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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=11年6月「販路開拓と国の支援策」

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不況を乗り切る施策利用のススメ!今月の施策ピックアップ!
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「販路開拓と国の支援策」

  わが国の中小企業施策は、東日本大震災の発生以来、復興対策の金融支援が急務となっていることから、現在のところ資金繰り支援に力点が置かれています。しかし、被災企業の中にも復興段階にばらつきがあり、カネやモノのような経営資源の確保支援から本格的な事業展開への支援を求める企業も出てきています。
  事業活動での重要な指標の一つに売上高があります。企業の経営成績を示す損益計算書は売上高がスタートとなります。その売上高は販売することによって増加します。このため、販売先(顧客)の確保や販路の開拓は、事業展開において特に重視すべき活動といえます。


国では、以前よりさまざまな販路開拓の支援策を実施していますが、その代表的な支援策について今回触れていきます。

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1.販路開拓とは

販路開拓という言葉は一般的によく使われているものですが、あらためて考えてみるとどういった意味があるのでしょうか。少し整理してみましょう。

デジタル大辞泉によると、販路には「商品を売りさばく方面。売れ口。はけ口」という意味があるそうです。売れ口は「売れて行く先(売れ先)」、はけ口(捌け口)は「物が買われたり、求められたりして移って行く先」ということです。

また開拓というのは、「@山林・原野などを切り開いて田畑や居住地・道路をつくること。A新しい分野・領域・進路などを切り開くこと」という意味がありますが、ここでの開拓はもちろん後者ということになります。つまり、販路開拓というのは、「商品の売り先を切り開くこと」ということになります。ここから、積極的に売っていくのだという姿勢と事を起こす力強さがイメージされます。

上記の販路開拓でポイントになるのが、まず「売り先はどこか」ということ、そして「どのように切り開くか」という2点です。売り先は標的顧客(ターゲット)の探索・選定、切り開く方法は販路の選定・開発ということになります。


おもに国の販路開拓の支援策は、試験的に販売し、ターゲットの反応を調査するテストマーケティングや販売先との直接的な結びつきの場を提供するビジネスマッチングが中心となっています。これら活動を通じて、中小企業は「販売先はどこか」また「どのように販路を切り開くのか」を検討し、発見することができます。そして「何を売るか」という点では、施策上、試作品開発も販路開拓支援に含まることが多くなっています。

<図:販路開拓と代表的な支援策の関係>

図解説

2.代表的な販路開拓支援策

最近の傾向として、販路開拓のキーワードとなっているのが「地域活性化」と「海外展開」です。地域活性化のため、地域資源を活かした商品を開発し、それらを大消費地である東京や大阪にいかに販売していくか、また確実に人口が減少していくわが国だけではなく、大きな市場となった中国をはじめとした海外市場への進出も国策となっています。

では国の販路支援策の代表例を取り上げたいと思います。


@小規模事業者地域力活用新事業全国展開支援事業

この事業は、地域の小規模事業者が地域力を活用して、新たな特産品開発や観光開発、地域の課題解決に資するコミュニティビジネスに関する取り組みを総合的に支援するもので、1)本体事業、2)調査研究事業、3)地域の魅力でおもてなし事業の3事業から構成されています。

本体事業は、地域の農水産品・文化・技術などを活かした特産品や地域の名所・施設・産業などを活用した観光商品の開発・販路開拓、さらに少子高齢化や過疎化などの地域の課題解決に資するコミュニティビジネスの構築・社会実験に対して支援するというものです(補助率:(1年目)2/3・(2年目)1/2、補助上限額(通常案件):(1年目)800万円・(2年目)600万円)。

調査研究事業は、平成24年度の本体事業実施を視野に入れ事業計画の策定を行うもので、地域の魅力でおもてなし事業は地域資源を活用した複数の特産品、観光資源等を束ねて一定期間に集中的に行う新たな集客型の販路開拓又は普及に関する事業を行うというものです。なお、平成23年度分地域の魅力でおもてなし事業は、平成22年度の採択案件(2年目の事業)からの募集のみとなっています。


A販路開拓コーディネート事業

販路開拓コーディネート事業は、優れた新商品(新製品・新技術・新サービス)を持つ企業の、マーケティング企画の策定及び首都圏・近畿圏におけるテストマーケティング活動を支援し、新たな市場開拓の土台作りを支援するというものです。テストマーケティング活動の支援とは、想定市場の企業に販路開拓コーディネーターが同行訪問し、市場の評価を把握、市場投入までの筋道を立てるための支援を行うものです。費用は、販路開拓コーディネーター1人・1開拓先への同行支援1回あたり、4,000円で、旅費やその他の費用の負担はありません。


BJAPANブランド育成支援事業

この事業は、中小企業の新たな海外販路開拓につなげるため、複数の中小企業が協働し、自らの持つ素材や技術等の強みを踏まえた戦略の策定支援を行うとともに、それに基づいて行う商品の開発や海外市場開拓の取り組みに対し支援を行うというものです。

具体的には、戦略策定段階への支援として、地域の強み・弱みなどを分析し、明確なブランドコンセプトと基本戦略を固めるため、専門家の招聘、市場調査、セミナー開催などを行う取組に対して支援を実施します(補助率:定額、補助上限額:500万円)。また、ブランド確立段階への支援として、中長期的な視野に立ったブランド確立への取組を支援するため、専門家の招聘、新商品開発、展示会出展等を行うプロジェクトに対し、最大3ヵ年にわたって支援します(補助率:2/3、補助上限額:2,000万円)。


C中小企業総合展(新市場創出支援活動事業)

この事業は、経営革新等に取り組んでいる中小企業等の成果を一堂に集め紹介し、ビジネスマッチングの場を提供するイベント事業です(出展料:国内中小企業ゾーンで105,000円/1小間)。

5月には大阪で「中小企業総合展 in Kansai2011」が開催され、3日間の開催期間に63,500人の来場者がありました。今回は東北復興支援ブースが設けられ、東北地方の中小企業も28社出展しました。次回は11月に「中小企業総合展 JISMEE2011」が千葉の幕張メッセで開催されます。



以上見てきたように、国の販路開拓支援策は、テストマーケティングやビジネスマッチングがメインとなっています。ただ、その中でインターネットを活用していたものは、法の認定等に基づく事業成果や下請中小製造業のマッチングなど限定的なものはありますが、多くの中小企業が活用できるものはありません。


東日本大震災で、早い時期に事業を再開できた中小企業もありますが、震災とともに販売チャネルを失い、販売先がないためなかなか事業を再開できない中小企業・小規模事業も多いのではないかと思います。

そのため、たとえば東北地方の被災地域の中小企業を対象に、国がネット販売のポータルサイトを立ち上げ、出店費用は無料、サイトは対象企業に専門家がヒアリングを行い企業に代わって制作し、資金回収も代行の会社が行うといった、思い切った支援を行うことも必要ではないでしょうか。つまり、これは販路開拓支援をさらに踏み込んで、販売支援を行うということになります。もちろん民業圧迫になってしまうため、たとえば3年間というような期間を設け、その間に当該企業は自立化を進めるということも必要になります。

現実的ではないかもしれませんが、筆者はこのような今までの常識にとらわれない施策もあっても良いのではないかと考えます。



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