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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=10年11月「国民生活事業と中小企業事業」

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「国民生活事業と中小企業事業」

日本公庫の国民生活事業と中小企業事業、その違いはなんでしょうか。それぞれの事業の特徴を見ながら、その違いを理解しましょう。

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テレビ放映されていた参議院予算委員会を見ていたら、質問に立った議員から興味深い提案があげられていました。それは、3年間で1万社の起業を目指すため、日本政策金融公庫(以下、日本公庫)の国民生活事業(旧国民生活金融公庫)が小規模な創業に、また中小企業事業(旧中小企業金融公庫)がやや事業規模の大きい創業に対して、企業数や融資額などを明確にした数値目標を掲げたうえで融資拡充をすべきという内容でした。融資に対する予算枠は決められていますが、何にどう使うかという数値目標は今までそれほど明確にはされてきませんでした。つまり、企業数や融資額等は施策の実施主体である公庫の運用次第ということになるわけです。この点、小規模な創業、やや大規模な創業といった分け方やそれそれぞれの企業数と全体の融資枠を先に決めるというのは、少し目にウロコでした。

前置きが少し長くなりましたが、上記で取りあげられた日本公庫の国民生活事業と中小企業事業、これらは多くの中小企業が利用している政府系金融機関です。しかし、この2つの事業の内容や違いはなんでしょうか。今回はこの2つの事業とその違いについて見ていきます。


1.日本公庫の業務の概要

まず、日本公庫の業務から見ていきます。

日本公庫は、平成20年10月1日、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び国際協力銀行(国際金融等業務)が統合して誕生しました。日本公庫は、国が株式の100%を常時保有する特別の法律に基づく株式会社で、国の政策のもと、民間金融機関では対応が困難な分野を補完し、政策金融を機動的に実施する金融機関です。

日本公庫のおもな業務は、@国民生活事業が行う国民一般向け業務、A中小企業事業が行う中小企業向け業務、B農林水産事業が行う農林水産業者向け業務、C国際協力銀行が行う国際金融等業務に分けられます。これらの業務のシナジー効果として、日本公庫では地域経済の活性化支援、顧客の成長支援、事業のグローバル化支援を目指しています。また、これらに加えて主務大臣が認定する内外の金融秩序の混乱、大規模災害等の危機発生時に指定金融機関に対し、一定の信用付与を行う危機対応円滑化業務も行っています。完全民営化された株式会社商工組合中央金庫が行う経営環境変化対応資金等のセーフティネット貸付や災害復旧資金がこの日本公庫の危機対応円滑化業務によるものになります。

上記の事業のうち、国民生活事業が行う国民一般向け業務には、@小口の事業資金融資、創業支援、A経営相談、情報提供、B国の教育ローン、恩給・共済年金等を担保とする融資があります。また、中小企業事業が行う中小企業向け業務には、@中小企業への長期事業資金の融資、A民間金融機関による証券化手法を活用した取組みを支援、B信用保証協会が行う中小企業の借入等に係る債務の保証についての保険の引受け等があります。

<図:国民生活事業と中小企業事業の業務内容>

図解説

では、その二つ、国民生活事業と中小企業事業についてさらに見ていきましょう。

2. 国民生活事業と中小企業事業の特徴

国民生活事業と中小企業事業、以前の国民生活金融公庫と中小企業金融公庫ですが、これら2つの事業の違いがわからないと思っている方は結構多いのではないでしょうか。ここではこの2つの事業の特徴を見ていきます。


(1) 国民生活事業の特徴

国民生活事業の特徴は、次のとおりです。
@融資先は小規模企業が中心、半数近くは個人企業

国民生活事業の融資先は、生花店、パン屋、飲食店、理・美容所、工務店などのように各地域の住民の生活に密接なかかわりを持った生業的な小規模企業が中心です。平成21年度の従業者規模別融資構成比(件数ベース)を見ると、4人以下が64.8%で5〜9人が21.4%と小規模企業の割合が非常に高くなっています。また、個人・法人別見ると、約4割が個人企業となっています。
A小口融資が主体

平成21年度ベースで、事業資金の融資先数は108万企業。小口融資が主体で、1企業あたりの平均融資残高は602万円となっています。
B無担保融資が主体

平成21年度ベースで、無担保融資の割合は、約8割(78.3%、件数ベース)で、無担保・無保証人の融資の割合は、4分の1強(26.8%、件数ベース)となっています。
C業種や地域に偏らず幅広く支援

全国各地に展開する152の支店を通じ、業種や地域に偏らずに、幅広い支援を行なっています。特に創業については、全国15地区の「こくきん創業支援センター」と東京、名古屋および大阪の3地区に設置している「こくきんビジネスサポートプラザ」で具体的な対応を行っています。


(2) 中小企業事業の特徴

中小企業事業の特徴は、次のとおりです。
@多様な中小企業が融資先で半数近くは製造業

中小企業事業の平成21年度分の融資先平均像を見ると、1企業あたりの平均融資金額は1億4000万円、平均資本金は5,100万円、平均従業員数は74人で、融資残高の約60%が従業員20人以上、約90%が資本金1,000万円以上の融資先となっています。また、融資先の約半数は製造業が占めています。
A政策性の高い特別貸付を推進

中小企業事業では、時代の要請に応じて政策性の高い特別貸付の推進に取り組んでいます。特別貸付は、セーフティネット、ベンチャー、事業再生などの分野や、地域経済の活性化、環境対策、雇用確保に貢献する設備投資の喚起など、民間金融機関だけでは十分に対応できない分野に対し、資金を供給して政策誘導を行うために設けられているものです。そのため、中小企業事業では長期資金を専門に取り扱っており、融資の約6割(平成21年度:59.3%、金額構成比)が期間5年超の長期資金となっています。
B融資業務のほか、証券化支援業務等を実施

中小企業事業は、融資業務のほか、民間金融機関等による証券化手法を活用した取り組みの支援や信用保証協会が行う中小企業の借入に係る債務保証について保険の引き受け等を行なっています。
C基本的に有担保主義

旧中小企業金融公庫時代の平成17年度から無担保による融資制度が始まりましたが、中小企業事業は長期資金の供給が目的とされているため、基本的に有担保主義、つまり不動産担保等による融資が通常のパターンとなります。ここがもっとも中小企業事業の特徴を示しています。



国民生活事業は小規模企業が中心で無担保による小口融資が主体となっています。これに対して中小企業事業は製造業を中心とした従業員規模・資本金規模がやや大きめの中小企業に対して有担保による長期・高額な融資を行っていると言えます。つまり、両者の大きな違いは、無担保か有担保かということに集約されます。有担保だから、中小企業事業の融資額の方が大きいと言った方が良いかもしれません。

また国民生活事業ですが、こちらは保証人による融資の割合が高くなっています。平成21年度では、無担保融資のうち約6割が保証人をつけたものとなっています。この点も国民生活事業における融資の特徴と言えます。ただ最近では、第三者保証人や担保等の提供を不要とする融資制度も多くの小規模企業に利用されており、「第三者保証人に頼らない融資(無保証人または経営者の方などの保証による融資)」が全体の76.4%(平成21年度)を占めています。

以上のような各事業の特徴や自社の財務力・信用力、今後の事業展開や資金使途等を勘案したうえで、公庫を利用することが得策だと思います。



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