商工会 100万会員ネットワーク COMPASS CLUB
 
スペース
コンパスクラブ コンパスクラブTOP 商い知っ得情報TOP 地域情報TOPページ
スペース
スペース
現在のPAGE

あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=11年12月「創業の実態と問題点」

現在のPAGE
スペース
不況を乗り切る施策利用のススメ!今月の施策ピックアップ!
スペース

「創業の実態と問題点」

  最近、受給年齢の引き上げや年金受給額の減額など年金についてニュースで取りざたされています。もし、定年の年齢と年金受給年齢にかい離があれば、その間の収入源は年金受給予定者が自ら確保しなければならず、高年齢者の再就職は今後わが国において、大きな課題になりうると思います。それと同時に、収入源確保の方法として、中高齢者の創業(シニア創業)が今後増えるのではないかと思っています。
  2011年版中小企業白書によると、わが国の開業率は、1980年代から低下し、1990年代後半から持ち直したものの、近年低迷しており、依然として長期的に増加傾向にある廃業率を1980年代末から下回る状況が続いています。
  創業というものは、既存企業の経営者にとって決して無縁なものではなく、FCビジネスやその他BtoB(企業間取引)を行う企業において創業企業は潜在顧客となり、新規事業、特に既存事業とシナジー効果を生まない新規事業を行う経営者にとっては学ぶことも多いのではないかと思います。
   創業経営者であれば企業の立ち上げ、つまり創業を誰もが経験します。既存企業の経営者も自身の創業時を振り返り、現在の創業を知ることによって、今後の事業展開を考えてみることも必要ではないでしょうか。今回は現在の創業の状況について見てみましょう。


1.創業の実態

まず、最近の創業の実態を見ていきます。

日本政策金融公庫の総合研究所が毎年、「新規開業実態調査」というものアンケート調査を行っています。この調査は、日本政策金融公庫国民生活事業が融資した企業のうち、融資時点で開業後1年以内の企業(開業前の企業を含む)を対象としたものです。

このうち、開業費用と開業時平均年齢の推移を見ると、以下のようになっています。

<図:開業費用と開業時平均年齢の推移>

図解説

(出典:2010年度新規開業実態調査)


1,500万円前後で推移していた開業費用(平均値)が2008年に大きく減少しました。これは、サブプライムローン問題に端を発した2008年9月に米国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻(いわゆるリーマン・ショック)したことが影響しているものと思われます。この当時の中小企業政策の重点は景気対応緊急保証の創設等、中小企業の資金繰り対策であったことは前回のコラムで見ました。

開業費用(中央値)は、90年代から緩やかに減少しています。これは、コンサルタント業やWeb制作等といった小資本で始められる創業が多くなってきたこと、デフレ経済の進展などが影響しています。これに対する裏付けとして、500万円未満の開業資金での創業は、1994年を谷として年々増加しており、2010年では全体の38.0%を占めています。ただし、この38.0%も、あくまでこのアンケートの対象者(国民生活事業が融資した企業)の結果なので、自己資金のみで開業した創業者(国民生活事業から融資を受けていない企業)を含めて調査すれば、開業費用は上記の平均値や中央値から相当下がることが予想できます。

開業時平均年齢については、年々増加していますが、これは2007年に39.5%を占めていた30年代での開業が年々減少していることが起因しています。2010年で見ると、29歳以下が8.7%、30歳代が35.6%、40歳代は29.2%、50歳代が18.9%、60歳代が7.7%となっています。冒頭でもお話ししましたが、年金問題やわが国の人口ピラミッドの形状などから今後は高年齢にボリュームゾーンがシフトしていくでしょう。

その他、新規開業の実態は次の通りです (日本公庫総合研究所「2010年度新規開業実態調査」)。


  • 開業形態:個人企業(60.4%、↓(前年度と比べ「減少」、以下同様))、法人企業(39.6%↑)
  • 業種:医療・福祉(15.7%↑)、対個人サービス業(13.9%↓)、小売業(13.9%→)、飲食店・宿泊業(12.9%↑)、対事業所サービス業(9.4%↑)、建設業(8.9%↓)、卸売業(8.1%↑)、製造業(4.7%↓)、運輸業(2.5%↓)
  • 資金調達額(2006年度旧国民公庫以外):自己資金(445万円:50.3%)、民間金融機関(187万円)、配偶者・親・兄弟・親戚(161万円)、知人(91万円)

2.創業に関する問題点

次に、全国商工会連合会が創業塾修了者に行った追跡アンケートの調査結果を通じて創業に関する問題を見てみます。

まず、創業に至るまでに問題となったこと(複数回答)ですが、これは、「マーケティング、つまり営業・取引先・顧客開拓に関すること」が51.8%で、「資金調達に関すること」が38.0%、以下「技術・専門知識に関すること」「人材の確保に関すること」「許認可、手続き等に関すること」などと続いています。

次に、創業後発生している問題(複数回答)については、「売上の確保」61.5%、「利益の確保」48.8%、「取引先の確保」32.6%というおもに販売にかかわることに問題を感じている方の割合が高くなっています。これは、創業前の読みと現実に隔たりが多かったということが推測できます。創業については、実績のない分、ビジネスプランやマーケティングに力点を置くと同時に、市場調査や情報収集の手法等も求められます。

その他の創業後の問題点として、「資金調達」「情報化への対応」「適切なアドバイザーがいない」「従業員の育成・確保」と続いています。

また、創業の目途が立っていない、断念した、計画していない等の創業に至らなかった理由(複数回答)を見てみると、「事業計画が未完成」46.7%「まだ自信がない」35.4%で、以下「経営ノウハウの不足」「現在の仕事が辞められない」「採算のめどが立たない」「資金調達がうまくいかない」「家族・親戚の事情」「取引先の開拓ができない」「商品化ができない」「事業計画どおり人材が確保できない」と続いています。

ただ、「まだ自信がない」「採算のめどが立たない」といった回答も結局は「事業計画の未完成」が起因となっていると考えられるため、事業計画(ビジネスプラン)を作成できるかが創業実現の一つポイントととらえることができます。

<図:創業後発生している問題>

図解説

(出典:全国商工会連合会「創業塾」修了者に対する追跡アンケート(2010年調査)複数回答)


以上問題点を見てきましたが、これは創業だけではなく、既存企業でも同様だといえます。特に、創業後発生している問題は多くの既存企業でも直面している問題です。

既存企業の場合、顧客がすでに存在していますが、既存顧客の存在が当たり前すぎて、既存顧客の変化に気付きにくいことも多く、そのため既存顧客に対するケア、たとえばアンケート調査などの情報収集を定期的に行うことも有効となります。

事業活動、特に販売活動はズルをしてもよい試験のようなものです。「買う・買わない」といった答えを持っている顧客から答えを訊くことができますし、特許等に関わることなど一部を除き、他の企業の成功例をマネすることも全然構いません。

創業予定者で自身の事業内容に強い自信を持つあまり、答えを持っていると思われる潜在顧客に全くリサーチを行わない人がいます。これほど怖いことはありません。売れるかどうかわからない商品や支持されるかどうかわからない事業に資本を投下するわけですから、リスクをなるべく避けるため、「創業前にできることはなるべくやっておく」、このことが重要です。



コラムEND
スペース
スペース スペース
平成23年度版施策知識分野別施策利用情報

分野別施策利用END

スペース
商工会 100万会員ネットワークEND
バックナンバー一覧ページTOPバックナンバー一覧