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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=11年9月「中小企業の海外展開支援」

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「中小企業の海外展開支援」

  日本経済は、少子高齢化や環境・エネルギー問題等による、いわゆる構造的な課題を抱え、長期的に大きな経済成長は見込めない状況にあります。一方、海外に目を転じると、中国などの新興国を中心に高い経済成長が続き、今後も大幅な経済発展が見込まれています。


近年、中小企業の総数が減少している中で、自ら直接輸出を行っている企業数は増加していますが、まだ中小企業の割合はそれほど高くはありません。ただ、グローバル化の進展によって、ワールドワイドでの競争激化は着実に進んでおり、業種による差はあるものの、海外展開を行うことは中小企業にとっても経営戦略の重要な選択肢となってきました。また、海外でのビジネスを行う上で、投資による海外展開を希望する中小企業も少なからず存在しており、このような企業を含め、海外展開を支援することが中小企業政策の一つの柱となってきました。


このような状況の中、昨年10月、中小企業の海外展開を円滑に支援するため、経済産業省に中小企業海外展開支援会議(以下、本会議)が設置されました。本会議では本年6月に中小企業海外展開支援大綱(案)を作成しましたが、この内容を通じて、中小企業に対する海外展開支援の今後の方向性をみていきたいと思います。


1.中小企業の海外展開の現状

リーマン・ショックを契機に世界経済は急速に悪化し、わが国経済も大きな打撃を受け、景気が回復しきらない中で、東日本大震災や急激な円高の進行によって、わが国経済は更なる打撃を受けています。人口減少下のわが国市場は、中長期的な拡大が見込めない状況で、アジアをはじめとする新興市場を取り込むことは、中小企業にとっても重要となっており、今後、積極的に海外展開を進めていくことも必要と言えます。


中小企業庁の調査によると、中小企業は、国外に財・サービスを販売・提供しているかどうかにかかわらず、消費地として国外について魅力を感じている割合は高くなっています。

<図:中小企業の海外市場に対する認識>

図解説

(出典:中小企業庁「中小企業の海外展開について」平成23年6月)


海外展開のきっかけとしては、「取引先の生産拠点が海外に移転した」(23.3%)といった受動的なものばかりではなく、「自社製品に自信があり、海外市場で販売しようと考えた」(38.0%)、「国内の販売が伸び悩んだため、海外市場に打って出ようと考えた」(21.0%)という前向きな理由も多くなっています。

直接輸出を行っている中小企業数(製造業)は約5,600社で、そのうちの約半数が加工組立業で、加工組立業は近年着実に増加しています。中小製造業に占める輸出企業の割合は2.4%で、これが中小加工組立業では4.7%が輸出企業となっています。

輸出企業の割合は、地域別にみると、関東(2.9%)、近畿(2.8%)で高く、企業の規模別にみると、中小企業では大企業と比較してアジア向けの輸出の割合が高くなっています(アジア向け輸出:大企業40.4%、中小企業65.8%)。

海外に子会社を持つ中小企業数は、約5,700社で、約半数が製造業となっています。中小企業全体に占める直接投資企業(海外に子会社または関連する会社を保有する企業)の割合は、0.51%にとどまっていますが、業種別にみると、製造業で1.36%、情報通信業で1.23%と他の業種よりも高くなっています。

海外市場のニーズとしては、アジア、欧米ともに、現地の主要販売先が「機能・性能の高さ」を「とても重視する」、「やや重視する」と認識している企業の割合が9割を超えており、価格の安さを重視する割合よりも高くなっています。この点をみる限り、「Made In Japan」が健在していることがわかります。


以上みてきたように、海外展開を行う中小企業は輸出製造業が中心となっていますが、結婚式場等による海外でのサービスの提供や食料品店の進出のような事例もあり、積極的に海外市場を開拓しようとする中小企業は今後増えていくものと思います。


2.中小企業の海外展開支援のための重点分野

冒頭にお話しました本会議では、これまでに市町村等の関係機関や約 5,000 社の中小企業からのヒアリングを行ってきた結果、当面、以下の 5つの分野において重点的に中小企業の海外展開を支援していくこととしています。


<図:中小企業の海外展開支援のための5つ重点分野>

図解説

詳細は以下のとおりです。


(1) 情報収集・提供

@中小企業が必要な情報をきめ細かく、分かりやすく提供

中小企業が海外展開を行う上で必要な市場の状況や商慣習、制度等に関する情報を収集分析し、きめ細かく、分かりやすく提供します。

A組織を超えた支援記録の共有と一貫した支援

支援機関が、具体的に海外展開を目指す中小企業に対して行っている支援内容を相互に共有し、一貫した支援を行います。

(2) マーケティング

@商品開発やブランド化の支援

中小企業が海外市場を見据えて行う商品開発やブランド化を支援します。また、海外市場の動向、ニーズ、商慣行、基準等の産業事情に知見のある専門家を活用して、現地企業に受け入れられやすい商品開発等を支援します。

A安全・安心等の信頼性の確保

原子力発電所の事故発生以来、風評被害対策、工業品・食料品等の輸出を支援するため、外国政府等に対し適切な情報提供を行い、科学的根拠に基づく対応を要請するとともに、国内の検査体制の充実や検査支援など風評被害対策及び工業品等の輸出を確実に支援していきます。

特に、食分野については、これまでの「安全で高品質」という評価を回復するため、正確な情報発信を行い諸外国による日本産食品輸入規制の緩和を働きかけるとともに、安全性のアピールを重点的に実施します。

B海外バイヤー等の招へい及び国内展示会への出展

海外有力バイヤー等を招へいすることにより国内で商談機会を提供するとともに、それらバイヤー等が訪れる各種国内展示会への中小企業の出展を支援します。

C海外展示会への出展及び海外ミッションの派遣

海外の有力な展示会への出展を支援するとともに、有望な海外市場にミッションを派遣します。その際、十分な準備期間を確保する一方で、中小企業の要望を踏まえて機動的かつ柔軟に対応します。

Dインターネットを活用した新規市場開拓支援

中小企業のビジネスリスクを低減する観点から、インターネットを活用した海外企業との商談支援の強化を図るとともに、インターネットを介した国際取引のノウハウ、トラブル回避策等を提供します。

(3) 人材の育成・確保

@海外展開に対応できる人材の育成

中小企業の中で海外バイヤーとの商談や海外投資などの海外展開に的確に対応できる人材を育成するため、セミナーの開催や研修機能の強化を行います。

A海外展開に必要な人材の確保

輸出や投資に必要な知見や有用なネットワーク、技術を有する即戦力として、海外ビジネス専門家(OB 人材)や外国人留学生等を活用できるよう支援します。

(4) 資金調達

@金融面の相談体制の充実

海外展開で重要な課題となる金融面における負担を軽減するため、わが国内外において金融関係の相談窓口を広く設置し、関係機関が連携しつつ、専門的相談を可能にします。

A資金調達の円滑化

中小企業が海外展開する際の資金調達を支援するため、融資条件の緩和や現地通貨での資金調達を容易にするとともに、リスクに対する保険機能の強化を行います。

(5) 貿易投資環境の改善

@海外拠点設立のために必要な情報の提供

多くの中小企業が進出を希望する国・地域の投資環境に関する情報の提供や必要な施設の確保を行います。

A海外展開に伴う法務、税務、労務、知財保護、技術流出防止の支援

海外展開に係る税務や労務等に精通した専門家を確保するなど、相談体制を構築します。また、技術流出防止マニュアルを作成します。

B貿易投資の円滑化

貿易投資の円滑化に必要な行政手続きの簡素化、制度の利便性の向上や事業活動に必要な現地政府との関係構築を支援します。


中小企業の海外展開支援は「中小企業憲章」に明記されたように、中小企業政策の大きな柱の一つと言えます。また今後のことを考えると企業の海外展開自体が国策という位置づけになると思います。そのため、上記に関する支援施策が今後拡充・新設されていくことでしょう。積極的に海外の市場を狙うのであれば、これら施策の活用を早めに検討しておくことも良いです。



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