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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=12年5月「中小企業金融円滑化法と終了後の政策パッケージ」

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「中小企業金融円滑化法と終了後の政策パッケージ」

  リーマン・ショック後の景気低迷で、資金繰りに苦しむ中小企業等のために施行された中小企業金融円滑化法(2009年12月施行)が来年3月まで延長されることになりました。中小企業金融円滑化法の延長は昨年に続き2度目で、東日本大震災や円高による影響が大きい中小企業等に配慮したものです。ただし、今回の再延長は最終延長と金融庁はしており、これに伴い、内閣府・金融庁・中小企業庁がこの最終延長を踏まえ、「中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージ」を策定しました。
  この法律は返済猶予法、モラトリアム法とも呼ばれ、成立するまで何かと話題を集めた法律です。この法律は金融機関に対し、貸付条件の変更等に応じる努力義務を課すというもので、返済期間等の延長を行うことによって、その間に中小企業が経営の改善に努め、事業活動の円滑な遂行に寄与することを目的とした法律です。


今回は、この中小企業金融円滑化法の実施状況と最終延長後の中小企業の経営支援のための政策パッケージについて見たいと思います。


1.中小企業金融円滑化法の概要と実施状況

先述しましたが、この法律は金融機関に対して貸付条件の変更等に応じる努力義務を課すというものです。この場合の金融機関の努力義務とは、中小企業等から申込みがあった場合に、他の金融機関等との連携を図りつつ、できる限り貸付条件の変更等の適切な措置(例:元本の返済猶予、返済期間の延長、旧債の借換え、エクイティ・スワップ(債務の株式化))をとるよう努めることをいいます。

中小企業金融円滑化法による貸付条件の変更等を受けるためには、中小企業等が金融機関と今後の経営改善計画、返済計画を検討・策定することが必要となります。また、経営改善計画がなくても、1年以内に計画を策定できると見込まれれば、先に貸付条件の変更等を行った上で、金融機関と一緒に計画の検討を行うこともできます。


今回の再延長に際して、金融庁では、金融経済情勢や中小企業者等の資金繰り、金融機関の金融の円滑化への対応状況について、各種データを分析するとともに、中小企業者や金融機関と意見交換を行いつつ、円滑化法の施行状況やその効果・影響などを注視してきました。

金融機関の円滑化法への対応状況を見ると、円滑化法施行以降の約2年間にわたる取組みにより、貸付条件の変更等の実行率が9割を超える水準となっているほか、金融機関の間の連携がよく行われるようになっているという声が聞かれるなど、基本的には、その取組みは定着してきていると考えられています。


<表:債務者が中小企業者である場合における貸付条件の変更等の状況>

図解説

(金融庁「中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件の変更等の状況について」2012年3月)


債務者が中小企業である場合における貸付条件の変更等の状況は、上の表のとおりです。全業態の合計では、実行率@(実行/(実行+謝絶))が97.1%、実行率A(実行/申込み)が91.4%となっています。


2.政策パッケージの概要

一方で、中小企業金融円滑化法については、貸付条件の再変更等が増加している、貸付条件の変更等を受けながら経営改善計画が策定されない中小企業も存在しているなどの問題を指摘する声もあがっています。

このような点を勘案すると、金融規律の確保(健全性の確保・モラルハザード防止)のための施策を講じる一方、金融機関によるコンサルティング機能の一層の発揮を促すとともに、中小企業者等の真の意味での経営改善につながる支援を強力に押し進めていく、いわゆる「出口戦略」が必要となってきています。今後、中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえ、中小企業の経営改善・事業再生の促進等を図るため、金融庁では以下の取組を強力に進め、関係省庁・関係機関と連携し、早急にその具体化を図ることとしています。


<図:企業再生支援機構及び中小企業再生支援協議会の機能及び連携の強化>

図解説

(中小庁HPより「政策パッケージの概要」別紙2)


(1) 金融機関によるコンサルティング機能の一層の発揮

金融機関は、自助努力による経営改善や抜本的な事業再生・業種転換・事業承継による経営改善が見込まれる中小企業に対して、必要に応じ、外部専門家や外部機関、中小企業関係団体、他の金融機関、信用保証協会等と連携を図りながらコンサルティング機能を発揮することにより、最大限支援していくことが求められています。

このため、金融庁は、次の取組みを行うことにより、金融機関によるコンサルティング機能の一層の発揮を促すことにしました。
1)各金融機関に対し、中小企業に対する具体的な支援の方針や取組み状況等について集中的なヒアリング(出口戦略ヒアリング)を実施します。
2)抜本的な事業再生、業種転換、事業承継等の支援が必要な場合には、判断を先送りせず外部機関等の第三者的な視点や専門的な知見を積極的に活用する旨を監督指針に明記します。

なお、今般の東日本大震災により大きな被害を受けている地域においては、中小企業の置かれている厳しい状況や中小企業のニーズに十分に配慮したコンサルティング機能の発揮が強く求められており、また産業復興機構や東日本大震災事業者再生支援機構も整備されています。こうした点を踏まえ、事業再生に当たっても、被災地の実情を十分に配慮した中長期的・継続的な支援が期待されます。


(2) 企業再生支援機構及び中小企業再生支援協議会の機能及び連携の強化

財務内容の毀損度合いが大きく、債権者間調整を要する中小企業に対しては、企業再生支援機構(以下「機構」)や中小企業再生支援協議会(以下「協議会」)を通じて、事業再生を支援します。

このため、内閣府、金融庁、中小企業庁は緊密に連携して次の施策を実施することにより、両機関の機能及び連携を大幅に強化します。
1)機構においては、以下の取組みを積極的に推し進め、中小企業の事業再生を支援する仕組みを再構築します。

@

中小企業の事業再生支援機能を抜本的に強化するため、専門人材の拡充を図ります。

A

下記3)のとおり、中小企業再生支援全国本部(以下「全国本部」)や協議会との円滑な連携を図るため、企画・業務統括機能を強化するとともに、協議会との連携窓口を設置します。

B

中小企業の実態に合わせた支援基準の見直しを行うとともに、協議会では事業再生支援の実施が困難な案件を中心に積極的に取り組みます。

C

デューデリジェンス等にかかる手数料の負担軽減を図ります。

2)協議会においては、次の取組みを行うことにより、その機能を抜本的に強化します。

@

金融機関等の主体的な関与やデューデリジェンスの省略等により、再生計画の策定支援を出来る限り迅速かつ簡易に行う方法を確立します(標準処理期間を2ヶ月に設定。協議会ごとに計画策定支援の目標件数を設定し、24年度に全体で3千件程度を目指します)。

A

事業再生支援の実効性を高めるため、地域金融機関や中小企業支援機関等の協力を得て、専門性の高い人材の確保及び人員体制の大幅な拡充を図ります。

B

経営改善、事業再生、業種転換、事業承継等が必要な中小企業にとって相談しやすい窓口としての機能を充実し、最適な解決策の提案や専門家の紹介等を行います。

3)機構及び協議会においては、次の取組みを行うことにより、連携を強化します。

@

機構または協議会が相談を受けた案件について、他方が対応した方が効果的かつ迅速な支援が可能となる場合には、相互に案件の仲介等を行います。このため、機構と全国本部は連携して、相互仲介ルールを策定します。

A

事業再生支援機能の向上や上記2)Bの相談機能を実務面から支援するため、機構と全国本部は連携して、中小企業の経営状況の把握・分析や支援の手法等に係る改善や指針等の策定を行い、それらを協議会とも共有します。

B

機構は、協議会が取り組む案件について、相談・助言機能を提供します。

C

機構及び全国本部は、協議会や金融機関が必要とする専門性を有する人材を紹介できる体制の構築を進めます。

D

機構、協議会及び全国本部との間で、「連携会議」を設置します。


(3) その他経営改善・事業再生支援の環境整備

金融機関によるコンサルティング機能の発揮にあたって、経営改善・事業再生支援を行うための環境整備も不可欠となっています。このため、内閣府、金融庁及び中小企業庁は、次の施策を実施します。
1)各地域における中小企業の経営改善・事業再生・業種転換等の支援を実効あるものとするため、協議会と機構を核として、金融機関、事業再生の実務家、法務・会計・税務等の専門家、中小企業関係団体、国、地方公共団体等からなる「中小企業支援ネットワーク」を構築します。
2)地域における事業再生支援機能の強化を図るため、地域金融機関と中小企業基盤整備機構が連携し、出資や債権買取りの機能を有する事業再生ファンドの設立を促進します。
3)公的金融機関による事業再生支援機能を充実させるため、資本性借入金を活用した事業再生支援の強化について検討します。
4)以上に加え、中小企業の事業再生・業種転換等の支援の実効性を高めるための施策を検討します。



今まで経験してきた成功事例があまり役に立たないほど、急速な環境変化が企業を取り巻いています。無駄な経費や不必要な資産(もう経営資源とは呼べないかもしれません)を整理することによって、今の経営環境に見合う企業に形作ることはもちろんですが、聖域とされている本業も見つめ直し、もっている強みを発揮できる新たな事業分野・事業内容を模索することが多くの企業で必要となっています。

中小企業金融円滑化法の猶予はあと一年。企業によっては、それまでに今後の企業にとって何が良いのか全社をあげて取り組むことが必要な一年になるかもしれません。



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