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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=11年8月「倒産回避と経営セーフティ共済」

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不況を乗り切る施策利用のススメ!今月の施策ピックアップ!
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「倒産回避と経営セーフティ共済」

  企業が人間だとすると、資金は血液と言えます。資金が流れる道筋が血管であり、どこかでその血管がつまれば、人間(企業)は危ない状態になります。このため、資金の流れを監視することはとても重要で、キャッシュ・フロー(資金の流れ)を重視する経営が脚光を浴びるのもうなずけるわけです。
  ただ、人間と違って企業活動は他の企業等とのつながりで成立していることが多いので、資金的な面から見ても、他の企業とのつながりは軽視ができません。よく「連鎖倒産」などという言葉を耳にしますが、まさにこの連鎖倒産はつながりのある企業が倒産することによって、取引企業等がまるでドミノ倒しのように倒産することを言います。
  連鎖倒産を防止するため、中小企業の資金の流れを止めないために、国では「中小企業倒産防止共済(愛称:経営セーフティ共済)制度」というものを設けています。
  今回はこの制度について触れたいと思います。


1.中小企業倒産防止共済制度の概要

中小企業倒産防止共済制度は、取引先企業の倒産の影響によって、連鎖倒産したり、著しい経営難に陥るなどの事態を防止するための共済制度で、制度の対象は、1年以上継続して事業を行っている中小企業の方です。この共済制度の仕組みは次のとおりです。

<図:中小企業倒産防止共済制度の仕組み>

図解説

加入後6カ月以上経過して取引先企業が倒産した場合、売掛金や受取手形などの回収が困難となった額と、積み立てた掛金総額の10倍に相当する額のいずれか少ない額の貸付が受けられます。貸付限度額は3,200万円(現行限度額)です。

この場合の共済金の貸付にあたっては、担保・保証人は不要で、貸付は無利子です。ただし、貸付を受けた共済金の10分の1に相当する額が掛金総額から減額されます。また返済期間は5年で、うち据置期間6カ月の毎月均等返済となり、反復利用も可能です。

毎月の掛金は掛金月額が5,000円から80,000円の範囲内(5,000円きざみ)で設定でき、加入後増額することもでき、掛金総額が320万円まで積立可能です。

また、この共済は税法上の特典があり、毎年の掛金は個人の場合は必要経費に、または法人の場合は損金に算入できます。

なお、取引先企業が倒産していない場合は、共済金の貸付を受けることはできません。ただし、事業資金の貸付を受けたい場合には、取引先企業が倒産していなくても払い込んだ掛金の範囲内で事業資金の貸付が受けられる「一時貸付金」制度があります。


中小企業倒産防止共済制度は、昭和53年の制度発足以来、順調に普及し、平成22年3月末現在で在籍件数が約30万件となっています。また、共済金の貸付は、累計で約26万件、約1兆8000億円となっています(平成22年3月末現在)。この制度は、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が中小企業倒産防止共済法に基づいて運営しています。


中小企業倒産防止共済制度については、貸付金制度(共済貸付・一時貸付)があること、必要経費または損金に算入できるという点から、融資・節税の両面で中小企業による利用が促進されています。また、貸出までに要する期間が一般の融資制度に比べて短いというのもメリットとされています。


2.中小企業倒産防止共済法の改正

中小企業倒産防止共済法が改正され(以下、改正法)、平成23年10月ごろまでに次の内容が実施されます。特に「貸付限度額等の改正」は、上記で見た制度内容の改正ですので、改正後はこちらの内容となります。


(1) 共済金の貸付限度額等の改正

改正される内容は、以下の表のとおりです。なお、掛金はこれまでと同様、全額必要経費・損金に算入できます。

<表:中小企業倒産防止共済制度の改正内容>

図解説

(2) 早期償還手当金の創設

改正法において、新たに「早期償還手当金(共済契約者が貸付を受けた共済金を返済期限よりも早期に返済した場合に、その前倒しして返済した期間に応じて支払う手当金)」が創設されました。早期償還手当金は、次の@〜Bの条件をすべて満たす共済契約者に支給されます。


  @繰上返済によって当初の約定完済日よりも12ヶ月以上早く完済していること。

  A完済日において共済契約を解約(脱退)していないこと。

  B繰上返済した共済金貸付契約の返済を一度も延滞していないこと。


また、早期償還手当金の額は、次の計算によって求めます。

  早期償還手当金の額=共済金の額(貸付額)×早期償還月数別の手当金率

【例】

5,000万円の共済金を返済期間6年で貸付けを受けた後、2年後に全額繰上返済を行った場合(この場合の早期償還手当金率は、1.60%)
早期償還手当金の額=5,000万円×1.60%=80万円


(3) 申込金の廃止

共済契約の申込時に申込金(1ヶ月分の掛金)を義務づけていましたが、申込者の手続の煩雑さ等に鑑み、改正法で廃止されたことから、申込金は不要となります。


なお、中小企業倒産防止共済法の改正と同時に、小規模企業共済法も改正されました。小規模企業共済制度は、小規模企業者のためのいわば「退職金」制度です。厳しい経営状況に置かれている個人事業主のセーフティネットを整備するため、今回の改正により、共済制度の加入対象者を、個人事業主の配偶者や後継者を始めとする「共同経営者」まで拡大されました。



2011年版中小企業白によると、2009年ごろを境に中小企業全体の倒産件数は、減少しつつあるものの、従業者数4人以下の中小企業においては、倒産件数が月800件前後で推移しており、規模別で見た場合、従業者数4人以下の中小企業では倒産件数は多いと言えます。また、業種別に見ると、建設業では、緩やかな減少傾向にあるものの、依然として高い水準が続いています。

震災以降の動きを見ると、震災による倒産は、発生3か月で97件、うち直接被害によるものは12件でした。震災直後は、直接被害よりも間接被害の方が多くなっていましたが、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災では、直接被害による倒産件数が増加したことを踏まえると、今後、直接被害による倒産が増加すると考えられています。


前回のBCP(事業継続計画)もそうでしたが、企業の危機回避のために中小企業倒産防止共済制度のような予防策を講じておくことは「転ばぬ先の杖(失敗しないように、万が一に備えてあらかじめ十分な準備をしておくこと)」になると思います。「いざというときの備え」を行っておくことはリスクマネジメントの原則と言えます。



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