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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=10年3月中小企業憲章について

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中小企業憲章について

日本経済の原動力である中小企業への積極的な支援を行うため、新たな支援の指針となる中小企業憲章に関する研究会が設置され、憲章の検討が始まりました。

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1.中小企業憲章とは

中小企業庁は「中小企業憲章」制定に向けた検討を行うため、「中小企業憲章に関する研究会(以下、研究会)」を設置し、第1回会合が2月3日に開催されました。


中小企業憲章は、中小企業の活力を引き出し、安定的で健全な国民生活が実現されるような環境を整えることを目的としたもので、人材育成の充実や公正な市場環境の整備等の取組を進めるものです。憲章というのは、「大辞林 第二版」によると「重大な事柄に関するおきて。根本的な原則に関するきまり」という意味がありますが、このことから中小企業憲章は今後の中小企業支援に大きな影響を与えるものとなります。

中小企業支援に関しては、中小企業基本法という法律が大きな影響力を今までも、またこれからも有していくと思いますが、中小企業憲章は現行の中小企業基本法と異なり、経済産業省・中小企業庁のみならず、文部科学省、総務省、厚生労働省をはじめ政府全体を挙げて、経済政策の中心として中小企業対策に強力に取り組むための基本方針と位置付けられるものです。

欧州では平成12年(2000年)にEC(ヨーロッパ共同体)によって「欧州小企業憲章」が制定され、その中で中小企業は「ヨーロッパ経済を支えている雇用の源泉で、ビジネス・アイディアの苗床」とされており、中小企業や企業家にとって最良の環境を整備することの必要が高いことを欧州小企業憲章では示しています。現在、欧州小企業憲章によってヨーロッパにおける経済戦略は中小企業の活性化が中核となっています。

また、現与党の民主党が平成19年に公表した重点政策50に「中小企業憲章」という言葉が盛り込まれています。そのため、研究会では中小企業基本法をベースにこの民主党案と欧州小企業憲章を参考・加味しながら具体的に中小企業憲章を取りまとめていくと思われます。


<表:中小企業基本法/民主党「日本国中小企業憲章(案)」/欧州小企業憲章の比較>

図解説

(中小企業憲章に関する研究会 第1回配付資料「中小企業基本法/民主党『日本国中小企業憲章(案)』/欧州小企業憲章の比較」加工)

2. 中小企業憲章の方向性

では、今回の中小企業憲章の中身ですが、いったいどのようなものになっていくのでしょうか。これについては、上記の民主党案の行動指針を参考に見ていくことにします。

行動指針(5項目)に提示されている内容は次のとおりです。

@人材育成・職業訓練の充実

  • 中小企業の競争力の礎である高度熟練技能を持つ「ものづくり人材」を育成するため、技能伝承の教育訓練プログラムや若年層を中心とした人材確保、中小企業同士のネットワーク形成や大学等との連携を通じた職業能力開発に対する支援を通じ、中小企業の職業能力開発機会を大幅に拡充する。
  • 経済のサービス化や知識社会の下では、ものづくり技術のみならず、さまざまな分野の専門性やアイディアを生み出す知恵が重要となることから、中小企業において多彩な人材を確保することができるよう必要な支援を行う。
  • 高等熟練技能者を養成する場としての高等専門学校・専門学校の役割を重視するとともに、コミュニティカレッジのように社会人が生涯にわたって高度な能力を習得できる場も積極的に活用する。
  • 学校教育のあらゆる段階で早い年齢から、勤労の尊さと企業家精神の重要性について学ぶ機会を提供する。

A公正な市場環境の整備と情報公開

  • 中小企業が真にその活力を発揮するためには、市場の歪みを是正し、中小企業に公平な市場参入の機会を保障する必要がある。したがって、中小企業に対して不当な不利益をもたらすような不公正取引を排除する観点から、独占禁止法等の見直しや厳格な運用等、必要な措置を迅速に講じる。
  • とりわけ、不当廉売や優越的地位の濫用による「下請けいじめ」には、厳正に対処する。
  • 市場におけるルールの厳正な遵守と不公正取引の是正を徹底して進めるため、公正取引委員会の機能強化等、行政における監視体制を整備する。

B中小企業金融の円滑化

  • 中小企業が安定的な資金供給を受けることができるよう多様な資金チャネルの形成を促進する。創業・新事業進出時や企業再生時において、リスクマネーの供給が円滑に行われるよう、新たな金融手法の活用も促進しつつ、市場環境の整備に努める。
  • 不動産担保・人的保証に過度に依存することなく、中小企業が安定的な資金調達を行うことができるような体制を整備する。
  • これらの取り組みを進めるに当たっては、民間金融機関の機能を補完するものとして政策金融の適切な活用を図る。

C技術力の発揮と向上

  • 中小企業の技術力と大企業や外国企業のニーズとのマッチングを効果的に行なうための環境を整備する。
  • 中小企業が国際競争のなかで活力を発揮していくためには、高度な技術力を身に付け、付加価値を高めていく必要がある。このため、透明で効率的な配分の下、科学技術研究費を大幅に増額し、集中的に施策を講じる。
  • とりわけ、IT、バイオ、ナノテク、環境、エネルギー等の先端分野に重点を置いた取り組みを進める。
  • 中小企業における知的財産の創造・保護、活用促進のため、支援体制の強化や制度の利便性の向上、知的財産を有効活用した事業展開に対する支援の拡充等を総合的に進める。

D中小企業の声に耳を傾ける仕組みづくり

  • 行政において中小企業政策を企画立案する際には、当事者である中小企業の声に耳を傾け、現場の実情に合った政策を進めるよう努める。このため、中小企業経営者と行政、金融関係者等による協議の場を常設する。
  • 中小企業政策の成果について随時検証を行い、継続的に改善を重ねることにより、より良い政策の実現を目指す必要がある。こうした政策評価のプロセスも国民に対して透明な形で行い、中小企業の声を反映させるよう努める。

今後は、上記の行動指針等を参考に具体的な支援施策が整備されていくものと思われますが、いままでの施策がガラッと変わるというものではなく、施策の力点が若干変わっていくのだろうと予想されます。ちなみに、平成21年度の中小企業政策の重点は、@資金繰り支援、A下請適正取引等の推進、B事業承継円滑化に向けた総合支援、C事業再生支援、D人材確保・育成、E新事業活動に対する支援、F地域商店街活性化事業についての7つです。見た目はそれほど、大きな違いは感じられません。ただ、上記の「中小企業の声に耳を傾ける仕組みづくり」の「中小企業経営者と行政、金融関係者等による協議の場を常設する」等は新しい試みであり、それが施策にフィードバックされていくなら、施策もさらに使い勝手の良いものになるでしょう。

なにはともあれ、中小企業憲章の今後の動向について注意深く見ていきたいと思います。


なお、研究会は3月まで中小企業経営者や関係機関からの意見聴取の会合がもたれ、その後とりまとめに向けた議論を実施する予定となっています。




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