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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=11年11月「中小企業政策の変遷と今後」

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「中小企業政策の変遷と今後」

  国、企業、地方が一体となり、足下の危機を乗り越え、ゥ課題を解決し、時代の大きな変化に対応した経済・産業を実現するため、経済産業省から「経済産業政策の課題と対応」が公表されました。
  政策というのは、政府などの方策ないし施政の方針のことですが、そのうち中小企業支援に対する政府(国)の方針を「中小企業政策」といいます。さらに、その政策を実現するために設けられた具体的な支援策を「中小企業施策」と呼びます。
  中小企業政策は戦後の時代背景に応じた変化対応を行ってきました。当初からあるもの、また一定期間設定されるもの等、まさに中小企業政策の変遷は戦後の日本経済に連動した流れを有しています。


今回はこのような中小企業政策の変遷と今後の政策の方向性を示している「経済産業政策の課題と対応」について触れたいと思います。


1.中小企業政策の変遷

中小企業政策というものがどのような変遷を辿ってきたのか、簡単にその流れをみていきましょう。

まず、戦後「復興期」の昭和23年(1948年)、中小企業庁が設置され、わが国の中小企業政策はこの時期に金融、組織、診断・指導の3つを大きな柱として体系化が図られました。

昭和30年(1955年)以降、「高度成長期」に入ると、昭和38年(1963年)に中小企業基本法が制定され、産業政策の一環として設備近代化助成による中小企業近代化・高度化政策等に重点が置かれることとなりました。

その後、昭和48年(1973年)の第一次石油危機を契機とする「安定成長期」には、人材育成や技術力向上、情報化等のソフト面を重視した業種全体としての近代化政策や経済環境変化を受けた事業転換政策、地域振興政策に重点が置かれるようになりました。

昭和60年(1985年)のプラザ合意を契機とする「転換期」には、構造転換、産業集積政策、さらに「バブル崩壊」以降の開業率の低下や大競争時代の到来等を背景として、創業や新分野進出、技術力の向上、産業集積の活性化を目的とした創業・新規事業支援に重点が置かれるようになりました。

平成11年(1999年)の中小企業基本法の全面改正後の中小企業政策の重点は、金融セーフティネット、事業再生、創業支援、経営革新支援となりました。平成17年(2005年)には中小企業新事業活動促進法施行を受けた新連携支援や平成18年(2006年)の中小ものづくり高度化法、平成19年(2007年)の中小企業地域資源活用促進法、平成20年(2008年)の農商工等連携促進法の施行による各種の支援が政策の重点とされてきました。さらにリーマン・ショックを契機とした世界的な金融危機の際、中小企業政策の重点は、景気対応緊急保証の創設等、中小企業の資金繰り対策に力点が置かれました。

そして、今年(2011年)3月には、不幸にも東日本大震災が起こってしまい、中小企業政策の重点は現在、金融支援を中心とした復旧・復興支援となっています。

以上のように、中小企業政策は、その時代の経済情勢や中小企業が置かれている立場を勘案しながら時代とともに変遷を重ねてきているのです。

<図:中小企業政策の変遷>

図解説

(出典:2011年版 中小企業白書)


2.経済産業政策の課題と対応

冒頭にもお話ししましたが、経済産業省が所管する産業構造審議会において、「平成24年度経済産業政策の課題と対応(以下、経済産業政策の課題と対応)」がとりまとめられました。

経済産業政策の課題と対応は「わが国が直面している課題」「政策の柱と方向性」と「政策の柱と方向性」を受けた具体的な施策から構成されています。

<図:経済産業政策の課題と対応>

図解説

(1) わが国が直面している課題

「経済産業政策の課題と対応」で示されている「わが国が直面している課題」は次のとおりです。


@エネルギー安定供給の揺らぎ → “石油危機以来のエネルギー不安”

東日本大震災により、これまでわが国のエネルギー政策を支えてきた原子力の安全性について、国民の信頼が大きく失われました。また、震災は、電力、石油、ガスといったエネルギーインフラの使用停止ないし制約をもたらし、危機時のエネルギー供給のあり方に疑問符を突きつけました。さらに、電力の供給不足の長期化と料金の高騰の懸念は、将来の産業活動や国民生活に不安をもたらしており、わが国は“石油危機以来のエネルギー不安”に直面しています。

A産業は「6重苦」→ “後戻りできない空洞化”の危機

リーマン・ショック以降、わが国経済は停滞し、国内産業は、「円高」「法人税」「新興国の低賃金」「環境制約」「経済連携の遅れ」といった、いわゆる「5重苦」を背負い、深刻な行き詰まりに直面してきたと言われています。こうした局面を打開すべく出された「産業構造ビジョン 2010」や「新成長戦略」の提案が十分に実現されないうちに、本年3月11日、東日本大震災とこれに伴う原子力発電所事故が発生し、生活基盤、社会インフラ、地域経済、日本経済全体は大きな被害を受けました。特に、大規模な電力供給不足は、産業界に更なる難題を課し、「6重苦」の状態をもたらしたとも言われています。こうした状況下、従来から進行していた海外への生産拠点や研究開発拠点の移転は、更に加速化することが懸念されています。他方で、海外からの日本への新たな立地は進まず、このままでは、日本の成長や雇用を支える重要産業や戦略技術までもが海外に移転し、恒久的に産業が失われてしまう “後戻りできない空洞化”に至るという危機に直面しています。また、こうした大企業の海外流出は、中小企業など裾野産業の衰退をも招きます。

B世界の動きは待ったなし → “世界の成長からの脱落”の危機

世界に目を転じてみれば、世界中の企業が、成長著しい新興国市場を狙い、日々、熾烈な争奪合戦を繰り広げています。また、化石燃料やレアアースなどの希少鉱物をめぐり、国際的な資源確保競争は激しさを増しています。一方で、米国等の世界経済の減速懸念や欧州財政問題等を背景に急速な円高が進行しています。

こうした厳しい国際競争の中で、政府主導の徹底した経済連携の推進、国境を越えたグローバルな企業再編、官民一体となった市場獲得戦略など、多くの国や企業において、成長と雇用を求めて、時には官民が一体となり、戦略的な対外経済政策・産業政策が展開されています。国際経済秩序の変動をうまくとらえ、新たな成長や雇用を享受することができるか、それとも、後手の対応となり、環境変化の中で過去に構築した産業や雇用を流出させていくことになるのか、今、わが国が問われています。

昨年来、政府は、こうした認識を共有し、国を開き、世界とともに発展する道を追求してきました。しかし、震災以降、国内の重要課題への対応を余儀なくされ、対応が後手に回っていることは否めません。一方で、世界は待ってくれず、大市場国との経済連携の締結など、各国政府は活発な動きを見せています。再び国を開く政策を推進しなければ、わが国は“世界の成長から脱落”するという危機に陥っています。


(2) 政策の柱と方向性

上記の課題を受け、国では以下の4本柱の経済産業政策に取り組むこととしています。

@原子力事故・震災から立ち直る

東京電力福島第一原子力発電所事故の早期収束と被災者支援に全力で取り組みます。また、「東日本大震災からの復興の基本方針」に基づき、被災した中小企業やサプライチェーンの立て直し、二重ローン対策や資本が毀損した企業への対応、施設・設備の再建など、総力を挙げて震災からの復興に取り組みます。その際、「日本経済の再生なくして復興なし」との考えの下、空洞化対策としての国内立地支援、将来の成長や雇用のタネとなる研究開発拠点の整備などを併せて進めます。

Aこれまでのエネルギー政策を反省し、聖域なく見直す。企業や国民の信頼を取り戻す。

最優先事項として、当面の電力供給不足への対応に万全を期します。

中長期的には、原子力政策の見直し、電力システムの改革、資源・エネルギー安定供給体制の抜本的強化、持続可能な省エネルギーの実現に向けた取組や再生可能エネルギーの導入などを進めるとともに、最適なエネルギー管理を行う「スマートコミュニティ」などを進め、「安全性」と「安定供給」「経済効率性」「環境適合」を確保したエネルギーの新たなベストミックスを構築します。こうした政策の実施は、次の柱である産業や雇用の空洞化対策そのものでもあり、また、最後の柱である新たな成長の実現を生み出す源ともなります。

B急激な円高、空洞化に立ち向かい、日本経済の課題の解決に取り組む

現下の急激な円高や電力需給問題による急速な産業の空洞化に緊急的に対処するため、サプライチェーンの中核企業など日本経済やわが国の雇用を支える重要技術・産業の生産・研究拠点の国内立地を促進します。また、地域経済を支える中小企業を支援します。

その上で、法人税減税、経済連携の推進、アジア拠点化の推進など、企業が日本国内に立地し、産業や雇用が守られるよう、「政策推進の全体像」において位置付けられている「新成長戦略」が示した処方箋をしっかりと実現していきます。

C内需活性化、グローバル化、イノベーションによる新たな成長の実現

少子高齢化が進む中で、我が国経済が持続的な成長を実現していくためには、新しい内需やグローバル市場を見据えたビジネス・産業を推進していくとともに、国を開き、新興国等の需要を取り込むことが不可欠です。

このため、内需拡大、世界に先駆けた新市場の創出、官民一体となった新興国市場の獲得、革新的な技術改革、中小企業の潜在力活用、戦略的経営力の強化といった取組を強化していきます。


以上、今後の中小企業政策の方向性を示す「経済産業政策の課題と対応」をみてきましたが、経済産業省の平成24年度概算要求については、上記の考え方を受けた重点的な配分を行うこととしています。



今わが国の経済は大きな岐路に立たされています。海外を発端とする金融不安や急速な円高、そして大震災からの復旧・復興。これら障害を乗り越えていくために、知恵と勇気が求められています。

国は、中小企業を「経済を牽引する力」として、中小企業に大きな期待を寄せています。日本企業の大多数を占める中小企業、中小企業の活力なくして、上記のような障害を乗り越えていくことはできません。事業を進めるために有用な施策を活用しながら、それぞれの中小企業が持ち味をうまく出していくことが必要となっています。



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