商工会 100万会員ネットワーク COMPASS CLUB
 
スペース
コンパスクラブ コンパスクラブTOP 商い知っ得情報TOP 地域情報TOPページ
スペース
スペース
現在のPAGE

あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=11年7月「中小企業におけるBCPの重要性」

現在のPAGE
スペース
不況を乗り切る施策利用のススメ!今月の施策ピックアップ!
スペース

「中小企業におけるBCPの重要性」

  平時からの危機管理がいかに重要か、多くの企業が今回の大震災で再認識しました。それと同時に、BCPという言葉をたびたび目にするようになりました。

  皆さん、BCPってご存知ですか。今回の災害とこのBCPがどう関係しているのでしょうか。今回は今注目が高まっているBCPについて触れたいと思います。


1.BCPの内容

(1) BCPとは

BCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃等の緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

緊急事態は突然発生します。有効な手を打つことができなければ、特に中小企業は、経営基盤が脆弱なため、廃業に追い込まれるおそれがあります。また、事業を縮小し従業員を解雇しなければならない状況も考えられます。

緊急時に倒産や事業縮小を余儀なくされないためには、平常時からBCPを周到に準備しておき、緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることが重要となります。こうした企業は、顧客の信用を維持し、利害関係者からも高い評価を受けることができます。


(2) BCPの特徴

このBCPの特徴は、

@優先して継続・復旧すべき中核事業を特定する。

A緊急時における中核事業の目標復旧時間を定めておく。

B緊急時に提供できるサービスのレベルについて顧客と予め協議しておく。

C事業拠点や生産設備、仕入品調達等の代替策を用意しておく。

D全ての従業員と事業継続についてコニュニケーションを図っておく、ことにあります。

企業が大地震などの緊急事態に遭遇すると操業率が大きく落ちます。何も備えを行っていない企業では、事業の復旧が大きく遅れて事業の縮小を余儀なくされたり、復旧できずに廃業に追い込まれたりするおそれがあります。一方、BCP導入している企業は、緊急時でも中核事業を維持・早期復旧することができ、その後、操業率を100%に戻したり、さらには市場の信頼を得て事業が拡大したりすることも期待できます。


2.中小企業におけるBCPの重要性

日本政策金融公庫総合研究所  中小企業研究グループが、6月に中小企業動向トピックス「中小企業における事業継続計画(BCP)の重要性」を公表しました。ここに書かれている内容のポイントは次のとおりです。

災害の多いわが国では、万一災害に見舞われても被害を最小限に食い止める「減災」の視点が必要。

日本は災害の多い国である。1945 年以降、1,000 人以上の命が失われた自然災害が12回もある。地震や台風などの災害がいつ発生するか予測できない中、企業は生産設備の耐震補強など災害対策を進めてきているが、「事業継続という観点からすると、対策は遅れている」(内閣府「事業継続ガイドライン第二版」(2009 年))との指摘もある。

自社の中核となる事業を継続していくためには、日頃から危機管理の意識を強くもつほか、万一災害に見舞われても被害を最小限に食い止めるという「減災」の視点が必要になる。そこで注目されているのがBCPの策定である。


企業規模が小さくなるほど BCP は浸透していない。

内閣府が2009年に実施した「企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」をみると、BCP を「策定中」もしくは「策定済み」と回答した企業の割合は大企業で58.4%となっている一方、中堅企業は 27.2%にとどまっている。また、大企業のうちBCP を知らなかったと回答した企業は12.0%であるのに対し、中堅企業では45.3%に上る。企業規模が小さくなるほど、BCPの策定は進んでおらず、認知度も低い傾向にあることがわかる。

同調査ではBCPを策定しない理由についても尋ねているが、それによると、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」「策定する人手を確保できない」「法令、規制等の要請がない」といった回答が上位に挙がっている。


BCP 策定支援は少しずつ充実している。

人材や資金といった経営資源が限られる中小企業にとって、BCPの策定は決して容易なことではない。しかし、未曾有の震災を目の当たりにして、何らかの対策が必要と考える企業は少なくないはずである。また、取引先からBCPの策定を求められるケースも考えられる。

こうしたなか、中小企業のBCP 策定を支援するツールは少しずつ充実してきている。中小企業庁のホームページでは、実際の緊急事態を想定したシナリオに従ってBCP策定の流れをわかりや すく解説しているほか、必要事項を順番に入力していくことで BCPを策定できる「中小企業BCP策定運用指針」のサイトを開設している。また、BCP 策定のコンサルティングサービスを提供する金融機関も出てきている。日本政策金融公庫(中小企業事業)においても、BCPに基づく防災施設等を整備(改善及び改修を含む)するための設備資金を低利で融資する社会環境対応施設整備資金の制度を用意している。

東日本大震災による企業活動の停滞やサプライチェーンの寸断の影響は、世界経済にも波及し、図らずも日本企業の存在感を内外に示すことにもなった。海外勢との競争が厳しさを増すなか、緊急事態に迅速に対応できる態勢の構築は、日本企業の強さを維持するために不可欠といえそうである。


3.中小企業BCP策定運用指針

最後に、上記で出てきた「中小企業BCP策定運用指針」をみておきましょう。

この指針は、中小企業の経営者が、従業員と一緒に、自社のBCPを策定し、日常的に、運用するとともに、緊急時に備えてBCPの発動の予習を行うための指針です。中小企業が投入できる時間と労力に応じて、3通りのコースが用意されています。


(1) 策定・運用の流れ

BCPの策定・運用にあたっては、まずBCPの基本方針の立案と運用体制を確立し、日常的に策定・運用のサイクル(@事業を理解する、ABCPの準備・事前対策を検討する、BBCPを作成する、CBCP文化を定着させる、DBCPのテスト、維持・更新を行う)を回すことがポイントとなります。中小企業BCP策定運用指針では、この策定・運用の流れに従って、その実践方法を説明しています。


(2) コースの種類と内容

@

基本コース

BCPの策定・運用を始めようとする多くの経営者向けのコース(BCP策定に要する日数の目安:経営者1人で延べ1〜2日程度)

A

中級コース

BCPの策定・運用について、理論を学びつつ確立したい経営者にお勧めするコース(BCP策定に要する日数の目安:経営者1人で延べ3〜5日、経営者とサブリーダー含め数人で2〜3日)

B

上級コース

中級コースでBCPを策定・運用済みの経営者が、複数の企業と連携して取り組んだり、より深い分析を行ってBCPを策定・運用したりするためのコース(BCP策定に要する日数の目安:経営者とサブリーダー含め数人で延べ1週間程度)


(3) 中小企業BCPの要点

特に中小企業のBCPで重視したい点として、指針では次の4点をあげています。

@

企業同士で助け合う

中小企業では、日常的に業務を分担したり、情報交換したりと助け合いの中で事業を行っています。緊急時において同業者組合や取引企業同士、被害の少ない企業が困っている企業を助ける、そのことが結局は自社の事業継続にもつながります。

A

緊急時であっても商取引上のモラルを守る

協力会社への発注を維持する、取引業者へきちんと支払いをする、便乗値上げはしない、こうしたモラルが守れないと、企業の信用が失墜し、工場や店舗が直っても事業の復旧は望めません。

B

地域を大切にする

中小企業では、顧客が地域住民であったり、経営者や従業員も地域住民の一人であったりします。企業の事業継続とともに、企業の能力を活かして、被災者の救出や商品の提供等の地域貢献活動が望まれます。

C

公的支援制度を活用する

わが国では中小企業向けに、公的金融機関による緊急時融資制度や特別相談窓口の開設などの各種支援制度が充実しています。これら制度を積極的に活用することが望まれます。


具体的な指針の内容やBCPの様式類等は、以下の参考URLをご覧下さい。

<図:中小企業BCP策定運用指針サイト>

図解説

URL:http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html


「災害は忘れた頃にやってくる」とよくいったものですが、忘れているから災害被害も大きくなるのではないでしょうか。そのため、日ごろの避難訓練や災害対応マニュアルの見える化や浸透といったことが非常に重要となります。


今回の東日本大震災による大津波で死者が一人も出なかった村があります。それは岩手県の北東部に位置する、三陸海岸沿いの普代村です。村には高さ15.5mの普代水門や太田名部防潮堤があり、これらが決壊しなかったため、村への浸水被害を最小限に抑えることができたのです。普代村は過去に二度、大津波によって多くの犠牲者が出たそうです。このことに危機感を抱いていた和村元村長(故人)が莫大な費用(約36億円)がかかるため反対する意見も多い中、15.5mもの高さの水門・防潮堤の建設を断行したのです。

普代村のように、最悪を想定した上でトップが率先して事に取り掛からないと、重要なことは実現できません。つまり、強いリーダーシップが必要なのです。また、危機意識を持つことが防災・減災対策の重要な要と言えます。


BCPは自然災害等の緊急事態に遭遇した際に事業の継続を図るための事前の取組なのですが、ルーチンワークから非常に遠い存在であるため、目の前の仕事が優先されがちになります。しかし、何が起こるかわからない時、その対処がうまくとれるかどうかは、素早い対応と事前の準備にかかっています。


BCP等のビジネスプランによるシミュレーションは事前の準備として、コストがそれほどかからず、またできあがったビジネスプランは、親事業者などの取引先や金融機関へ開示する資料としてこれから重要な位置づけになると思います。



コラムEND
スペース
スペース スペース
平成23年度版施策知識分野別施策利用情報

分野別施策利用END

スペース
商工会 100万会員ネットワークEND
バックナンバー一覧ページTOPバックナンバー一覧