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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=11年5月「震災復興に向けた中小企業対策」

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不況を乗り切る施策利用のススメ!今月の施策ピックアップ!
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「震災復興に向けた中小企業対策」

  東日本大震災からの早期復旧に向けた平成23年度第一次補正予算が、5月2日に成立しました。この補正予算のうち、中小企業対策として、大震災に伴う資金繰り支援として約5,100億円の予算措置がなされ、直接・間接的に被害を受けた中小企業を対象に、内容を拡充させた金融制度が創設されることになりました。
  今回は震災後の復興に向けた中小企業対策について触れたいと思います。

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帝国データバンクが行った「TDB景気動向調査(特別企画):震災の影響と復興支援に対する企業の意識調査」によると、@「企業の77.9%が震災による影響あり」、A「東日本大震災による影響、企業の約6割が需要減に」という結果が出ています。

東日本大震災による自社への影響は、特に「東北」「南関東」「北関東」で8割を超えており、業界別で見ると、「運輸・倉庫」が81.1%、「卸売」が80.4%、「製造」(80.0%)、「小売」(79.3%)と続いています。以上から、今回の大震災は、広い範囲で、また多くの業界に影響をもたらしていることがわかります。

このような現状に対して、国は年度内に必要と見込まれる経費を計上する平成23年度第一次補正予算を成立させました。また、本格的な復興対策となる第二次補正予算案は7月以降に編成される見通しとなっています。


では、成立した第一次補正予算による中小企業対策とはどのようなものでしょうか。これは大きく、「中小企業向け資金繰り支援策」と「工場等の復旧への支援策」に分かれますが、そのおもな内容について、以下で見ていきます。(以下、2011年5月2日現在の情報です)


1.平成23年度第一次補正予算による中小企業対策

(1) 中小企業向け資金繰り支援策

現在、被災中小企業に対して、日本公庫等の災害復旧貸付や、保証協会の災害関係保証(100%保証)を発動するとともに、セーフティネット保証(100%保証)について4月以降も原則全業種で実施しているところです。

しかし、中小企業は今回の大震災によって、直接・間接的に大きな被害を受けて極めて厳しい状況にあるため、国は信用保証や公的融資について、間接被害を受けている中小企業も含め、利用枠の拡大や金利引下げなど内容を大胆に拡充した震災対応の金融制度を創設し、資金繰りに万全を期すこととなりました。


@信用保証協会による「東日本大震災復興緊急保証」

直接的または間接的に著しい被害を受けた中小企業を対象とした新たな保証制度「東日本大震災復興緊急保証」を創設し、中小企業やその関係者に安心感をもたらすために必要な保証枠を確保するとともに、保証限度額及び保険填補率についても大幅に拡充します。

この新たな保証制度は、従来の別枠保証である「災害関係保証」「セーフティネット保証」とさらに別の枠として利用できる信用保証制度です。つまり、一般保証の無担保保証8,000万円とは別に無担保の保証枠が1億6,000万円(8,000万円×2信用保証制度)増えるということです(あくまで枠の限度額です。もちろん、別途審査があります)。


<図:震災向け中小企業信用保証制度の概要>

図解説

A日本公庫・商工中金による「東日本大震災復興特別貸付」

直接的又は間接的に著しい被害を受けた中小企業等を対象とした新たな融資制度「東日本大震災復興特別貸付」を創設し、必要な融資枠を確保するとともに、貸付限度額、金利引下げ措置、据置期間を大幅に拡充します。この結果、従来の「災害復旧貸付」と比べた場合、この貸付制度は貸付限度額が2倍に増加し、据置期間もプラス3年(災害復旧貸付は2年)となりました。

また、この新規の貸付制度について、地震・津波により事業所が全壊または流出した中小企業や、警戒区域等内の中小企業等を対象に、地方団体等を通じ、必要に応じて利子補給を行って、無利子とするための基金(第一次補正予算で100億円を計上)も創設されます。


<表:東日本大震災復興特別貸付の概要>

図解説

B小規模事業者経営改善資金融資(マル経融資)の拡充

直接又は間接的に被害を受けた小規模企業者を対象として、商工会等が経営指導を行うことによって、日本公庫(国民事業)が無担保・無保証人で融資を行うマル経融資について、貸付限度額、金利引き下げ措置を拡充します。


(2) 工場等の復旧への支援策

@中小企業等が一体となった施設復旧・整備への支援

被災地域の中小企業等の事業者が一体となって進める再建計画を都道府県が認定し、その計画に不可欠な施設の復旧・整備を国と都道府県が連携して補助金により支援するとともに、被災した商店街の施設復旧・修繕を支援します。

また、津波等により壊滅的な被害を被った地域などにおいて、被災地域の要請に基づき、中小企業基盤整備機構が仮設のものも含め貸工場・貸店舗等を整備します(既に、平成22年度補正予算や23年度当初予算の活用により、被災した商店街施設の復旧支援を実施しています)。


A復旧・復興のための支援専門家派遣

工場等の復旧・復興に必要な人材不足を補うため、巡回アドバイザーや専門家を派遣します。これにより、設備修理の技術サポート、経営相談、まちづくり相談などをきめ細かく実施します(既に、中小機構が盛岡、仙台、福島に支援拠点を設置するなど、23年度予算を活用し、事業を開始しています)。


2.震災復興に向けた中小企業対策に関する考察

以上、国の復興支援策を見てきましたが、冒頭で見たとおり、今回の大震災は広範囲で、また多くの業界で影響が出ており、未曽有の災害といえます。また、福島第一原発の事故が復興の妨げとなっている側面もあり、今までの施策の範疇だけではなく、復興に向け思い切った施策の制度設計・展開が求められます。簡単にいえば、今までの常識にとらわれない施策の内容やその運用が必要となります。


たとえば、直接の被災中小企業や福島第一原発の警戒区域等内の中小企業等を対象とした東日本大震災復興特別貸付を基金による利子補給を行って無利子する制度は、今までにはない制度で、このような大胆な制度が必要です。

ではどのようなことが他に考えられるでしょうか、いくつか示してみたいと思います。


まず融資ですが、上記のような利子補給制度以外に、据置期間をもっと長期化することが必要です。いままでコツコツと積み重ねてきた経営資源が一瞬のうちに喪失したわけですから、それを取り戻すのには長い期間が必要です。そのために据置期間を延長化するのです。もっといえば、一括償還が可能になれば、さらに被災中小企業の負担は減ります。


次に補助金・助成金ですが、これらは原則精算払い(後払い)となっています。このことから、補助金・助成金を利用するために、まず自腹(自己資金または借入金)で何か事業をするなり、雇用でいえば人を雇い入れなければなりません。しかし震災後、事業活動が休止・停滞していた被災中小企業にとって、資金余力は少なくなっていることが考えられます。そのため、補助金・助成金を被災地の地域や企業の事情などによって概算払いにすることも必要ではないかと思います。

また、ある程度地域間のバランスを考えながら配分されている全国一律の補助事業を、東北経済産業局や岩手県、宮城県、福島県等により多く配分されるよう重点化することも良いでしょう。


さらに、被災地域において企業誘致スキームを地域の再建企業も利用できるようにし、税の特典や雇用促進の助成金等が活用できる枠組みを整備するのも良いのではないかと思います。

その他として、補正予算と引き換えに中止されるといわれている高速道路の無料化も、被災地にアクセスする高速有料道路や東北道のような基幹的な高速道路の無料化を引き続き行うことなど、域内の観光産業にプラスに働く制度の継続も有効です。


制度として、これからも復興に向けた中小企業対策は充実していくと思いますが、どういうものがあるのか、また今後どういうものが創設されるのかといった「情報収集」は、施策を利用しようと思っている中小企業にとって特に重要です。また、自ら情報を探すだけではなく、商工会等で情報提供を受けるという方法も役に立ちます。



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