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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=10年7月経営革新塾と研修参加のメリット

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経営革新塾と研修参加のメリット

地方自治体や商工会等で中小企業向けの研修セミナーが開催されています。経営者に対する研修の特徴として、意思決定に関連する内容が多くなっています。もちろん研修内容は役立つものですが、参加すること自体にもメリットがあります。

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経済産業省の行政事業レビューが行われ、5月26日の公開プロセスで「創業塾・経営革新塾」が取り上げられました。その結果ですが、「今のやり方で行う事業(創業塾・経営革新塾)は廃止した上で、中小企業者の創業や経営革新のため、真に効果ある支援策を今後検討する」ということになりました。

地方自治体や商工会等でさまざまな中小企業向けの研修事業が行われています。研修というのは経営者にとってメリットがあるのでしょうか。廃止が決まった経営革新塾のCS調査を通じて、経営者に対する研修事業について考えてみましょう。

1.経営革新塾の概要とCS調査結果

経営革新塾というのは、すでに事業を営んでいる中小企業の経営者、若手後継者、経営幹部の方等を対象に、30名程度の少人数のゼミナール形式で、事業展開の必要性とその進め方、事業戦略プランの作成や事業展開のための実践的な演習など、新たな事業展開に役立つ知識・情報を約20〜30時間で習得する短期集中の研修です(参加費用:5,000円)。

この講座は冒頭にあるとおり、国の予算で実施される全国規模の事業です。平成22年度の開催予定をみると、商工会では151県連・商工会で171回開催され、商工会議所では145商工会議所で180回開催されることになっています。

内容ですが、一般的なコースから後継者育成・事業承継用の講座、マーケティングに力入れた業種別の講座やホームページやブログを作成するIT講座などがあります。

<表:経営革新塾の一般コースと脱下請けコースの例>

図解説 図解説

次に、経営革新塾の受講者の追跡アンケート(平成20年8月実施)の結果を見ると、まず「経営革新塾に参加し、プラスになったこと(複数回答)」として、「自社の強み・弱みが明確になった」(50.8%)、「自社のおかれた環境が理解できた」(49.5%)、「新事業展開に対する心構えができた」(33.4%)、「自社の進むべき方向が明確になった」(32.2%)があがっています。多くの参加者が研修を通じ、自社の内部の経営資源や外部環境の動向を把握・整理する機会を得、新事業の方向性やその内容が明確になったことが伺えます。

また、研修後の新事業展開(経営革新)の進捗状況をみると、「受講後新事業展開をした」(16.5%)、「新事業展開を準備中」(23.9%)、「新事業展開の目処が立っていない」(33.1%)、「断念した」(5.6%)、「受講前に既に新事業を展開していた」(11.8%)、「未記入」(9.2%)となっています。「受講後新事業展開をした」と「新事業展開を準備中」がほぼ4割となっており、研修自体の効果は高いように感じます。

逆に「新事業展開の目処が立っていない方」「断念した方」が抱える問題点(複数回答)として、「事業計画が未完成」(69.5%)、「採算の目処がたたない」(19.3%)、「人材確保ができない」(15.7%)、「資金調達がうまくいかない」(12.9%)、「取引先の開拓ができない」(12.0%)となっています。経営革新塾の場合、事業計画を作成することが研修の目標とされていることが多く、それが完成しなかったことが研修後の行動に影響しているだと思います。これは創業塾の場合もほとんど同じような傾向が見られ、研修での目標を研修中もしくは研修終了後早い段階で達したかどうかが創業・新事業展開実現のポイントになっているようです。

経営革新塾は既存の中小企業の方が対象であるため、日常の業務を行いながらの受講になることが多く、開催時期や開催場所、研修日の間隔や開講の時間帯なども重要な要素となります。これは他の研修も同様のことが言えます。


来年度廃止となる経営革新塾について、どういうものか理解いただけたと思いますが、「中小企業者の創業や経営革新のため、真に効果ある支援策を今後検討する」という事業レビューのこのフレーズ、では一体今後どのような研修になっていくのでしょうか。また「創業や経営革新のため」はさておき、「真に効果ある支援策」とはどういったものでしょうか。

正直に言って、私にはまったくわかりません。考えられるのは、創業率や経営革新の承認率が上るような研修といった漠然としたイメージです。効果があるかないのかの測定は、やはり数字というもので計るのが自然だからです。この点については、今後の施策動向を見ながら、改めて本コラムで取り上げたいと思います。


2. 経営者に対する研修の特徴・ゼミナール形式のメリット

さて、一般的に研修というものは、従業員に対するものでは知識の習得やスキルの向上を狙ったものが多いのに対し、経営者への研修は今後の経営方針や事業展開、またそれにまつわる経営者が押さえておくべき事柄など、意思決定に関連するものが多くなっています。それは企業規模の大小にかかわらず、経営者の基本的な職務として、今後の経営方針や事業展開を決めていくということがあるからです。

大きな客船であろうが、一人乗りのヨットであろうが、どこにどう向って行くのか、それを最終的に決めるのは船長です。一人乗りのヨットで帆走するためには、船長自らが多くのことを行わなければなりませんが、その中でも目的地を決め、そこへ向かうために何をしなければならないか、それを決めることはとても重要な仕事です。経営者も船長と同様のことが求められます。つまり、今の話に出てきた船長と経営者の役割は同じと言えるわけです。


研修の話に戻しますが、さきほどの話のとおり、経営者に対する研修の特徴として、@意思決定に関する内容(例:経営理念の明確化、経営方針や事業計画の策定等)、Aそれに関連した知識の習得(例:財務諸表の読み方、SWOT分析等の環境調査の手法、新事業アイデアの具体化方法、マーケティング等)に関するものが多いことがあげられます。

意思決定に関する内容については、企業内部で明文化されていない場合でも経営者の頭の中に考えが存在している、または少し考えればはっきりするということが多いので、それをステップごとに検討しながら顕在化・明文化させていくという研修のすすめ方が一般的です。また、意思決定に関連した知識に関しては、経営活動に役立つ内容を習得することが目的となります。


研修の方式については、経営革新塾でも採用されている少人数のゼミナール形式はとても良い方式です。ゼミナール形式というのは、単なる座学ではなく、講師の指導のもと参加者の発表・意見交換を取り入れた研修方式です。

ゼミナール形式では参加している他の経営者の意見が聴けますし、自分の発言に対する他の経営者の意見も聴くことができます(もちろん積極的に発言することが必要です)。実はここがゼミナール形式の長所なのです。自分の発言に対する意見は、他の経営者からのアドバイスであり、また自社の事業や商品・サービスに対する他の経営者の意見は一消費者としての考えになるのです。

逆に、自分が他の経営者の発言に対して発する言葉は、経営者としての自分の考えであり、また消費者としての意見なのです。この他者の事業を見るという視点が特に重要です。「人の振りを見て、我が振り直せ」じゃありませんが、一番学ぶことができるのは、人を、または人のやっていることを見て、自分自身に照らし合わせることだからです。一般的に自分自身を客観的に見るのは難しいことですから。


以上のように、研修に参加するということは会社から離れ、日常とは違った枠組みの中で新たな視点・新たな考えに触れる機会を与えてくれます。

また、さまざまな人との出会いは財産にもなります。実際に研修に参加した方から、「受講者や講師、主催者側とのネットワークができたことが良かった」という意見も多く聞かれ、参加すること自体にメリットを感じている人も多いようです。前述の追跡アンケート調査の中に研修を主催している「商工会等に期待する支援」を訊ねている項目がありますが、その結果にも「交流の場の提供(経営革新塾のOB会等、同じ志を持った人との交流の場を設けて欲しい)」(31.1%)という意見があがっています。

今までなかなか研修に参加する機会がなかった方も、積極的に研修を活用されてみてはいかがでしょうか。



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