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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=12年4月「中小企業の知的財産権」

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不況を乗り切る施策利用のススメ!今月の施策ピックアップ!
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「中小企業の知的財産権」

  2月のわが国の貿易収支は、昨年9月以来5カ月ぶりに黒字転換しました。しかし、3月に入るとふたたび赤字となり、貿易収支の赤字基調はまだ続くことが予想されています。このため、今後内需の拡大が難しいわが国にとって、企業等の海外展開支援は重要な経済政策と位置付けられています。
  海外展開支援で重要視されているのが、企業等が保有する知的財産権の保護です。上海万博のテーマソングや中国のテーマパークでのキャラクター等、具体的な内容については、皆さんもニュース等で目に触れることが多いと思いますが、こういった問題に対する対処が重要となっています。最近では、「人気漫才コンビのネタがパクられた」といったこともありました(笑)。
  知的財産権は、権利者にとって大きな財産です。お金なら「盗った・盗られた」というのも分かりやすいのですが、知的財産権は権利者が知らない間に「盗られている」ということも少なくありません。また、知的財産権をうまく活用しながらビジネスを展開することも可能です。


今回は、国益として取りざたされている知的財産権の概要とその利用によってビジネスにつながった事例を見たいと思います。


1.知的財産権について

(1) 知的財産権とは

知的財産基本法によると、「知的財産」とは発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他 の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見または解明がされた自然の法則または現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品または役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報をいいます。また、「知的財産権」は特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利または法律上保護される利益に係る権利をいいます。

知的財産の特徴の一つとして、「形あるもの」とは異なり「財産的価値を有する情報」であることが挙げられます。情報というのは、簡単にマネされるという特質をもっており、しかも利用されることにより消費されるということがないため、多くの者が同時に利用することができます。こうしたことから知的財産権制度が産まれ、創作した人の財産として上記のような権利を保護するための制度となっています。

近年、国は「知的財産立国」の実現を目指し、様々な施策が進めています。中小企業にとって、企業が持つ技術やノウハウは貴重な財産であり、経営資源です。このため、国は地域・ものづくり中小企業の技術力強化に向けた研究開発、知的財産権活用への支援、ITの導入などの制度によって中小企業を支援しています。


(2) 知的財産権の種類

知的財産権には、特許権や著作権などの創作意欲の促進を目的とした「知的創造物についての権利」と、商標権や商号などの使用者の信用維持を目的とした「営業標識についての権利」に大別されます。

また、特許権、実用新案権、意匠権、商標権及び育成者権については、客観的内容を同じくするものに対して排他的に支配できる「絶対的独占権」といわれています。一方、著作権、回路配置利用権、商号及び不正競争法上の利益については、他人が独自に創作したものには及ばない「相対的独占権」といわれています。


<図:知的財産権の種類>

図解説

(特許庁HPより)


知的財産権には、いろいろな種類があり、それぞれの知的財産権に合わせて法律が定められています。具体的な内容については、これらの法律についても見ていくことが必要となります。

なお、知的財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つを産業財産権といい、産業の発達を図るための権利として、別な表現がとられています。


2.知的財産権を活用したビジネス展開事例

知的財産権を活用したビジネス展開の事例として、都賀町商工会「知的所有権実践会」の事例を見たいと思います。


知的所有権実践会は、地域経済活性化のため、平成17年に都賀町商工会(栃木県栃木市都賀町)で開催された知的所有権(知的財産権)のセミナーに参加したメンバーによって結成されたグループです。代表者の佐藤氏の呼びかけをきっかけに、3人寄れば文殊の知恵にならい業種別・性別・年齢別・生活環境別などの複数のメンバーによるコラボでアイデアを出し合い、新商品を生み出し、同時に知的所有権を活用しようと、7人のメンバーが集い商工会の事業としてスタートしました。結成後毎月2回会合を行い、持ち寄ったアイデアや「不便だ。使いづらい」等気づきをネタに討議し、トイレットペーパーホルダーボックスに関わる特許等申請2件・実用新案登録(猫遊戯具)1件を行いました。

しかしながら、当初の5年間は、貴重な時間やお金をかけたにもかかわらず、試作・商品化された、または市場性の認められそうな商品はありませんでした。その間メンバーの数も7名から5名に、そしてメンバーも数人入れ替わり、また途中中断の話もたびたび出ましたが、苦節6年、やっと「にゃん☆ハウス」という商品を商品化することに成功しました。


<写真:にゃん☆ハウスHPトップ画面>

図解説

にゃん☆ハウス
http://www.cc9.ne.jp/~takao-s/


「にゃん☆ハウス」は段ボールでできたキャットハウス・猫用遊具です。猫好きな商工会職員の北原氏のアイデアをもとに商品化されました。ホームページを見るとわかりますが、さまざまなメディアで「にゃん☆ハウス」は取り上げられています。猫好きな利用者の方から、商品に対する感謝や絶賛の声があがっています。

ところで、ここからが興味深いのですが、知的所有権実践会のメンバーにはこの商品と関係した事業を行っている事業者はいません。都賀町商工会の会員企業の紙器製造会社の協力等は得ていますが、既存商品から事業化されたわけではありません。マーケットインの立場に立って新たに開発した商品であり、対外的な権利保護のため知的財産権を取得したものです。

現在、「にゃん☆ハウス」は完売が続き、製造が追いつかない人気商品となっています。今後、知的所有権実践会では、事業の拡大を目指すため、事業主体となる団体を新たに設立する予定です。

代表者の佐藤氏は言います。知的財産権を利用したビジネス展開は、「要は、少しのアイデアと情熱があれば、誰でもできる」と。力強い言葉です。皆さんもトライしてみる価値がありそうですね。


さて、中小企業の知的財産に係る全国的な相談窓口としては、「知財総合支援窓口」があります。中小企業等が経営の中で抱えるアイデア段階から事業展開までの知的財産に関する相談事を支援担当者が一元的に受け付け、ヒアリングにより経営課題を把握し、その課題に対応した知的財産活動を提案しています。

全国各地域57か所に「知財総合支援窓口」は設置されています。外部技術とのマッチングや知財を利用した企業の海外展開支援も行っています。興味のある方は是非ご利用ください。


【参考URL】
都賀町商工会「知的所有権実践会」
http://www.shokokai.or.jp/09/0936810034/index.htm
知財総合支援窓口/知財ポータル
http://chizai-portal.jp/index.html



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