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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=10年8月中小企業憲章から見た今後の施策

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中小企業憲章から見た今後の施策

中小企業憲章は、中小企業政策の基本的考え方と今後の方針について明らかにしたものです。行動指針では重点施策が明記されており、今後の施策展開も体系化されています。

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以前、当コラムでも取り上げた中小企業憲章が6月18日に閣議決定されました。今回改めて中小企業憲章の内容について触れたいと思います。


1.中小企業憲章の体系と行動指針

中小企業憲章は、意欲ある中小企業が新たな展望を切り拓けるよう、中小企業政策の基本的考え方と方針を明らかにしたものです。そのため、中小企業にとって心のよりどころになるべきものという考えのもと、内容が作成されています。

「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」というフレーズから始まる中小企業憲章は、中小企業の歴史的な位置付けや今日の中小企業の経済的・社会的役割等についての考え方を基本理念として示すとともに、中小企業政策に取り組むに当たっての基本原則や、基本原則を踏まえて国として進める中小企業政策の行動指針を示しています。

<図:中小企業憲章の体系>

図解説

今後、国は8つの行動指針に沿って、中小企業への具体的な支援を行うものとしています。その行動指針は次のとおりです。

@中小企業の立場から経営支援を充実・徹底する

中小企業の技術力向上のため、ものづくり分野を始めとする技術開発、教育・研究機関、他企業などとの共同研究を支援するとともに、競争力の鍵となる企業集積の維持・発展を図る。また、業種間での連携・共同化や知的財産の活用を進め、中小企業の事業能力を強める。経営支援の効果を高めるため、支援人材を育成・増強し、地域経済団体との連携による支援体制を充実する。

A人材の育成・確保を支援する

中小企業の要諦は人材にある。働く人々が積極的に自己研鑽に取り組めるよう能力開発の機会を確保する。魅力ある中小企業への就業や起業を促し、人材が大企業信仰にとらわれないよう、各学校段階を通じて健全な勤労観や職業観を形成する教育を充実する。また、女性、高齢者や障害者を含め働く人々にとって質の高い職場環境を目指す。

B起業・新事業展開のしやすい環境を整える

資金調達を始めとする起業・新分野進出時の障壁を取り除く。また、医療、介護、一次産業関連分野や情報通信技術関連分野など今後の日本を支える成長分野において、中小企業が積極的な事業を展開できるよう制度改革に取り組む。国際的に開かれた先進的な起業環境を目指す。

C海外展開を支援する

中小企業が海外市場の開拓に取り組めるよう、官民が連携した取組を強める。また、支援人材を活用しつつ、海外の市場動向、見本市関連などの情報の提供、販路拡大活動の支援、知的財産権トラブルの解決などの支援を行う。中小企業の国際人材の育成や外国人材の活用のための支援をも進め、中小企業の真の国際化につなげる。

D公正な市場環境を整える

中小企業の正当な利益を守る法令を厳格に執行し、大企業による代金の支払遅延・減額を防止するとともに、中小企業に不合理な負担を招く過剰な品質の要求などの行為を駆逐する。また、国及び地方自治体が中小企業からの調達に配慮し、受注機会の確保や増大に努める。

E中小企業向けの金融を円滑化する

不況、災害などから中小企業を守り、また、経営革新や技術開発などを促すための政策金融や、起業、転業、新事業展開などのための資金供給を充実する。金融供与に当たっては、中小企業の知的資産を始め事業力や経営者の資質を重視し、不動産担保や保証人への依存を減らす。そのためにも、中小企業の実態に則した会計制度を整え、経営状況の明確化、経営者自身による事業の説明能力の向上、資金調達力の強化を促す。

F地域及び社会に貢献できるよう体制を整備する

中小企業が、商店街や地域経済団体と連携して行うものも含め、高齢化・過疎化、環境問題など地域や社会が抱える課題を解決しようとする活動を広く支援する。祭りや、まちおこしなど地域のつながりを強める活動への中小企業の参加を支援する。また、熟練技能や伝統技能の継承を後押しする。

G中小企業への影響を考慮し政策を総合的に進め、政策評価に中小企業の声を生かす

関係省庁の連携は、起業・転業・新事業展開への支援策の有効性を高める。中小企業庁を始め、関係省庁が、これまで以上に一体性を強めて、産業、雇用、社会保障、教育、金融、財政、税制など総合的に中小企業政策を進める。その際、地域経済団体の協力を得つつ、全国の中小企業の声を広く聴き、政策効果の検証に反映する。


2. 中小企業憲章から見た今後の施策展開の方向性

中小企業憲章を見ると、今までの中小企業政策の重点項目とさほど変わらないように見えますが、その中でもいくつか今後の中小企業施策の方向性を示している部分があることに気がつきます。

まず中小企業憲章には、中小企業に今後役割を期待する事業分野として、医療、介護、一次産業関連分野や情報通信技術関連分野、環境・エネルギー分野等の特定分野があげられています。

これはわが国の少子高齢化や経済社会の停滞等の社会的・経済的課題を解消するため、医療、福祉等の医療福祉分野や市場の成長が期待できる分野での起業・新規事業展開を国が期待しているからです。このことから、それら分野への政策誘導的な支援というものが拡充されていく可能性はかなり高いと言えます。

次に、地域経済団体への期待です。地域経済団体、つまり商工会・商工会議所や都道府県中小企業団体中央会のことですが、これら団体が中小企業支援での大きな役割を担い、その責任を果たしていくこと、そういった期待を行動指針では繰り返し表現しています。

個別の中小企業や地域の中小企業グループから見ると、やはり身近な相談相手は有りがたいものだと思います。中小企業皆さんのクライアント目線で考えれば、「何ができるか」よりも「誰に頼むか」ということが重要となる場合が多いのですが、頼みやすい、相談しやすいという点では、慣れ親しんだ地元の支援機関が良いに決まっています。今年から始まった中小企業応援センターもこういった流れに沿うものです。このように中小企業支援においても「中央から地方へ」の流れが今後進んでいくものと思います。

最後の方向性のポイントは、行動指針の「C海外展開を支援する」の中の「中小企業が海外市場の開拓に取り組めるよう、官民が連携した取組を強める」という部分です。これまで海外展開支援といえば、現地調査や海外展示会への出展等、わりとソフトな支援策が中心となっていました。これは、日本が貿易黒字の国という手前、正面切って支援を行うことができなかったという事情があったからです。

しかし、リーマン・ショック後、わが国の輸出が急減し、輸出関連の製品を製造している業種を中心に中小企業も深刻な影響を受けました。成長著しいアジアの新興国の存在もあり、また少子高齢化が進むわが国では今後内需の伸びも大きくは期待できません。その結果、中小企業も含め海外に市場を求めていくことは当然のことであり、それを国が強力に支援することは必要な政策と言えます。そういった点で、外需獲得のための海外展開支援は今後の支援施策の中でも特に重要な施策になると思います。



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