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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=12年10月「信用保証制度のお話」

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「信用保証制度のお話」

  企業にとっての「資金」は、人間の「血液」にたとえられることがあります。血の流れが悪いとさまざまな症状を引き起こすのと同様、企業の資金繰りが滞るとさまざまな問題を招くことになります。資金が枯渇するすると、最悪の場合、倒産することにもなりかねません。
  経営者の仕事のうち、重要なものとして「資金調達」があります。企業内部に留保されている資金以外に事業資金を外部から調達する、それが資金調達です。資金調達の方法としてはさまざまなものがありますが、こと中小企業については、金融機関からの借入がもっとも利用されている方法です。
   金融機関からの資金調達の方法として、信用保証制度を利用した借入がありますが、一説によると、中小企業の約6割がこの保証付融資を利用しているそうです。これだけ多くの中小企業が利用している信用保証制度ですが、経営者にあまり理解されていないと感じることが往々にしてあります。
   中小企業の金融対策として重要な役割を果たし、よく利用されているにもかかわらず、利用者である企業サイドからそれほど理解されていない「信用保証制度」について今回見ていきましょう。


1.特別保証と保証の申込み方式

中小企業金融安定化特別保証制度(以下「特別保証」)の保証承諾期間の終了間際に、筆者は保証の利用者である中小企業に信用保証協会や信用保証制度に関する調査を行いました。

特別保証というのは、平成9年秋に大手金融機関の経営破綻等を契機に金融システム不安が高まり、未曾有の信用収縮が発生したため、臨時異例の措置として、信用保証協会が行う保証について総額30兆円の特別の保証枠を設けて実施したものです。保証承諾期間は平成10年10月から平成13年3月までで、粉飾決算、大幅債務超過等一定の事由に該当しない限り、原則保証承諾を行うというネガティブリスト方式による簡易・迅速な審査により保証を実施していました。保証承諾実績は、累計で約172万件、約28兆9千億円に及ぶもので、皆さんも利用されていたかもしれません。

特別保証が実施されたことによって、保証付融資件数・融資額は大きく伸びましたが、上記の調査から見えてきたこととして、信用保証制度のことをあまりよく理解せず、利用している中小企業、経営者が案外多いということでした。

「金融機関は金利以外に保証料という名目で金利を二重取りしているのではないか」といった事実無根の話や「銀行に融資の付け替えに利用された」、さらには「特に使い道がなかったのに、金融機関から借りられるというので保証付融資を受けた」といった意見(フリーアンサー)などが調査の結果から出てきました。


中小企業が信用保証の申込みを行なうには通常2つの方式があります。


<図:信用保証の申込み方式>

図解説

1つは、中小企業が直接、信用保証協会の窓口あるいは商工団体、地方公共団体等を通じて申込みをする方式で、これを「協会斡旋保証」と呼びます。協会斡旋保証は、金融機関になじみのない中小企業を信用保証協会の手で金融機関に結びつけるという機能が発揮できるものです。

もう1つは、中小企業が金融機関に対し借入申込みを行ない、金融機関がその借入について信用保証協会に保証を依頼する方法で「金融機関経由保証」と呼ばれる方式です。金融機関経由保証は保証手続きが短期間で行えるという利点があります。

しかし、金融機関経由保証の場合、金融機関に“おんぶにだっこ”のようなところがあるため、中小企業にとって信用保証協会や保証制度が一種のブラックボックスになっている場合があります。この結果、前述のような保証に関する意見が出やすくなっているわけです。このため、金融機関経由保証で保証を依頼している中小企業であっても、ある程度は信用保証協会や保証制度を理解しておくことが有用だと言えます。

では次に、信用保証制度を含む信用補完制度と保証制度の概要を見ていきます。


2.信用補完制度のしくみと信用保証制度の概要

信用補完制度とは、中小企業信用保険法に基づき、資金調達面で担保力・信用力が不足している中小企業に対する信用力の補完を行うことを目的としています。内容としては、信用保険制度(保証債務の保険契約に基づく保険)、信用保証制度(債務保証と代位弁済)から成り立っています。

信用補完制度ですが、これは中小企業が民間金融機関から資金を借り入れる際に、信用保証協会がその借入債務の保証を行い、この保証を日本政策金融公庫中小企業事業が保険契約に基づき保険に付するというしくみになっています。万一、債務者である中小企業が返済不能になった場合、信用保証協会がその中小企業に代わって借入債務を返済、つまり代位弁済をし、その後、中小企業はその債務を信用保証協会に弁済することになります。


<図:信用補完制度のしくみ>

図解説

(注1)@〜Cは保証申込から返済まで、D、Eは事故による代位弁済から弁済まで
(注2)‐‐‐は社債保証のフロー


信用保証制度を利用できる対象は、中小企業者、つまり個人または法人・組合等で事業を営まれる方で、農業、林業(素材生産及び素材生産サービスを除く)、漁業、金融・保険業(保険媒介代理業及び保険サービス業を除く)等の一部の業種を除きほとんどの業種の方が対象となります。

保証限度額は、一般保証として、普通保証2億円以内、無担保保証8千万円以内、無担保無保証人保証1,250万円以内ですが、納税していること等、一定の要件があります。また、使用目的等に応じて各種の特別な信用保証制度も利用できます。さらに、一般保証に係る保証限度額とは別枠で、中小企業信用保険の特例措置等に基づき、各種の政策目的により制定された特別保証に係る限度額が設けられています。

よく制度上、別枠化という表現がでてきますが、一般保証(普通保証、無担保保証、無担保無保証人保証)の別枠化という場合、基本的にどの中小企業もが有している一般保証と同額の保証枠をもう一つ設定されることを言います。

保証料率は、財務内容その他の経営状況を勘案して、おおむね0.45%から2.2%の範囲で各都道府県等の信用保証協会が保証料率を決定します。「中小企業の会計に関する指針」に沿った財務諸表を作成している場合や担保がある場合は、0.1%程度の割引があります。


平成19年10月から、それまで信用保証協会が原則100%の信用リスクを負担していたものが、金融機関にも原則20%(責任共有制度)の負担を求めることになりました。ただし、責任共有制度の円滑な導入の観点から、すべての保証制度を責任共有の対象とするのではなく、当面の間、対象除外の制度を設けることとなりました。具体的には、@経営安定関連保証(セーフティネット保証) 1号〜6号、A災害関係保証、B創業関連保証(再挑戦支援保証を含む)および創業等関連保証、C特別小口保険に係る保証、D事業再生保証、E小口零細企業保証、F求償権消滅保証、G中堅企業特別保証、H東日本大震災復興緊急保証、I経営力強化保証制度(責任共有制度の対象除外となる信用保証協会の保証付きの既往借入金を借り換える場合)がこれに当たります。


最後に保証限度額と与信限度額について触れます。

保証限度額は、ルール上設定されている限度額を示しています。そのため、保証限度額まですべての中小企業が信用保証制度を利用できるというわけではありません。保証承諾の際には審査が行なわれ、審査の結果により、その中小企業に対する保証承諾の額が決まります。つまり、保証限度額とその中小企業に対する保証承諾の与信限度額は多くの場合異なったものとなっています。

たとえば、無担保保証の限度額は8,000万円ですが、企業によっては8,000万円全額無担保保証を利用できているところもありますが、場合によっては、3,000万円まではたしかに無担保だけれども、それ以上については担保が必要というケースもあります。これは、その中小企業が無担保保証を利用できる与信限度額が3,000万円で、それ以上については普通保証となって、担保が必要ということも考えられるわけです。つまり、自分のところはいくらまで無担保保証を利用できるのかは中小企業から見た場合、その企業を担当する信用保証協会に問い合わせないとわからないのが実情です。特に、多くの中小企業は金融機関経由保証で信用保証協会を利用していると思いますので、信用保証協会に経営者等が直接出向き相談することも信用保証制度を利用するためには必要となります。


最初にも話しましたが、資金調達は経営者の仕事です。特に、所有と経営の分離がすすんでおらず、それらがほぼ一体化している中小企業では、資金調達に関して、人任せにするのではなく、経営者自らがある程度、目を配らせ、把握しておくことがとても重要になります。



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