商工会 100万会員ネットワーク COMPASS CLUB
 
スペース
コンパスクラブ コンパスクラブTOP 商い知っ得情報TOP 地域情報TOPページ
スペース
スペース
現在のPAGE

あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=10年9月経営承継円滑化法について

現在のPAGE
スペース
不況を乗り切る施策利用のススメ!今月の施策ピックアップ!
スペース

経営承継円滑化法について

中小企業の事業承継の円滑化は、わが国で極めて重要な課題となっています。経営承継円滑化法を活用して事業というバトンを次世代につないでいくことも有用な方法です。

スペース

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下、経営承継円滑化法)」が平成20年10月1日から施行され、約2年が経とうとしています。この法律では、中小企業の事業承継を円滑に進めるための各種支援措置を講じています。

1.事業承継の円滑化の課題

世間では163歳の人が戸籍上生存等と、全国で戸籍上の手続きの問題が浮上しています。当たり前のことですが、人(自然人)には寿命がありますが、企業(法人)にはそれがありません。そのため、経営者が亡くなったとしても事業を引き継ぐ人(後継者)がいれば、企業は存続されていきます。これが事業承継です。

しかし、最近中小企業において、様々な要因から事業承継が円滑に進んでいないと指摘されています。特に従業員規模別で見ると、規模が小さいほど社長交代率が低下する傾向にあり、団塊の世代が引退時期に差し掛かる状況下、特に小規模企業において、事業承継がなかなか進んでいません。中小企業の事業承継の円滑化は、事業の継続・発展を通じて地域経済の活力を維持し、わが国経済の基盤である中小企業の雇用を確保するなどの観点から、極めて重要な課題となっています。

2007年版中小企業白書では、円滑な事業承継を行うためのおもな条件として、@関係者(ステークホルダー)の理解、A後継者教育、B株式・財産の分配、C個人保証・担保の取り扱いの4つが挙げられています。

<図:円滑な事業承継を行うためのおもな条件>

図解説

しかし上記のうち、@関係者の理解やA後継者教育は何らかの準備を実施している企業が比較的多いのに対し、B株式・財産の分配については、特に対応が遅れており、またC個人保証・担保の取り扱いについても対応が進んでいないと白書では指摘しています。

このような状況を受け、BやCの中小企業の事業承継における課題に対応するため、経営承継円滑化法が制定されました。

2.経営承継円滑化法とは

経営承継円滑化法は、@遺留分に関する民法の特例、A事業承継時の金融支援措置、B事業承継税制の基本的枠組みを盛り込んだ事業承継円滑化に向けた総合的支援策の基礎となる法律です。

本法に基づく申請は、全国9ヶ所にある地方経済産業局で受け付けており、窓口に提出する以外にも、郵送または電子申請による提出が可能となっています。

法に基づく@〜Bの支援のポイントは以下のとおりです。


(1) 遺留分に関する民法の特例制度のポイント

@遺留分とは

人は、自らの財産を自由に処分することができるはずですが、民法は、相続人の生活の安定や最低限度の相続人間の公平を確保するため、兄弟姉妹以外の相続人に最低限の相続の権利を保障しています。これを「遺留分」といいます。被相続人による財産の処分によって、遺留分を侵害された相続人は、遺留分の額以上の財産を取得した相続人に対して、財産の返還を請求(遺留分減殺請求権)することができることになっています。

A遺留分に関する民法の特例の概要

事業承継に際しては、事業用資産を後継者になるべく集中させることが望ましいのですが、実際には円滑に進まないケースも多いのが実情です。親族内承継において、生前贈与や遺言を作成することなどで、ある程度資産を集中させることも可能ですが、上記の遺留分制度による制約が障害となるケースも多くなっています。

本法における遺留分に関する民法の特例というのは、一定の要件(非上場会社、3年以上継続して事業を行っている)を満たす中小企業者の後継者が、先代経営者の遺留分権利者全員と合意を行い、所要の手続(経済産業大臣の確認及び家庭裁判所の許可)を経ることを前提に、次の遺留分に関する民法の特例の適用を受けることができるというものです。

1)

後継者が先代経営者からの贈与等により取得した株式等について、遺留分を算定するための財産の価額に算入しないこと(「除外合意」)。

2)

後継者が先代経営者からの贈与等により取得した株式等について、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を合意の時における価額とすること(「固定合意」)。

(2) 金融支援措置のポイント

先代経営者の死亡や退任により事業承継をする際には多額の資金ニーズが発生する場合があります。 たとえば、相続などにより分散した株式等や事業用資産等の買取り(会社に対する貸付金や未収金の弁済を含む)やこれらの資産に係る相続税の納税のために多額の資金が必要となる場合などです。また、経営者の交代により信用状態が低下し、取引先から支払サイトの短縮を求められたり、金融機関から借入れをする際に金利等の条件を厳しくされたりするなど、資金繰りが悪化する場合もあります。

そこで、本法では、経済産業大臣の認定を受けた中小企業者(非上場会社及び個人事業主)等に対し、次の金融支援措置を講じています。

@中小企業信用保険法の特例

これは、認定を受けた中小企業者の事業に必要な資金について、中小企業信用保険法に規定されている普通保険(限度額2億円)、無担保保険(同8,000万円)、特別小口保険(同1,250万円)を別枠化するものです。本特例により、信用保証協会の債務保証も実質的に別枠化されることとなるため、中小企業者が当該債務保証を受けることで金融機関からの資金調達が行いやすくなります。

なお、本特例の適用を受けるのは、中小企業者である会社又は個人事業主が資金を借り入れるときであり、具体的には、@株式や事業用資産等の買取資金、A信用状態が低下している中小企業者の運転資金、等を想定しています。

A 株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例

認定を受けた中小企業者(会社)の代表者個人が必要とする資金であって、当該中小企業者の事業活動の継続に必要なものについて、株式会社日本政策金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫から代表者個人が融資を受けることができるというものです。

以前の制度では株式会社日本政策金融公庫と沖縄振興開発金融公庫から代表者個人が融資を受けることができなかったのですが、本特例により後継者である代表者個人が事業承継の際に必要となる資金を株式会社日本政策公庫等から融資を受けることが可能になります。したがって、本特例の適用を受けるのは、中小企業者である会社の代表者個人が資金を借り入れる時となります(個人事業主の場合は本特例がなくとも融資を受けることが可能)。

(3) 事業承継税制のポイント

平成20年1月11日に閣議決定された「平成20年度税制改正の要綱」において、事業承継時の相続税負担の問題を抜本的に解決するため、非上場株式等に係る相続税の軽減措置について現行の10%減額から80%納税猶予に大幅拡充するとともに、その適用対象を中小企業基本法上の中小企業全般に拡大することが決定されました。この事業承継税制については、法に基づく経済産業大臣の認定を受けた中小企業者の株式等を後継者が相続又は遺贈により取得した場合の相続税について適用されます。

事業承継は、廃業や売却等を行わない限り、どの企業でも直面する事柄です。次世代にバトンタッチをするため、この経営承継円滑化法をうまく利用してもらえればと思います。



コラムEND
スペース
スペース スペース
平成23年度版施策知識分野別施策利用情報

分野別施策利用END

スペース
商工会 100万会員ネットワークEND
バックナンバー一覧ページTOPバックナンバー一覧