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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=12年6月「中小企業白書について」

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不況を乗り切る施策利用のススメ!今月の施策ピックアップ!
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「中小企業白書について」

  中小企業庁が「平成23年度中小企業の動向」および「平成24年度中小企業施策」をとりまとめ、4月27日に閣議決定されました。
  中小企業を支援するための法律の中で、憲法的な存在として「中小企業基本法」という法律があります。中小企業基本法第11条では、閣議決定を経た上記報告を毎年国会に提出しなければならないことが定められています。国会に提出後、上記報告は「中小企業白書」と名を改め、刊行され、多くの方が目にするようになります。
  白書というと、「何か難しいことが書いてあるだけのものじゃないか」とか、「専門家が読むものじゃないのか」と思われがちですが、こと中小企業白書については、中小企業、小規模事業者の方にとって、大いに参考になる情報満載の書物です。
  中小企業白書をすでにご存じの方、まだ目にしたことがない方も、中小企業白書の概要を知って、経営に活かしてみませんか。



1.そもそも白書とは

白書とは、国立国会図書館での説明によると、日本の中央官庁の編集する政府刊行物で、その内容は政治、経済、社会の実態および政府の施策の現状について国民に周知させることを主眼とするものです。もともとイギリス政府の議会に対する報告書が表紙に白い紙を用いていたため、ホワイトペーパー(White Paper)と呼ばれていたことから、日本でもそれに倣って政府が作成する報告書の通称を白書と呼ぶようになりました。

現在、中央官庁の出版物で、白書と一般に呼ばれているものには、三種類に大別されます。まず、@「法律の規定に基づき国会に対して提出される報告書」ですが、これは法定白書と呼ばれるものです。「中小企業白書」や「科学技術白書(科学技術基本法第8条)」などがこれに該当します。次に、A「閣議へ提出される報告書」です。閣議案件としては「配布」に含まれます。「犯罪白書」や「通商白書」などがこれに該当します。最後に、B「その他」ですが、これは通称として白書と呼ばれているものです。「日本の水資源(水資源白書)」などがこれに該当します。


2.中小企業白書の構造

2012年版中小企業白書は大きく2つの内容に大別されます。先述した「平成23年度中小企業の動向」は、第1部、第2部、第3部(平成16年以前は第1部・第2部)の構成で、これに「平成24年度中小企業施策」が含まれた内容になります。

ただ、上記の構成は白書としての編集上の分類といえます。

実質的には、以下の3つの類型で見るほうが分かりやすいです。

@中小企業を取り巻く環境(昨年度の中小企業の動向(第1部が該当)+巻末の付属統計資料)

A中小企業に関する重要テーマの調査・分析・対応の方向性等(第2部・第3部が該当)

B中小企業施策(昨年度講じた施策+講じようとしている施策)


<図:中小企業白書の構造>

図解説

ここでポイントとなるのが、第2部・第3部のテーマです。ここで言及されていることは、来年度の施策に繋がることが多いため、その場合、施策立案の必要性の根拠となります。つまり、第2部・第3部を見ることによって、来年度の施策が予想できるわけです。

また、中小企業白書のいわゆる編集長に当たるのが調査室長ですが、このテーマ選定は調査室長の腕の見せどころでもあります。本来、中小企業白書は中小企業のために作成しているものなので、「是非、中小企業の方に見てもらいたい」といった想いで、調査室長は毎年作成しているのではないかと思います。

なお、テーマは毎年変わります。2011年度版はオーソドックスな内容で、製造業や小売業、商店街などの課題と対応(第2部)や起業・転業の実態、中小企業の労働生産性の向上のための取組(第3部)などが取り上げられています。


3.2012年版中小企業白書の概要

では続いて、2012年度版の中小企業白書の概要を見てみましょう。


(1)「平成23年度中小企業の動向」の概要

第1部(2011年度の中小企業の動向)では、最近の中小企業の動向について分析しています。

わが国経済は、東日本大震災の影響による落ち込みから回復しつつあるものの、円高や世界経済の減速等の影響により、次第に回復の動きが緩やかになってきています。中小企業の景況は、大震災後、持ち直してきましたが、これまでの円高、原燃料の価格高騰、電気料金の引上げ、電力需給の逼迫等の影響が懸念され、2012年に入って横ばいの動きとなっています。国はこのような状況を鑑み、今後とも経済状況及び中小企業の動向を注視しつつ、中小企業対策を適切に講じていくこととしています。

次に、第2部では、潜在力を発揮して、事業活動を行う中小企業の取組や課題について分析を行っています。

中小企業が持つ潜在力とは、変化する社会環境において、何らかの障害があって利用されていない経営資源のことです。第2部では、柔軟な対応力、技術力、商品開発力、マーケティング力等が挙げられています。こうした潜在力を用いて、@大震災からの復興に中心的な役割を果たしている中小企業、A国内外の成長機会を取り込み、事業活動を行う中小企業(海外展開企業、女性の事業活動)について、事例を示しながら分析しています。


最後に、第3部ですが、ここでは中小企業が、経営資源の充実にどのように取り組んでいく必要があるかについて、技術力および経営力の維持・強化の観点から分析しています。

技術力については、中小企業のものづくり人材の育成は喫緊の課題となっています。多くの事例を示しながら、若手の技術・技能人材の確保・育成を始めとする取組等により、中小企業の技術力についてさまざまな角度から調査・分析を行っています。

中小企業の経営を支える取組としては、さまざまな外部の専門家等を活用しながら経営力を強化すること、その中でも特に、身近な金融機関が中小企業の経営課題に対応することは、中小企業とそれを支援する金融機関がともに再生し、地域の活力を回復することにつながります。ここでは支援施策である専門家派遣事業の活用や地域金融機関の中小企業支援の取り組みなどについても触れています。


(2) 「平成24年度中小企業施策」の概要

東日本大震災からの復興に対応するために講じている資金繰り対策や、工場や店舗等の復旧支援、中小企業の潜在力を発揮するための海外展開の支援や経営支援の担い手の活性化、技術力の強化等を始めとした、平成24年度において講じようとする施策を記述しています。


図解説なお、中小企業白書は、購入しなくても、中小企業庁のホームページからPDF形式でダウンロードすることも可能です(無料)。無料で入手できるというのは、ありがたいですね。

【参考URL】

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html



4.中小企業白書の活用法

以上見たとおり、中小企業白書にはさまざまな情報が盛り込まれています。最後に白書の活用法について触れたいと思います。筆者が考える白書の活用法としては、次のようなものがあります。

(1) ビジネスプランや各種資料作成に白書の統計データや調査結果を活用する

第1部ではマクロ経済の動向や中小企業を取り巻く状況、付属統計資料では主要財務・損益状況や財務指標が示されています。これらのデータ等はビジネスプランやマーケティング資料・営業ツール等の外部環境分析に大いに役立ちます。また、主要財務・損益状況や財務指標は財務分析での比較ツールとして、金融機関向けの資料にも活用できます。


(2) 分析テーマを利用した勉強会を実施する

商店街の組合員での勉強会での資料として、会社内部の研修用テキストとして中小企業白書を活用することも一考です。特に第2部・第3部は今日的なテーマも取り上げられており、また事例も豊富なので、単なる読み物としてだけではなく、勉強会・研修会ツールとしても白書は大活躍します。


(3) 中小企業向けの支援施策の情報を得る

先述のとおり、白書では昨年度において講じた中小企業施策と今年度において講じようとしている中小企業施策が体系的に示されています。これらを見るだけでも、施策の流れや概要がわかりますが、中小企業庁が発行している「中小企業施策利用ガイドブック」を併せて活用することによって、さらに支援施策に対する理解が進みます。



以上見てきましたが、中小企業白書は中小企業の動向と中小企業施策について言及しているものです。どちらも経営者にとって知っておきたい内容です。

ややもすると、人は自社の目の前のことにばかりに目が行きがちですが、客観的に白書の中で中小企業を取り巻く現状や他の中小企業の事業活動などに触れることによって、今後の事業展開に役立つさまざまな知恵や発想が生まれてくると思います。また、どのような支援施策があり、何が重点施策となっているかを知ることで、自社での積極的な施策活用にもつながるのではないかと思います。

中小企業白書は学術書や学問書ではありません。筆者は白書を経営に関する実用書だと思っています。そのため、多くの中小企業の方に見ていただきたい。機会があれば、是非ご覧ください。



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