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あきない知っ得情報TOP=施策バックナンバー一覧=09年9月今こそ経営革新を!!A

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不況を乗り切る施策利用のススメ!今月の施策ピックアップ!
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今こそ経営革新を!!A

経営革新は種類・質ともに多様で、多くの企業で取り組まれています。ただし、法に基づく経営革新においては、計画策定のために新事業活動を綿密に検討することが求められます。

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3.経営革新における新事業活動の取組み

中小企業新事業活動促進法を含めた広い意味での経営革新は、その内容や新規性の程度に差はあるものの多岐にわたっています。実際、旧中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)が行った「経営環境実態調査」の1999年以降に行われた経営革新の具体的行動(複数回答)をみると、「新しい商品の仕入又は生産」(64.7%)、「新しい技術・ノウハウの開発」(60.7%)以外にも、「新分野進出、多角化」(47.8%)、「新しい販売方式の導入」(42.9%)、「事業転換」(11.1%)等の取組を行っており、経営革新は既存事業の取組み、新しい分野への取組み等、種類・質ともに多様であると言えます。逆に経営革新に取り組んでいない企業は、全体の15.8%でしかなく、経営革新を広く解釈すると、全体の84.2%と、大部分の中小企業がなんらかの形で経営革新に取り組んでいることが分かります。

次に、これを法律の承認を受けた中小企業でみると、次のようになります。

図解説

<図:経営革新計画承認企業の取り組み状況分布>

経営革新計画の承認企業でみると、「新商品の開発又は生産」が34.2%と最も多くなっていますが、これは製造業の占める割合が48.0%(平成20年度経営革新の評価・実態調査報告書)と多くなっているためと考えられます。前回もお話しした通り、経営革新は単に技術革新のみならず、イノベーションの5類型すべてが対象となるものです。

では、どうような事業が経営革新の承認を受けたのでしょうか。ここでは中小企業庁の「経営革新計画事例集」から経営革新の4類型にあたる事例を取り上げてみてみたいと思います。


■新商品の開発又は生産
【事例1:国産杉を活用した集成材の生産・販売(合板製造業)】

当社の大型建築物の建築構法はボルトを一切使用しない接合構法であるRH構法を用いているが、国産杉は強度が弱くRH構法における集成材には活用できなかった。一方、国産杉、特に県産杉の活用は県内林業の発展に寄与するもので活用が望まれている。そこで当社は、国産杉を活用した強度の高い集成材の開発に取り組み、その結果、コスト面でも外国産材と十分対抗できるRH構法に適した集成材の開発に成功した。今後、新開発した集成材の本格生産と販路拡大に取り組むことで、経営革新を進めるものである。


■新役務の開発又は提供
【事例2:飲食店経営による経営の多角化(酒類卸・小売業)】

当社は、フランチャイズ契約により、自らが酒類を扱う飲食店(3形態)を経営し、これまでの単なる酒類販売業からの脱却を図り、経営基盤強化を図るものである。この新たな取り組みにより、酒類の規制緩和や同業他社との競争に対応するとともに、飲食店経営のノウハウを生かし取引先の業務店との関係強化等を図ることによって、経営革新を進めるものである。


■商品の新たな生産又は販売の方式の導入
【事例3:学校アルバム制作におけるCTPシステム導入によるコスト低減(印刷業)】

学校アルバム制作においては、少子化の影響から少ロットでの制作という傾向にあり、短納期化、コスト低減を図る必要がある。昨今の印刷技術はCTP関連を中核として、一層の高速性、省力化が実現されつつあることから、当社においてもオンデマンド印刷機とCTPシステムを導入し、短納期化、コスト低減を実現することとしている。また、小規模学校、学級別、サークルや学科別のアルバムを新たな商品として提供していくこととしている。


■役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動
【事例4:「レンタルガレージシステム」の全国展開(自動車整備業)】

ユーザーのセルフ方式による板金塗装等のシステムを考案し車の専門雑誌等でPRしたところ、遠くは北海道や広島県などのユーザーが利用にきた。このシステムのニーズを把握するためホームページで情報収集をしたところ多くの意見があり、ニーズの高さを認識した。このため、このシステムの全国展開をするため、全国の板金塗装業及び自動車修理業者に対して自動車業界誌及びホームページで、加盟店を都道府県1店舗限定で募集する。加盟店には、接客マニュアル、作業指導マニュアル、ガレージ利用規約、顧客管理・財務管理ソフト等を開発・作成し提供する。


おおざっぱな表現をとると、事例1はこれまで利用が少なかった原材料を使った新商品の生産・販売、事例2はサービス分野への進出とそのノウハウを活かした従来の取引先へのアドバイス機能の強化、事例3は新たな生産方式の導入とそれを活用した新たなパッケージ商品の提案、事例4は自社の有するノウハウの提供とそれに伴う新たな提供方式の導入ということになります。事例そのものはそれぞれの企業特有のものになりますが、そのエッセンスはこれから経営革新を行おうとする企業にとって、新事業活動を考える上でとても参考になると思います。


4.新事業活動を考える際のヒント

最後に、新事業活動を考える際のヒントとなる事柄について触れたいと思います。

下の表は、アメリカの経営学者のアンゾフが開発した製品−市場マトリクスを簡略化したものです。アンゾフの製品−市場マトリクスは、自社の製品・サービスと市場との関係を4つの事象に落とし込み、どのような成長戦略を取るべきかを検討・分析・評価するためのツールです。ここでは、このマトリクスを使って、「誰(顧客層)」に「何(商品・サービス)」を提供するのか検討し、新事業活動を模索するために利用します。

図解説

<図:顧客×商品・サービス マトリクス>

このマトリクスを使って経営革新の新事業活動を考える際には、まず既存事業がどのようなものか、つまり誰に対して何を提供しているのか、この「誰に」「何を」という部分について一度たな卸しをすることで既存事業を整理することから始めます。時代とともに企業に求められる役割は変化しています。現状の顧客の属性やどのようなものが支持されている商品・サービスなのかを改めて確認することが今後の新事業活動を考える上で大前提となります。

次に、既存事業における顧客層および商品・サービスを起点として、新たな顧客層、新たな商品・サービスが考えられないかを検討します。一般的にはシナジーを生む、つまり既存事業と相乗効果が見込める顧客層、商品・サービスを想定することが企業にとって、コスト面からみても、また事業推進上においてもメリットが高いと思います。そのため、上の図の「顧客浸透」や既存事業と同じ商品・サービスを新たな顧客層に提供する「新規顧客開拓」、既存事業の顧客層に新たな商品・サービスを提供する「新商品・サービス開発」という3つの事象での事業化の検討を優先すべきです。

最後に、事業を進める実施手順、これを考えます。たとえば、検討している1事象の深堀によるシナリオ化や「顧客浸透」をスタートとして、「新顧客開拓」さらに「新商品・サービス開発」、最終的には「多角化」というようないくつかの事象にまたがる流れで事業を考えることも必要です。なぜ必要かといいますと、それは経営革新計画が3年から5年という期間で策定されるものだからです。さらに言えば、この新事業活動そのものが承認申請の最大のポイントとなるからです。詳しくはまた次回見たいと思います。


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