月「経営支援体制の変遷と今後」

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「経営支援体制の変遷と今後」

  商工会をはじめとする、中小・小規模企業に対する支援機関や支援のシステムである経営支援体制は過去から現在までさまざまなものがあり、中小企業や小規模企業にとって色々と役立ってきました。皆さんも、きっと何らかの支援を受けたことがあると思います。
  ただ、最近の傾向として、支援の内容によって対応する支援機関が細分化し、利用する側にとってわかりづらくなっているのではないかという危惧を持っています。似たようなものが多いこともあり、「どういった相談をどこにすれば良いのか」という声も聞かれます。またそれ以前に、どういう支援機関やシステムがあるのか、企業の側が認知していなければ、せっかくの支援策が“宝の持ち腐れ”になってしまうことも考えられます。
   支援とは、その名の通り「支え援助すること」です。経営面等、一人で悩んでおられる経営者の方もいると思いますが、そういう時こそ誰かに相談することも必要です。もちろん、身内の方や頼りになる社内の人材、顧問の税理士の先生等も相談相手になります。ただ、国等の経営支援のしくみを活用することも有用です。

今回は、経営支援や体制について、その変遷や今後の方向性について触れたいと思います。


1.支援体制の変遷

まず、経営支援体制の変遷を俯瞰していきましょう。

わが国の中小企業政策は、戦後復興期の昭和23年(1948年)に中小企業庁が設立され、それ以降、本格的にスタートしました。その当時の中小企業政策は「金融」、「組織」、「診断・指導」の3つを大きな柱として体系化が図られていました。現在は「支援」と言っていますが、以前は「指導」という言葉が使われており、当初から「支援(指導)」は重要な政策・施策という位置づけになっていたわけです。

診断・指導については、中小企業庁設立時に指導部を設置し、企業診断制度が創設されました。さらに、昭和35年(1960年)の商工会等の組織に関する法律(商工会法)の制定により、診断・指導体制が強化されました。

平成11年(1999年)の中小企業基本法の全面改正後、診断・指導政策について、国や都道府県等が中小企業に対して上から指導を行う方式を改め、中小企業の経営資源の確保を支援する中小企業支援法が制定されました。これが「指導から支援へ」の始まりです。


これ以降、経営支援体制はさまざまな変貌を遂げていきます。

平成12年(2000年)の中小企業支援法の施行を受け、多様な中小企業に対するきめ細やかな支援のためのワンストップサービスを実現するために、「地域中小企業支援センター」「都道府県等中小企業支援センター」「中小企業・ベンチャー総合支援センター」から成る3類型の中小企業支援センターを中心とした支援事業が始まりました。これにより、@身近で継続的な支援、A多様なニーズに対応した支援の2つの機能が新たに行政サービスに加わることとなりました。

平成17年(2005年)に中小企業新事業活動促進法が施行されると、創業や経営革新を目指す中小・小規模企業等に対する支援を行う「シニアアドバイザーセンター」が開設されるとともに、新連携を支援する「新連携支援地域戦略会議」も設置されました。また、平成20年(2008年)には、経営力の向上や事業承継等、中小企業が直面する課題に対してワンストップできめ細かな支援を行う「地域力連携拠点」が設置されましたが、その後の事業仕分けの結果を受けて、スリム化した形で「中小企業応援センター」へと変化しました。

さらに、中小企業が抱える経営課題への支援体制を強化するため、地域の中小企業支援団体、地域金融機関、税理士、NPO等の中小企業支援機関等から成るネットワークを構築し、支援機関の連携の強化、支援能力の向上を図る「中小企業支援ネットワーク強化事業」が平成23年(2011年)から始まり、現在に至っています。


<図:中小企業支援ネットワーク強化事業の支援の流れ>

図解説

(平成24年度中小企業施策利用ガイドブックより)


上記の支援体制以外に、目的別に、企業再生に関する相談を受ける「中小企業再生支援協議会」、技術相談や試験・分析の委託・共同研究などの技術支援を行う「公設試験研究機関」等の支援機関や中小企業の取引に関するさまざまな相談を受ける「下請かけこみ寺事業」、農商工連携、地域資源活用、新連携等、新たな取組にチャレンジする際の事業計画作りから販路開拓に至るまで、一貫してサポートする「新事業創出支援事業」のような経営支援のしくみもあります。


2.今後の経営支援体制の方向性

第3回“ちいさな企業”未来部会(開催日:平成24年10月26日)の内容を見ると、今後さらに複雑化・高度化・専門化する中小・小規模企業の経営課題・相談ニーズにきめ細かく対応するため、経営支援体制を再構築することが必要だとしています。具体的には、「知識サポート・経営改革プラットフォーム(仮称、以下同じ)」という経営支援の仕組みを構築することとしています。

では、その「知識サポート・経営改革プラットフォーム」の概要を見ていきましょう。

「知識サポート・経営改革プラットフォーム」は、起業・安定化・成長・事業承継の各段階で必要となる実践的で生きた「知識」を円滑に共有するため、ITを活用する(ITを活用した支援)とともに、ITを活用するのが困難な小規模企業等に対して各地域の拠点での支援(現場での支援)を行うものです。今よりもITを主体とした支援にシフトしたものと言えます。


◆「知識サポート・経営改革プラットフォーム」の概要

(1) ITを活用した支援

国がオーナーとなり、100万社以上の中小・小規模企業と1万以上の専門家・支援機関等が参加するITプラットフォームを構築する。基本機能は、

@

政策情報提供と申請受理(国・地方の政策情報(各種支援策の申請機能)のワンストップ提供。支援機関・専門家・先輩経営者の紹介。レイティング(評価)機能も付加)

A

企業間等のコミュニティ形成やマッチング(国と中小企業、あるいは中小企業グループによるオンライン上の意見交換フォーラム。中小企業と専門家のマッチング、中小企業同士のマッチング)

B

企業間の業務連携促進(中小企業同士あるいは中小企業と大企業によるBtoBの業務連携アプリケーション等の提供)

C

中小・小規模企業の財務面での経営改革支援(中小会計要領を活用した経営改革支援ツールの提供。中小企業の財務データ、経営データの収集とこれを統計的に活用した経営支援機能)

システムの開発と運営は、 企画競争により、技術的知見を有する民間コンソーシアムが、国の監督の下で実施。

(2) 現場での支援


国は、地域の中小・小規模企業者と専門家・先輩経営者等が膝詰めで指導や情報交換を実施するための全国200箇所以上の拠点作りを支援。

金融機関等の認定支援機関、意欲ある地域の既存の支援機関、NPO等が運営主体。

国は、拠点候補を公募し、業務の公正中立性確保のための措置を行う。


<図:「知識サポート・経営改革プラットフォーム」のイメージ図>

図解説

(第3回“ちいさな企業”未来部会配布資料「法制検討ワーキンググループの概要と
今後検討を深めるべきポイントについて」より)


上記の「知識サポート・経営改革プラットフォーム」の概要は、現在、討議されている段階で、これから内容が細かく決められていくことになります。

特に、「現場での支援」については、商工会、商工会議所、都道府県支援センター等、既存の支援機関で行われている事業とどのようにすみ分けするかなど、まださまざまな論点が残されています。今までの経営支援体制の変遷や中小企業等からの率直な意見を聴きながら、今まで以上に良いシステムになって欲しいと思います。



支援を受ける側である中小企業の経営者の方から、「相談は日頃やりとりのある慣れた人にすべてしたい」という意見が聞かれます。相談内容に応じて異なった支援者に何回も自社の説明をしたり、現状の動向を何度も話すのは「面倒」であり、「普段から慣れた人に相談するのが気楽だし、相談しやすい」ということを時々聞きます。確かに、相談する側の立場に立てば、そのような心境になるでしょう。

上記の場合、重要になるのが日頃から慣れた支援者が持つネットワークです。

一人の人間ができることには限界があります。同様に、支援者が対応できる支援内容にも限りがありますし、またそれが現状のベストソリューションではない可能性もあります。このことから、支援者が一人で何でも解決するというカタチから、ある程度のことは支援者が解決しつつも、専門外の内容や特に高度な相談内容については、外部のネットワークを活用して解決を目指すといった方法が必要となってきます。


これは、町の個人医院と大病院・専門科の病院との連携といった関係に近いものと言えます。要は、地元の慣れた支援者にさまざまな相談ができ、かなり専門的な内容については、その支援者を通じて、各専門支援機関やその担当者等を紹介、または支援者がそのような機関等から得た情報を咀嚼して相談者にフィードバックするような支援の在り方が本来的であり、実効性といった点からも馴染みやすい気がします。

「支援」というのは「支援する側」と「支援される側」の信頼関係の上に成り立っています。本当の意味での支援は、いかにこの信頼関係を作っていくかという点も重視すべきだと思います。



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